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22.第二回当たりになろう会議


 さてさてやってきました、第二回目の会議。

 自分の人形がどんな風になるのかドキドキです。

 ディアナさんに連れられて会議室に入ると、そこには前回よりも多い人数が揃ってました。


「えっと……エリザベス様にアンジェリカ様? 来ていただいて有難うございます。宜しかったのですか?」

「はい、勿論です。前回は参加出来なくて残念でしたわ」

「そ、そうですか。……コホン、では『第二回当たりになろう会議』を始めますね。まずはミレーさん。お人形はどうなりましたか?」

「はーい、見て見て〜。会心の出来よっ!!」」


 そう言って箱から出されたのは、『アリス』の衣装を着た私の人形だった。


 えー!?

 どうして知ってるのぉー!


 思わずディアナさんを見たら、えへっと可愛く笑われました。


 やっぱりあなたが犯人ですかー!

 ……まあ、良いですけど。


 よく見てみると、とても可愛い顏になっていて、本人よりも三割ほど可愛らしさがUPしてます。

 

「おー、とても可愛く出来てますね!」


 ほっ。

 良かった〜。これがまるでそっくりだったら、大量のドッペルゲンガーを見ることになる所だったよ。ふぅ。


「おい! ミレー!! カエデ様はもっと可愛らしいだろうっ!! 作り直せっ!!」

「えっ!? いやいや、何言ってるんですか? 本人よりも可愛く出来てて、良い感じじゃないですか」

「カエデ様の可愛らしさはこんなものではないっ!!」

「「「その通りですっ!」」」


 えー……。

 みんなどんだけフィルターかかってるのー?


 まあ、私もルー様には神様エフェクトがかかってるけどさ〜。


「そうかしら……上手く出来たと思ったんだけど……」

「そうです! これで良いんです!!」


 これ以上ハードルが上がるのも、ちょっと困る。

 並んだ時に落差が、ね。


「……カエデ様がそう言われるのであれば」


 ルー様は渋々意見を引っ込めてくれた。

 


「この子って自立しないんですか?」

「自立? それは無理ね。そんな人形作れないわ」

「そうですか……ちょっと見ても良いですか?」


 人形の服をめくって関節を見てみると、脚も腕も一体型で座った状態になるように作られていた。


 なるほど。これじゃあ自立は無理ね。


「ミレーさん。この関節の部分を球状にして二の腕と腕と手を分けて作れますか?」

「球状?」

「はい。関節に球状のものを入れて繋げると動きが出ます。確か動かしたい方向に切れ目を入れれば良かった筈です。大体こんな感じで」


 さらさらと書いたのは、いわゆるデッサン用の模型。

 どういう作りかまでは分からないが、外から見た感じは関節が球状で、切れ目が見えた気がする。


「ふんふん、なるほどなるほど。面白いわね。やってみるわ!」

「お願いします。では次にディアナさん、アンケートって出来ましたか?」

「はい。こちらにまとめてございます」


 そう言って、ディアナさんは私たち数人に資料を配り、会議室にある大きなボードに表を張り出した。

 それを見ると、貴族は100%買う。幾らでも。平民は50%、でも高いと買わない。と書いてあった。


 100%って……。

 これは、侍女さん達に聞いたんだろうなぁ。

 彼女達はなぜか私を好き過ぎる。

 ま、平民の意見が一般的かな?


 それもで半分の人は欲しいと思ってくれるんだ……。

 ありがたやー。


 ん?

 

 ぱらりとページを捲って見てみると、私の手形のアンケートまであった。

 貴族は100%買う。平民は10%。


 ……普通、そうでしょうよ。 

 10%でも多いよっ!


「結構皆さん、買ってくれそうですね」

「「勿論です!」」

「いやいや、買ってくれるのは嬉しいですが、皆さん相手に商売したい訳ではないのですよ? 世界中で売れなかったら意味がないので」

「「絶対売れますっ!」」


 その自信はどこから?

 取り敢えず国内で認知度を上げてからかな?


「ミレーさん、この人形はお幾らぐらいになりますか?」

「そうねぇ……一般的な人形と変わらないと思うわ」

「その一般的なお人形って、誰でも買えるんですか?」

「う〜ん……やっぱり貴族が主流かしら? 平民はお金を貯めてやっと買えるくらいかしら?」

「安くって出来ますか?」

「出来なくもないけど、あまり安いと貴族は買わないと思うわ」

「それなら、貴族向けと、一般向けを作り分ければ良いと思うんです」

「良いアイディアだと思うけど……さっきの球状関節の人形はまだ出来るかどうか分からないわよ? それとも服を豪華にするとかかしら?」

「いいえ、付加価値をつければ良いと思います」

「付加価値?」

「はい、こちらにはないのですか? 限定商品って?」

「限定……」

「例えば、100体限定で、特定の服にするとか、ナンバーを刻印するとか。あ! それに手形をおまけすれば良いかも!」

「……ナンバー……限定……」


 何だか皆さん、ぶつぶつ言い出しちゃいました。

 

