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43.早いもんです


 私が誘拐されたのは箝口令が敷かれていた為、城内の者達しか知らなかったが、ディアナさんから侍女さん達も心配していたと聞いた。

 彼女達の殆どが私を見守る会の会員だと教えられた時には、私にもファンクラブが! と驚いたものだ。


 でも過度に触ってくる訳でも、常時見張られている訳でもないし、可愛い女の子達に好かれるのは嫌じゃない。


 それでエリザベス様にお願いして侍女さん達会員のためのスイーツパーティーを開いてもらった。


 一気に呼ぶと城内が回らなくなるので、数回に分けて短時間になったけど全員呼ぶ事が出来た。

 私の元気な姿を見て、安心したり、涙ぐんだりする子達も居たが、喜んでくれたみたいで良かった。


 



 それからはのんびりした日々が過ぎた。

 

 午前中は国際的な勉強をして、他国の王様達を覚えている。式典に来てくれる人達だけでも覚えなければ、とは思っているがいかんせん怪しい。

 なんせお披露目会のために覚えた貴族の方々も、済んでしまった今では殆ど忘れちゃったし。公爵、侯爵家くらいは覚えているけどさ。最初に覚えるし、確認のために何度も言ったから、それくらいは、なんとか。

 私の頭はそんな程度なんです。ごめんなさい。


 毎日ルーシャス様と会って、週に一度はエリザベス様達とお茶会をしてる。夜会はお城で開かれたものに一回出席した。でも前に決まったように、一時間くらい会場に居て、皆が踊るのを眺め、適当な所で退場してた。

 出席する必要ある? とは思ったが、私が元気な姿を見せて欲しいと言われた。やはりどこかから話が漏れたのか、私が臥せっていたと言う噂が流れていたのでそれを払拭したかったらしい。


 ディアナさんは嬉しそうに新しいドレスを作っていたし、なぜかみんな嬉しそうだった。私は私で新しいルーシャス様の服が見れて満足だったし、ディアナさんにお願いしてルーシャス様と同じ衣装をコルー様用に作ってもらって大満足だった。


 夜会後に、新しい人形の発売はっ!? と大勢の人に詰め寄られたらしく、ルーシャス様はちょっと困ったらしい。


「カエデ、どうする? 新しい人形を作るかい?」

「う〜ん……私的には式典で出した方が良いと思うので、今回は衣装だけ発売してみたらどうですか?」

「そうだな、そうするか」

「これも限定にしておけば、売れ残る事もないんじゃないですか?」 

「売れ残る事はないと思うが……そうしておくよ」

「お願いします」





 段々と式典が近付いてきて、今度は式典の作法の勉強をし出した。


 と言っても、私がする事はあまりなく、神官さんがゼフィーナ神に長々と祈りを捧げるのを、首を垂れながら待ち、その後に私も祈りを捧げる程度。

 それを各国の代表が見守り、終わればそのままパーティに移行し、聖女に挨拶するのが決まりだったそうだ。


 でも今回は私の結婚式も同時に行われる為、祈りの後に婚姻の儀式を行う事になっている。


 衣装は聖女用の式典の衣装が決められているため、それを小さく作ってもらって着る。結婚式もそのまま行う。

 ウェディングドレスに憧れない訳ではないが、世界中の王族が集まる中で我を押し通す程着たいかと聞かれれば、否だろう。長いものには巻かれるタイプなんです。はい。

 それに資料として見せてもらった聖女用の衣装も、異世界情緒溢れていて気に入っている。主にコスプレ的に。それに合わせたルーシャス様の衣装が楽しみすぎるくらいだ。


 

 式典用の衣装を着た人形を限定販売するつもりでいたが、ルーシャス様にやめた方がいいと言われてしまった。

 曰く、絶対売り切れるから、と。


 確かにお披露目会用も追加で作っていたし、今回は他国の人も来るから予想がつかないかも。


 じゃあと、今度は全部予約販売にする事にした。


 期限までに予約してくれれば、その数だけ作る。

 これなら買えない人もいなくなるからと提案してみれば、ルーシャス様も了承してくれた。

 ついでに式典後のパーティに見本を一体作っておいておけば、他国の人にも売れるんじゃないかと言ってみれば、「ミレーに頼んでおくよ……」と何故か青い顔で言われてしまった。何でだろう?





 そしていよいよ、明日が式典という日。

 やっぱり緊張しているのか、中々眠れずにいた。


 この頃になると流石に夜中に寝る時は一人が良いとお願いして、侍女さんには応接室で待機してもらうようになった。

 


 

 私がこの世界に来て、半年が過ぎようとしている。

 私にとっては一年半だが。


 早いなぁ〜と感慨深くなっていると、ふと気付いた。




 私の部屋に、見た事のない扉があったのだ。




 

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