閑話2 開拓村での(企画会議)遊び
遅くなりました(*^^*)
今回はケルト音楽のリズム感を、いったいどう紙面で表現するかを、とても悩みましたね…
では、本日もお楽しみ下さいませ(^-^)/
たけとんぼとフリスビー
わたしはかいたくむらにすむユリーナといいます。
きょうは、みんなであつまってどんなおもちゃがたのしいか、きめる日なのです。
ただ…みんなといっても、いえのてつだいがあるから、ぜんいんではないのです。
「これをこうやって…えいっ!」
「うわっ!こっちきた!」
アリスさまには…
「ちゃん」づけでよんでっていわれたから、アリスちゃん…が、すごいいきおいで、ぶーんってなにかをとばしたのです。
「たけとんぼってなにっ!きょうき!?」
くさとか、ばっさりなのです。
とてもすごいのです!
「セレス?凶器ではないよ…ちょっと力加減を間違えただけ…ほんとは上に飛ぶんだから」
「え?うえに?空をとぶってこと!?てっきりいろんなものを、ぶいーんて切っていくぶきかとおもったよ?」
「武器っていうなぃ」
えっと、アリスちゃんどんまい?
「親分?これ…頭につけた…「お口チャック!」…空、え?そんなかぶりぎみに言わんでも!」
アリスちゃんは『いろいろと事情があるのだ、察せよと…カミノコエガキコエタカラダヨ…』っていっていました。
たまにアリスちゃんはむずかしいひとになるのです。
「領都でおもちゃが売れたら、お腹いっぱいに食べられる」とアリスちゃんはいくつかおもちゃを村にもってきたのです。
ふと、きがつくとアリスちゃんがわたしの目をのぞきこんでいます。
「ユリーナちゃん?えっと、ネコ目になって、しっぽがゆらゆら揺れてるユリーナちゃんが…かわゆいっ!」
っと…まただきつかれてスリスリされてしまいます。
ちがうのです…たけとんぼは食べれないとしってはいるのです。
でも…うごくと、目もみみもしっぽも…はんのう?してしまうのです。
しゅりょうほんのうははしかたないのです。
「えーと、手の平でしっかりはさんでと…えいっ!」
「そうそうジーク、そのちょうし!」
ぶいーんって、空にとんでったのです。しんぼうならんのです…
「あ!ユリーナちゃん!」
たたた、木をけって!えいっ!
あしもとがすうすうするけど…
とどきましたっ!
「うう…まさかユリーナちゃんが反応するとは…」
ほめて!ほめて!口でしっかりくわえた、たけとんぼ?をアリスちゃんのところへ…
「「「…やってみたい…」」」
わたしいがいの、三にんのケモみみさんたちも、みんなそわそわしているのです。
「あー、これは怪我をしないうちに飛ばすものを変えないと」
アリスちゃんは頭をかかえてうなっています。
「そうだ!フリスビーなら」
なにかをつぶやいたあと、アリスちゃんの右てがひかりました。
「ぱんぱかぱーん!フリスビー!」
アリスちゃんの右てには、まるくて、うすくて、つるっとしたお皿のようなものがにぎられていたのです!
まほうなのです!
はじめてみたのです!
アリスちゃんすごい!
