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10.夜が明けて

 

 な……長かった……。


 ようやく夜が明けて、今は6時を回ったところだ。

 でもまだ、侍女さんが来るまで3時間もあるのか……。



 とにかく暇だった。

 何せする事が何もない。


 スマホは持っているが、当然電波はないし音楽を聴くくらいしか出来ない。

 でも電池が心許なくて使えなかった。

 ソーラー充電器は持っていたが、点いている電気では充電しなかった。こちらのお日様で充電出来るかも分からない。お昼に試してみるまでは様子見だ。



 昨日から高い段差を登り下りして、ちょっと筋肉痛になったのでストレッチやヨガなどをやってみた。

 部屋が広いから全然へーきだったし。

 

 でもそれらもそんなに時間がかからないし、お部屋の探検もしまくってしまい、もう飽きた。

 

 本はあるけど、文字が読めないので全く意味がない。


 朝になったら絶対文字を教えてもらわなければ!

 



 はぁ〜

 仕事で忙しかった時は、ぼーっとする時間が欲しいと思っていたけど、実際に何にもする事がない時間って……かなり苦痛……。



 暇すぎて、色々と考えてしまう。

 

 死ぬよりはマシだと思いこちらに来たけど、あちらでは行方不明扱いになっているのかな?

 部屋の後片付けやら、色んな届出とか、やっぱり親に迷惑かけちゃっただろうなぁ。

 ま、そこは死んじゃっても同じだったろうし、諦めてもらうしかないか。


 

 などと考えていたら、眠ってしまったらしい。


 

 コンコンとノックされ「おはようございます。ディアナです」という声で起きた。


 ディアナさんは手早く洗顔の用意をしてくれて、あれよあれよという間に軽く化粧をしてくれ、髪まで結ってくてた。

 長かった前髪も綺麗なピンで止められ、スッキリしてる。


 とても手慣れた感じで感心してると、ディアナさんはおずおずと恥ずかしそうに言ってきた。


「あの……実は昨日これを作ったのですが……良かったら着てもらえないでしょうか?」


 そう言って差し出されたのは、所々に薄いブルーのレースが施されたシンプルな白のロングワンピースだった。


「わぁ! すごいです!! これ、ディアナさんが作ったんですか?」

「はい、お恥ずかしながら」

「綺麗ですね。着てみても良いですか?」

「良いんですか!? 是非っ!」


 着てみると、ぴったりだった。


「これを1日で作っちゃうなんて凄いですね」

「有難うございます。私は色々自分でデザインしたものを作って、人形達に着せるのが好きなんです。いつも作っているので手も早くなりました」

「そうなんですね。やっぱりこちらの女性はパンツスタイルはおかしいですか?」

「そうですね……女性でパンツスタイルは騎士くらいでしょうか?」

「足を見せるのもよくないのですか?」

「よろしくはないですね……」


 やっぱり……。


「どうかされましたか?」

「いえ……スカートだと……抱っこされた時に見えちゃいそうで……。それにスカートが長いと段差を登れなさそうだと思って……」

「あぁ! そうですね。それは考えていませんでした。確かに……ちょっと問題がありますよね……」

「レギンスやスパッツってありますか?」

「申し訳ございません。聞いた事がないものです」

「えっと……タイツ? の厚目のもの?」

「タイツ? ……あぁ、昔男性が履いていたショーンのようなものでしょうか?」


 あれかな?

 よく王子様的なに表現された絵柄の人が履いていたタイツ。


「こう、ピッタリとした感じで脚に履く……」

「あぁ、それですね」

「それを履いて、短い膝上くらいのスカートだとおかしいでしょうか?」


 それくらいだったら、この段差を登れるハズ!


「男性用の……しかも短いスカート……」


 何やらぶつぶつ言っているディアナさんを見て不安になる。

 やっぱりおかしいかな?


「素晴らしいですっ!! なんて斬新なんでしょう! あぁ、アイディアが溢れて止まりませんわっ! こんな感じよろしいでしょうか?」


 そう言ってサラサラとデザイン画を描いて見せてくれた。

 まさに、思った通りの長さで、しかも可愛く描いてある。


「そうです! こんな感じです!」

「分かりました。早速作ってみますね」

「良いんですか? 有難うございます。よろしくお願いします!」


 やったー!

 これでお洋服には困らなくてすみそう。

 専属デザイナーさんgetだぜっ!!



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