「それに、限定の場合は、本体も変えます。中身が同じだったら意味がないので。表情を変えたり、あえてポージングするとか、服の色を変えるとか。一般的には服を限定発売し、貴族的にはその服限定のちょっとお高めの人形にするんです。そうすれば何度も買ってくれそうじゃないですか?」


 そう言って皆さんを見ると、小刻みに震えながら俯いている人が大半だった。

 ダメだったかな? と思っていると、ミレーさんがいきなり拍手しながら立ち上がった。


「素晴らしいわっ!! なんでそんなにすごいアイディアがぽんぽん出てくるの!? 売れるわっ! 絶対に売れるわよっ!!」


 いえ、そんな販売戦略に踊らされた一人でしたので。

 ちょっとだけ違う、レアモノって気になるじゃん。欲しいじゃん。買っちゃうじゃん。

 そうやって給料を注ぎ込んだことがありましたねー。ははは。


 するとディアナさんがバンッと机を叩いて立ち上がった。


「ダメですっ!!」


 えーっ!?

 ディアナさんに反対されるとは思わなかった!


「100体なんて全然足りませんっ!! だって会員ですらもう200人超えで…あっ!」


 え? そっち?

 てか、会員って何の?


「いえ、何でもありません……」

「ま、まあ、100体ってのは例えですし、その辺は追々考えていけば良いのでは?」

「そうですか! それならば大賛成ですっ! 絶対に売れますよ!!」


 うん、限定商品も売れそうだね。


「では、まずは国内での認知度を上げていきたいと思います。どんなに良い商品でも誰も知らなければ、意味がありません。で、上げるためにはこの国で一番認知度があって、美しい人達に持って貰えば良いと思うんです!」


 みんな、ふんふんと頷いてくれる。


「エリザベス様、アンジェリカ様。お願いできますでしょうか?」

「え!? 私達?」

「はい、今度の私のお披露目会には国中の貴族が集まると聞きました。その場でお二方が人形を持って登場されれば、注目度UP間違いなし! だと思うんです。如何ですか?」

「ええ、そうね。喜んで協力させていただくわ」

「私も。逆に嬉しいです!」

「有難うございます。そこで、もう一押し。お二人の衣装はもう決められましたか?」

「はい、この前デザインを決めて発注したところです」

「そのデザインと人形の衣装をお揃いにしたらどうでしょう?」

「!!」

「お揃いか、もしくは少し意匠を変えてみるのも良いと思うのですが」

「意匠を変える?」

「はい、例えば、アンジェリカ様のご衣装が長袖だった場合、人形は半袖にするとか、リボンの形を少しだけ変えるとか。よく見ないと分からないくらいの違いを出すのもアリだと思います」

「良いですねっ! 私はそちらの方が良いです!」

「私はお揃いが良いわ。アリス様の人形とお揃いだなんて、嬉しいわ!」

「あ、でも私にお二人の衣装が似合ってなくても、そこはスルーしてくださいね」

「ふふふ、そんなことある訳ないじゃないですか」


 いや、全然あり得ると思いますよ?

 だってお二人ともめちゃくちゃ美人さんだし、キラキラしてるんだもん。そのお二人に似合うドレスが、私に似合うとはとても思えん!

 でも話題性はあると思うんだよねー。


「では、一先ずそんな感じでどうでしょうか? 何か意見のある方はいらっしゃいますか?」

「あの……よろしいでしょうか?」

「はい、何でしょう?」

「王妃殿下と王女殿下の衣装を着たお人形は販売されるのですか?」

「いえ、さすがにそれは考えていませんが」

「そうですか……」


 おりょ?

 侍女さんがしょんぼりしちゃった。


「そうですね……お二方のは無理ですが、私の衣装は『お披露目限定』で出せば良いんじゃないでしょうか?」

「本当ですかっ!?」

「ま、まあ、その辺も追々決めていきましょう。取り敢えず、ミレーさんには球状人形と、お二方の衣装を。ディアナさんは私の衣装を考えてもらえますか?」

「はい、畏まりました」

「OKよん。頑張るわ」

「では、今回はこの辺で。皆様、本日も有難うございました」



 うんうん、我ながら良いアイディア出たんじゃない?

 私の衣装は……そうだなー。

 ルーシャス様と対になるようなのが良いな。



人形の成り立ちや、歴史、作り方など、異世界と言う事で。

どうか広い心でお見逃しください。

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