「親分?それ創造魔法だよな?まだ習ってないはずの魔法が使えるとか、手からはみ出してるとか、ほんっと非常識な…」
「え?小さい物なら、一人でも創れるんじゃないの?アルデビルドもたまに使うよね?」
「いやいやいやいや。手のひらで包める大きさまでだよ。それに大きい物は、儀式魔法で創造するもんだ」
なんだか、ニコのおにいさんの、あるデビルさんとむずかしいはなしをしているのです。
「え?あ、うぇ?そうだっけ?」
「困った……疑問系で、そのま『ふりすびー』とやら?を謎の材料で量産されても…ほんと、どこから突っ込んだらいいかわからねぇ」
あるデビルさんがあたまをかかえているのです。
「ま、だって嬢だし。楽しかったらいいよ」
ジークにいちゃはニコのおにいさん…あるデビルさんよりも、とししただけど、なんだかおちついているのです。
そして、けんでたたかうとめちゃくちゃ強いとニコがいってました。
あ、ニコはニコラウスにいちゃのことです。なかなおりして、なかよくなりました。
『ニコって呼んでほしい』といわれたのでニコってよんでます。
「お…さすがはジーク、言うことが達観してらあ」
あるデビルさんは、おとななのです。むずかしいことばをいっぱいしってるのです。
「あー、まあ付き合い長いから」
「なんでジークもアルも残念なモノを見る目でこっちをみているの?」
あ、アリスちゃんのかみのけがフワッとしたのです。
「「なんでもない!」」
ジークにいちゃと、あるデビルさんは、いきぴったりなのです。
「まあ…いいか。ユリーナちゃんと、ベルナルタちゃん、デルフィナちゃんに、ルアナちゃん?君かな?みんなで、これを追っかけてみて」
アリスちゃん?ルアナは男の子なのです。かていのじじょうとかで、女の子のなまえとみためだけど…
「じゃ、いくよー!えいっ えいっ」
アリスちゃんが、なんまいものお皿?をつぎつぎとそらになげたのです!
いちばんはわたしなのです!
「あ、ユリーナちゃんが速い!」
アリスちゃんがみているまえで、手もつかって、ぜんりょくではしるのです。
ああ、あるデビルさんがじゃまなのです…
「うっわ、こっちきた!え?え?ええぇ」
わたしはおにいさんの肩に、とととってかけあがって、そのままお皿にとびつきました。
ぐるりとからだをひねってちゃくちするのです。
「ウチも、ウチも!」
ベルナルタちゃんもおいつきました。ベルナルタちゃんはネコけいのハーフで、みみとしっぽははいいろなのです。
「えいっ!」
あ、ベルナルタちゃん…とまれない!
ぐるんとまわったさきには、大きな木があって、ぶつかりそうなのです!
「っと…気をつけてね」
とても大きなきしさまが、目にもとまらないはやさでベルナルタちゃんをうけとめました。
たしか…ビショップさんですね。
ベルナルタちゃんのほほが赤くなっているのです。
「ありがとう!ビショップ」
アリスちゃんがおれいをいいました。
ベルナルタちゃんは、そのままスタッとおりて、てててとあるいてから、ふりかえってきしさまにぺこりとあたまをさげました。
☆
神々のレシピとリバーシ
俺はアルデビルド。開拓村で鍛冶師なんてやってる。
今は四の刻で、はしゃぎまくって腹を空かせた子供らで飯を食ってるんだが…
これは、どこから突っ込んだらいいのか、いやむしろ突っ込んだら負けなのかスゲェ悩むところだ…
「こっちはブレイド・フッシュのマリネ味のサンドで、こっちが揚げたカツサンドね、あと…これはオニルのスープ…はい、こっちも」
「まてまてまて…親分?いったいどっから出してんだ、それ?いや、出した場所もアレだけど、食べたこともない料理が並んでるんだが?」
「え?おかあさま特性の革袋だけど?んと…美味しいよ?」
目を泳がせて、鼻をひくひくさせているなんて、ごまかそうって気しか感じねぇよ。
「そうか…まあ『収納袋』ってのも世の中にはあるからなぁ、そいつがそうだとして、その料理は、まさかミーチェスさまがよく口にした神々のレシピか?」
「え?神々のレシピって何?これはわたしのオリジナル料理ダよ?」
んで、冷や汗だらだら流すし…
この前聞いた『ポンプ』の原理といい、えっと…たしか『流体力学』といい…
未知の知識やレシピを知ってることもそうだが、なによりこんなチビッ子が俺と知能レベルで同じとか、おかしいだろ?
普通は相方のセレスや、ジークみたいに……………………!?
あ、やべぇわ 気づいた…どっちもおかしいわっ!
親分があまりにナチュラルに規格外をやらかすから、目立たないだけで、こっちもあっちも大概やな…
じー ?視線?
「なんかしつれいなことかんがえてない?」
「え?なに?そ、そんなことないぜ?」
ジークも半眼でこっちみてるし
やばい、セレスっちは勘がやたら鋭いし、どうなってんだこいつらは。
「まあ…腹へってるし…食えるなら…ごくごく」
!なんだ、これっ!?
