23.大分改善されました
明くる日、ルーシャス様が私用の扉を持って来てくれた。
扉を開ける事も閉める事も出来ない私は、猫用扉を応用して扉の下の方に小さな扉を作ってもらったのだ。
これなら扉が閉まっていても、小さい扉を開閉出来るので困らない。しかも私用なのでお子様くらいじゃないと通れないサイズ。
それでも鍵は付けられた。まあ、王宮内だしね。
この鍵なのだが、私しか使わないという事で、専用の鍵を付けてもらった。腕輪と連動していて、着けていれば開け閉め自由自在という何とも便利な代物。
魔道具、便利!
そう言えばトイレは早々に作ってくれた。
一見すると仮設トイレのようで、下の方にスライムを入れるスペースがあって段差がある。水は魔石で出せるので、形さえ作ってしまば、どこに置いても使えるそうだ。ありがたやー。
流石に万年筆を小さくするのは難しいらしく、先を削った羽根を渡された。
羽ペン……めっちゃカッコ良くない?
しかーし、ペン自体を使った事がなかった私は、一生懸命練習しましたとも。文字の勉強も兼ねて、書きまくったさ。その甲斐あって、文字も書けるようになりました!
大分生活自体は楽になった。
そうなると辛いのが、やはり夜。
何となくだけど、誰かと一緒に居ると体感時間が短く感じると気付いた。
つまり同じ時間でも昼間は普通に過ごせて、夜はいきなり体感時間が延びる感じ。
夜は本を読んだり、勉強や運動をしているが、やっぱりつまらない。
そこで私が目をつけたのは、護衛さん!
毎日扉の側で立ってくれている騎士さん達。
それは必須であって、交代で行われているそうだ。
流石に暇だからといって侍女さん達を呼ぶのは忍びなかったけど、お仕事中の彼らなら良いかな〜と思って。
私用の扉を開けて、お話を聞いてみた。
最初は困ったように断られたけど、お願いしてみたら了承してくれた。
もちろんあまり邪魔をしても何なので、一時間くらいで。
騎士の訓練の仕方や、子供の頃とか、休みの日の過ごし方とか。
知らなかった事が多くて、面白かったし興味深かった。
日替わりで交代してるので、毎日違う人の話が聞けて楽しかった。
彼らは気配を感じる事が出来るらしく、誰かが通りそうになったら教えてくれたので、部屋に戻った。
そうして騎士以外には知られずに、夜中の歓談は続けられた。
お陰で寝る前の時間が短く感じられて助かった。
が、そんな日々も長くは続かなかった。
侍女達にバレて、ルーシャス様に知られ、めちゃめちゃ怒られた。
怒られたといっても、物凄く悲しそうな顔で訥々と語られただけだけど。
たとえ護衛でも男性に違いなく。
夜中に話すなど……よくありません、と。
ですよねー。
よく考えればその通りでした。申し訳ありません。
反省し謝ると、どうしてそうしようと思い至ったのかまでも白状させられた。
すると「自分が一緒に過ごす!」と言い出した。
それもそれでどうかな? と困っていたら、ディアナさんがルーシャス様を止めてくれた。
そして次の日から日替わりで侍女さんが一人、夜中の話し相手として来てくれる事になった。
そこまでしてもらうのはどうかと思ったけど、どうしてもと言われてしまい、それならとお願いした。
女の子との気兼ねない話は思ったよりも楽しくて、あっという間に時間が過ぎるようになった。
城下町にある人気のお店とか、美味しいお菓子とか、化粧品はどこが良いとか。
女子力ありまくる侍女達の話は、私の興味をそそりまくった。
城下町に行ってみたいと思うのは仕方ないと思うんだー。
て事でカールさんにお願いしてみようっと。




