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カモシカ  作者: 百舌鳥屋
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蘇生

錆だらけのバイクを目の前に座り込んでいると、その姿を見かねたかずが声を掛ける


「隆ちゃん。やっぱり無理だろ?金…返そうか?」

「ううん。かずくん。俺は…。」と言葉を詰まらせた。実際には、バイクの整備に関しては無知な隆弘。とてもじゃないが素人がどうにかして直せるレベルの代物では無い。本心は金を返してもらいたかったが、首を横に振り


「いや。かずくん…よく言うやん。バイクを触れば触るほど愛情って湧くんだろ?だったら頑張ってやってみるよ」と、かずに言うと


「隆ちゃん。分かった。じゃあ、俺も手伝うから一緒に直そう」と快く手伝いをかって出てくれた。

「うそっ。まじで?かずくんが手伝ってくれるなら直せそうな気がするよ!ありがとう」


隆弘が手に入れたバイクは市場では…山を走るにはパワー不足。道を走るには遅すぎる…と言う噂はどちらかと言えば不人気車。どうやら、不人気車ではあるが、一般受けするカラーリング。オフロード始めてみました。という、どちらかと言えば入門オフロードバイク。どうやら、初心者がわけもわからず買って林道を走ってみたものの曲がり切れずに派手にコケた割には案外使える箇所も多くて、手間さえ惜しまなければ十分使い物になる代物。


隆弘とかずは、そのバイクを目の前にして修理箇所をピックアップした。


「しかし…やっぱ、オフ車だよなぁ。ほんと頑丈にできてる。林道してる奴らの話じゃ、バイクは投げるものだ…とかも言ってるし。そうそう派手にコケても使える箇所は色々あるわぁ」とかずがバイクのあちこちを見て答えた


「えっ?まじ。じゃあ、結構…修理代とかって安くつく?」と、隆弘は目をキラキラさせながらかずに聞いた


「うーん。そうだなぁ。電装系はまずまずだけど、ホース類はダメ。ハンドルも…。あと、チェーンも使い物にならない…。まっ、取り敢えず悪い部品は取り外してみるかぁ。」


隆弘と、かずのバイク修理が始まった。


「ざっとまた感じだと…外装のプラはそのまま使おう。で…スポークは曲がってる物だけ取り替えよう。チェーン、タイヤ…フロントフォーク…。ペダル…。。んー結構、なんやかんやと直す箇所多いなぁ」


かずは一つ一つを丁寧に取り外し、敷いたブルーシートの上に並べていった。取り外された車体には、ほぼフレームとエンジン…それにラジエーター、シート。駆動系は全く使い物にはならなかった。


「結構、パーツ代かかりそうだね。」と隆弘はため息混じりに答えたが、かずは

「いや。俺からすれば案外…こんなもんで済むんだ。というのが見立て。じゃ、取り敢えずはパーツ揃えるとこから始めようか。」


「そうだね。じゃ、かずくん。どれ揃えたらいいか一緒に探してくんない?」

「ええよ。隆ちゃんは、どんなバイクに仕上げたいの?」


「うーん。とにかく速いやつ。」とニヤリと答えた。

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