オニルのスープっつうから、いったいどんだけ苦いのかって思ってたら甘い?で味が深い…なんでだ?
貯蔵倉庫前のテーブルに、沢山おかれたこいつは…まさか、ほんとに…
んーーじゃカツサンドってのは…パクっ んぐんぐ!!?
なんだこれ!?
俺も語呂が多くはないが、それでも出せる言葉は一つしかねぇ…
「うっま!なんだこれ?うますぎる」
かじると、フワッとしたパンの歯ごたえにグリーンボールのしゃきしゃき感、次にくるのがこの茶色の皮?の下、ブレイド・フッシュから溢れ出る旨味汁、そこにピリッととした味がアクセントで効いていて、めちゃめちゃうめえ!
それに、グリーンボールの千切りに絡めてある、この白いのはなんだ?
「親分?この白いのは何だ?」
「あ、それはマヨネーズっていうの。美味しい?」
俺は首がもげそうになるぐらい、縦に激しくふった。
「これ、ヤバいな。これだけでもたぶん領都や皇都で、馬鹿みたいに売れる。日持ちのしない食い物ってのが、スゲェ惜しいけど」
ちょっと待て、何で日持ちしないって言ったら冷や汗だらだらしてるんだ?
「親分まさか、その『特性の革袋』ってやつ、刻止めの効果もあんのか?」
ぎぎぎぎ…と音がしそうな、
油の切れた十字弩の巻き取り器みたいな動き方で親分がこちらを見返してくる。
あ、黒だな。
「あー、わかった。あるんだな刻止め」
「や、やっぱり不自然かな?」
「いや、そういう効果のついた革袋は確かに存在する。遺跡からたまに出てくるし、不自然ではない…が、ただなあ、やたらに高いんだわ…ちなみに金貨…」
ごくりっと唾をのむ音がきこえた。
「金貨で?」
「金貨で…違うな-刻止め付きなら…大金貨で7枚ぐらいはする」
「だ、だ、だ大金貨7枚……そ、それは本当に?」
「ああ、親分に嘘ついてどうするよ」
うわあ、わかりやすい…
スゲェ冷や汗流してる。
「親分あんたが普通じゃないことぐらい、この村ではみんなわかってる。だから焦らんでもいい。ただ、知らない大人には見せないほうがいいと思うぜ?」
ばっ、てこっち見た。
ほんとにわかりやすいのな。
「『特性の革袋』とやらも、どうせ隠れ簑だろ?命を取られるまではないが、それでも気をつけたほうがいい。無用なトラブルのもとになり得る」
親分がこくこくと、頷いた。
「まあ、でも……これだけ世間とかけ離れていれば、領都のギルドで工房登録をして売り出したら、勝てる商材ばかりなんだ。親分の言う通り、今日みたいにたまにではなくて、毎日お腹いっぱいご飯を食べられるようになるな」
「そ、そうね。そう考えると有利な点よね…アル?これから力をかしてね」
うっ、ズルいぞ……そのスマイル…幼児の癖に人たらしのツボを知ってやがる。
「まかしとけっ!」
そう答えるしかないじゃないか。
☆
さて、飯も異常なくらいに旨かったし、もう何が出てきても驚かないつもりでいたんだが…
で、こいつはなんだ?
「これはリバーシっていうの…こうやって相手のコマを挟んだら…裏返すの」
親分がルールを説明してるんだだが…これは単純だが奥は深いな…
「で、こっちが将棋で、こっちがトランプ、おはじきに、ビー…」
「ちょっと待ったあ!」
「え?なに?」
親分の規格外をなめてたわっ!何で子供の玩具に宝石が混ざってんだ!おかしいわっ!
他の子も、どこがおかしいんだよっ普通じゃん、って顔しない!
