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9.大変不味い状況

王女の鑑定が終わった俺は、次に勇者を鑑定することにした。

勇者の復活の秘密を知れたらいいが.....




ヤベ ミナト 16歳 種族人間

職業 :勇者

レベル:1

生命力:B

魔力量:B

体力 :B

筋力 :B

耐久 :B

俊敏 :B

魔攻 :B

知能 :B

スキル:剣術     (A)

    格闘術    (A)

    四属性魔術  (A)

    爆裂魔法   (A)

    状態異常耐性 (A)

    限界突破   (A)

    聖剣召喚   (S)


隠蔽 :隠蔽術    (A)

    速度調整   (A)

    経験値取得補正(A)

    闇魔法    (A)

    光魔法    (A)

    多重思考   (A)

    #%%#+&   (一)


装備 :ひのきの大剣


称号 :異世界人

    勇者

    人外

    二度死んだ者




チッ ワンランク鑑定のレベルが上がっても復活の秘密はわからないか。

しかし、詳細どころか名称すらもわからないが、恐らく復活の秘密となっているスキルの存在を知れたことが収穫だな。


しかし、勇者は自前の隠蔽術でステータスを隠蔽したとして、王女はどうやってステータスを隠蔽していたんだ?たぶん隠蔽を習得している人に隠蔽してもらったってところか。


とりあえずそれは置いておくとして、王女の目の色がもとに戻っている。


「おかしいわね。隠蔽術をかける素振りもなかったはずよね。まさか召喚される前から!?しかしいくら考えても仮説の範囲を出ないわ。これは直接この目で確かめるべきよね」


良かった。隠蔽は見破れなかったようだ。

それより、王女が呟いた最後の一文が不穏なんだが.....


そう考えていると、唐突に王女が消えた。把握結界にも反応がない。


転移して増援を呼びにいったか?逃げるべきか、待つべきか。

あの王女ことだ。俺が逃げようとするくらい想定内だろう。

なら待つのが正解か?把握結界の範囲を広げて確認してみる。

すると、あの化け物騎士と王女が一緒にいることがわかった。


増援ってあの化け物騎士のことか!?マジか......あの二人に同時に襲われたら勝てるかわからない。

が、どうせ逃げても転移で追い付かれるだけだろう。

戦闘しか道は残されていない。俺は準備を始めた。


操縦と変形を付与して、最大まで魔力を込めた障壁を鎧のように変形させて纏う。前から考えていたが、無事成功したな。

障壁鎧と名付けることにしよう。


それと、障壁剣を手に持つ。

最後に操縦と変形を付与した障壁を靴のように変形させて履く。

今思い付いたが、靴も成功した。

これで空を飛ことができる。

障壁靴と名付けよう。


障壁鎧、障壁剣、障壁靴のセットを障壁装備一式と名付けた。


障壁靴のお陰で今まで乗っていた障壁が必要なくなったので消去する。

これで準備満タンだ。


準備も終わったし、とりあえず地面に着地する。

空中は寒すぎるからな。


把握結界で二人の様子を確認する。

化け物騎士が何か喋っていた。


化け物騎士の周りの魔力が動いているので詠唱の類いかもしれない。

読唇術を俺は習得していないので、把握結界で盗み聞く。


「土の精霊よ 辺りの地を支配し かの者を束縛せよ」


ちょっと待て、かの者って絶対俺だよな。

そう思った時、既に遅かった。


俺の足元の土に化け物騎士の魔力が宿り、俺にまとわりついてきた。

俺は障壁剣で伸びてくる土を切り裂きつつ上昇するが、切り裂ききれなかった土が伸びる速度の方が早い。


俺はそのまま土に捕らえられた。


うかつだったが、過ぎたことはどうにもならない。

俺は気持ちを切り替えた。

とりあえず脱出するための手を探ろうと思い、障壁を展開......出来なかった。

魔力の放出が一切できなくなっている。


把握結界で確認したところ、体にまとわりついている土が魔力を吸収しているようだ。

結界の方も魔力を供給することができなくなったので、直に消滅するだろう。

俺は何もできることがなかった。


数分様子を見て、反抗する気がないと判断したのか、王女と化け物騎士が転移してきた。


化け物騎士の顔色が今すぐ倒れてしまいそうな程悪い。

ラノベでよくある魔力欠乏症のようなものだと俺は推測する。

ということは、あの土魔法はかなりの大技だったのだろう。


「キリジブァーの奥の手が効いて良かったわ。あなたと遊びたいけどけど、キリジブァーが『あいつは何か隠しています。私の力量測定が私と同等かそれ以上と告げています。危険です。姫様』とかうるさいから安全策をとることにしたの」


一方的にそう言いながら王女が近づいてくる。


「まだ誰にも見せたことがない切り札、あなたに特別に見せてあげる」


そう言って王女は俺を拘束している土に触れる。

その瞬間、いままで感じたことのない、死の恐怖が押し寄せてきた。


そりゃそうだ。

あまり考えないようにしてきたが、一切身動きがとれず、結界も障壁も展開できない。

それに加えて、一人でも勝てるか怪しい敵がタッグを組んでいる。

それすなわち、俺の殺傷与奪権はあの二人に握られているということだ。


必要以上に二人が俺のことを警戒しているので今のところは助かっているが、今切ろうとしている王女の切り札次第で俺の命はいかようにもなる。

そう完全に理解した。理解してしまったのだ。

そのため、命乞いの声も出せなくなってしまった。


「悲しいけど、お別れの時間ね」


王女の辺りの魔力がごっそりと消える。


「ランダム転移」


王女がそう言った瞬間、俺の視界は白で染まった。

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