12.謁見室は市民体育館以上
カールさんに夜の間、暇なので本を読むために文字を教えて欲しいとお願いした。
準備をしてくるとのことだったので、その間に軽く食べてお昼寝してみた。
一時間後にはスッキリ目覚めた。
確かレム睡眠とノンレム睡眠の周期は一時間半だったハズ。三時間(地球時間)寝るのは私には丁度良いみたい。
カールさんがやってきて、午後から国王に謁見する事になったと伝えられた。
えー。
と言っても、私的な謁見でどうも王妃様の願いでなされるらしい。
だからそんなに気を張る事はないと言われたが、一般市民の私にはハードル高いです。ルーシャス様にローブもらっといて良かった。
一先ず文字を習った。
エクトリア王国の文字は有難い事に、五十音で成り立っていて、それが見た事のない文字だった。私にしてみれば文字というよりも、記号? 柄? もはや絵ですか? という風に見えるけど、それさえ覚えてしまえば本も読めそうだった。ちなみに漢字的なものはなかった。
よし。
これで時間が潰せそう。
◇
お昼を食べて、さて用意でもしますか、と思ったら、ディアナさんに捕まった。
あっとゆー間にお風呂に入れられ、洗われ、拭かれ、髪になんか塗り込められて、結い上げられ、化粧をされた。
その間、私はなすがまま。
羞恥心は旅行にでも行ったのかな?
まあ、ディアナさんが嬉しそうだからいっか。
一応正装という事で、スーツを着てローブを羽織った。
勿論ディアナさんに抱っこされて移動。
カールさんに連れられ、後ろには護衛さんがついて来た。
謁見室の前で下され、ディアナさんと護衛さんはここで待機。
重々しい扉が開かれ、カールさんと中に入る。
遠っ!!
私的なものだと聞いていたけど、その広さは市民体育館を超えた。
遥か彼方に国王一家がいますよー。
どんなに大股で歩いても、カールさんの一歩に対して私は五、六歩歩かなければ届かない。
めちゃくちゃゆっくり歩いてくれているカールさん。
ご迷惑おかけしてます……。
ようやく王様の前までやって来て、カールさんが横に下がった。
改めて見てみると、最初に会った王様の隣に金髪王子様、真紅王子がいて、反対隣に、真紅王子よりも真っ赤な髪の美しい女性と、豊かな金髪が緩やかにウェーブしためちゃくちゃ可愛い美少女が居た。
礼儀作法もまだ習っていないので、軽くお辞儀をして面する。
「ようこそ、聖女殿。我が城は如何かな?」
「はい、皆さんによくしてもらっています」
「其れは何より。また何かあれば遠慮なく言って欲しい」
「有難うございます」
「さて、紹介しよう。妃と王女だ。どうしても聖女殿にお会いしたいと言ってきかないものでな」
「初めまして、聖女様。私はこの国の王妃エリザベス・エクトリアです。どうぞよろしくお願いいたします」
「初めまして! 私は第一王女のアンジェリカ・エクトリアです。お会いできて嬉しいです」
「こちらこそ。有栖川楓と申します。どうぞよろしくお願いいたします」
王妃様に今度お茶会に誘っても良いか尋ねられ、了承した。
王女様も楽しみにしてます!と言ってくれた。可愛い。
「三ヶ月後のお披露目の事は聞いているか?」
「はい」
「本来はその後で後見人を決めるのだが、もう決まっているので聖女殿にはランドール侯爵と共に参加すれば良いだろう」
「分かりました」
「では、また」
そう言って王様は去っていき、それに続いて王族の方々も出て行った。
ふぅ。
緊張したけど、大した事言われなくて良かった。
王妃様や王女様は好意的だったし。
お茶会が楽しみかも。
あ、早急に作法も習わなきゃ。
帰りもディアナさんに抱っこされて戻る。
お茶会の事を言ってみると、ディアナさんが教えてくれるって。
ありがたやー。




