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5.恐怖の模擬戦

 よし。早速強度を確認していこう。

 しかし、どう確認すればいいのか.....


 《神結界に対物鑑定が追加されました。それにともない鑑定が対生鑑定に変化しました。》


 お、対物鑑定か。やってみよう。障壁に注ぐ魔力は並で行くか....


「把握、回復結界 変更  対物鑑定結界 展開」




 障壁

 内蔵魔力 :B

 物理耐久力:B

 魔法耐久力:B

 付与:変形 操縦




 なるほど。比較対象がないからわからん。

 試しに近くに転がってる石を鑑定してみよう。




 石

 内蔵魔力 :E

 物理耐久力:D

 魔法耐久力:D

 付与:無し




 少なくとも石よりは硬いことがわかった。

 そうだ!魔力を限界まで注いだらどれだけになるか調べよう。

 障壁に魔力を限界まで注いで....




 障壁

 内蔵魔力 :SS

 物理耐久力:SS

 魔法耐久力:SS

 付与:変形 操縦




「障壁 解除」


 お、並の時よりも三段階アップしたな。

 今のところ比較対象が石しかないから結局良くわからん....


 次は障壁が展開していられる時間を調べよう。

 腕時計のタイマーをセットして.....


「障壁 展開」




 ◆

 3分後


 あ、消えた。ジャスト3分だな。

 3分間展開出来るならあまり展開時間は気にしなくても良さそうだな。


 検証はこれぐらいにしといて、もう7時55分だから闘技場に行くか。



 ◆



 闘技場に到着した。

 もう全てのクラスメイトが来ているな。

 時計を確認すると7時58分で、8時まであと少しだ。

 その間に闘技場内の物の強度を確認しよう。


「鑑定結界 展開」


 とりあえず闘技場を全て覆う鑑定結界を展開した。まずは柱の石から.....


「え?何なのよ....この魔力」


 確か、賢者だった女子に気付かれた。

 俺のスキルやステータスがバレる訳にはいかない。解除しよう。


「鑑定結界 解除」


「あれ?気のせいかな....」


 これはギリギリバレてなさそうだな。魔法職は魔力に敏感なのかも知れない。

 ともかく、あいつにバレずに結界を展開する方法は無いのか?


 《神結界に隠蔽が追加されました。》


 隠蔽?調べてみよう。



 隠蔽 結界、障壁の魔力を隠蔽する



 実力を隠すのに便利だな。早速使ってみよう。


「鑑定、隠蔽結界 展開」


 よし。賢者の女子は気付いてなさそうだ。

 早速調べていこう。まずは柱の石を




 魔鋼鉄

 内蔵魔力 :B

 物理耐久力:C

 魔法耐久力:C



 魔鋼鉄ってことは、地球の鋼鉄よりも硬いのか?

 そういえば、この腕時計にはタングステンが使われていたはず。

 タングステンは鋼鉄より固い。これを基準に強度を考えよう。




 タングステン

 内蔵魔力 :E

 物理耐久力:B

 魔法耐久力:E




 なるほど。俺の結界は並の魔力でタングステンと同じ強度なんだな。


「皆さん。おはようございます。」


 あ、王女が来た。いつの間にか8時になっていたのか....。


「今日は皆さんどうしで模擬戦をしてもらいます」


 模擬戦? 俺達でか? なんの意味が?


「負けた人には残酷なお仕置きが待っているわ」


 クラスメイトがざわつく。

 あの王女のことだ、冗談抜きに残酷なお仕置きとやらを実行してくるだろう。

 クラスメイトの二分の1に。


「この模擬戦の意味は、本能で戦闘方法を理解させることね。どっかの学者の論文に書かれていたわ『生物は危機に陥ると、本能で魔法の使い方などを理解する』ってね。というわけで、危機感を感じさせるためにもし負けたらどんなお仕置きが待っているか教えてあげる。あの死刑囚連れてきて」


「はっ!!」


 兵士がすぐに牢に入った囚人をつれて戻ってきた。

 そのまま王女の前に椅子を持ってきて、そこに囚人を縄で固定した。


「じゃあ、実演するわね! まずは....爪ね!! いっきまーす」


「やめろっ やめてくれっ」


 囚人の懇願を王女は無視して、ペンチのような道具で囚人の左足の親指の爪を無理矢理剥がした。


「があああッ!!!痛い痛い痛い」


 マジか....拷問はされたくないから少し本気を出さないと...


「癒しを ヒール」


 王女が何か呪文を唱えた。

 すると、先ほど剥がされた爪が再生した。

 普通なら喜ぶべき事なのだろう。

 しかし、囚人の顔は絶望に歪んだ。

 爪が再生した。つまり、無限に拷問が続くからだ。

 それから王女はその囚人の爪を剥がしては回復、剥がしては回復...を数十回行った。

 とっくのとうに囚人は気を失っていた。


 その時の王女の顔は.......嗤っていた。


 .......狂ってる。俺はその言葉しか思い浮かばなかった。


 クラスメイトは青い顔になっていた。

 吐いてる奴もいる。

 俺もそんな顔になってるのか?


「ハハハハハハ あ、楽しすぎてあなた達の事を忘れていたわ。これから15人も拷問できるなんて....夢みたい」


「という事で、模擬戦開始しますわ。順番は私がくじで決めましょう。さあ、誰が出るかしら?」


 クラスメイト全員が王女の手元に注目する。


「えーと マイvsマサルね。前に出なさい」


 前の鑑定で名前はバレている。前に出るしかないだろう。


「敗北条件は、降参するか、戦闘続行不能になるまでやられることね。二人ともこの中から好きな武器を選んでね」


 王女は木でできた数十種の武器から二人に選ばせた。男は剣、女は杖を選んだ。


「準備ができたようですね。では、よーい、スタート」

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