「あのなあ…親分、このオハジキにビー玉?って、どうやってお造りなさった?」
「あ、いや、魔法でちょいちょいっと…」
「ああ…魔法な…そうだな、それなら…いやいや騙されないぞ」
「なに?騙してないけど?」
「違う…言葉のあやってやつだ。そうじゃなくてな、この透き通るガラスは皇都で門外不出で作られてるネックレスに使われてるやつと同じだろう?創造魔法にしても、その物の本質、材質を知ってなきゃ創れねぇ。親分、オハジキとビー玉だっけ?こいつらは絶対に親方様の名前で、宝飾商会に売ったほうがいい。かなりヤバイ」
「うう…そんなにやばいの?」
「いいかい?この濁りの無い、普通のガラスよりも硬質なビー玉とやらを、ネックレスに仕立てたもの、そいつの値段を知ってるかい?」
親分もセレスっちもジークもユリーナも、同じように揃って首を横にふりやがる。なんか面白いな、おい。
「貴婦人がお茶会につけていくサイズで…金貨5枚は下らねぇ」
「「「「ごくり」」」」
全員、ビー玉を凝視してるな。
当然か…こいつを小出しに売るだけでも、随分稼げるだろうからな。
「親分?このビー玉とやらを普通の革袋一つ分創れるかい?」
「そのぐらいなら、すぐに創れるよ」
「そっか…すぐなんか…まあいい。その袋一つ分先に創って領都で売ろう。そんで、その資金で工房登録して、リバーシとトランプを皆で作るための道具や材料、特に染料を仕入れてこようや?」
「あるデビルどん。悪くない案ね」
親分鼻を膨らませながら、お上品ぶっても格好つかないぜ?
それに、何となくおちょくられてる気がするが……まあいい。
「とりあえず見えてきたな?」
「よーし、皆で稼ぐぞぉ!」
「「「「「「おお!」」」」」」
よっし、ポンプも試作が出来たし、俺もいっちょ頑張ってみるか。
☆
わたしはセレシティア・グルーヴ。きょうはかいたくむらにきているよ。
いもうとのアリスは、まえからかわっていたけど、かみなり?にやられてから、それがさらにすごくなった。
みんなでごはんを食べたあと、おなかいっぱいになるさくせんもきまって、いまからがほんとのあそびだっていって、いまもロンダドールをふきながら、始生祭のじゅんびでおいてあるだいのうえで、くつをふみならしてるし…
ポッポピィヨルピィヨルポゥ、
ポッポピィヨルピィヨルピィ
けると?ってアリスがいってたおんがくにあわせて、まわる。あしをあげておどる。
ポッポピィヨルピィヨルポゥ、
ポッポピィヨルピィヨルピィ
あ、なんかたのしい。
わたしもふみならそう!
ダンダダンダダダダダ
ピィヨルピィヨルピィヨルピーーィーーィゥ
みんなも、ならしはじめてくつの音がそろってきた!
カッカッカッタンダダダダッンダ
ポッポピィヨルピィヨルポゥ、
ポッポピィヨルピィヨルピィ
わたしとジークは手をつないで、ふみならしながら、ぐるぐるおどる。
そのうちおとなもでてきて、木のぼうでタルをたたきだした。
カカカーカカ、カッカカッカ…
ピィヨルピィヨルピィヨルピーーィーーィゥ
すごいぐるぐるまわるだけなのに、すごく楽しい!
ユリーナちゃんも、アルもベルナルタちゃんもデルフィナちゃんに、ルアナちゃん?も、みんな足を上げて、ふみならしておどってる。
あれ、アリス?笑って楽しそうなのに、なみだがでてるよ?
きっと目にゴミが入ったんだね?
やっぱりわたしの妹は、だれにもまねできないぐらい、さいこうにかわってる。
ピィヨルピィヨルピィヨルピーーィーーィゥ
カカカーカカ、ダダンダダダダダダン!
いっせいにしずかになった。
パチパチパチパチパチパチ…
おとなたちが、すごいはくしゅをしてる。
わたしの、その日いちばんいんしょうにのこったできごとだったよ。
前話以前の加筆は、随時行います。
(えーと、まだこれからですよ?)
加筆訂正をした部分は、活動報告に記していきますので、時折見直していただけると幸いです。
ただストーリーの軸は一切変えないつもりなので、そのまま新たな話を読み進めていただいても大丈夫な形をとりたいと思っています。
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