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3.魔力が吸われるんだが

目の前の重厚な扉を開く。

中には巨大な蜘蛛がいた。


今までの経験上ボスはボス部屋に入らない限り襲ってこない。

しかし、なぜか部屋の外から攻撃しようとすると不可視の壁に防がれる。

なので俺はボスに攻撃するため部屋に足を踏み入れた。


その時、異変が起こった。

体内の魔力が急速に壁や床に吸われ、倦怠感が襲ってくる。


当たり前のように使えていた結界術が使えなくなり、一瞬パニックになって冷静な思考ができなくなる。

が、無理矢理冷静になり、怠い体を酷使して部屋の外に出る。

部屋の外までボスは追ってこないからだ。


とりあえず一旦深呼吸をして呼吸を整え、それからボス部屋に入った瞬間の出来事について考える。


第1の異変だが、魔力が床や壁に強制的に吸収された。

化け物騎士の魔法以上の吸収力だ。


第2の異変の倦怠感だが、これはラノベでよくある魔力欠乏症とかだろう。

化け物騎士のときになぜならなかったのかはわからないが、それは置いておく。


第3の異変の結界術が使えなくなったことだが、それはあの部屋の魔力を急速かつ強制的に吸収するという特性故だろう。

障壁を展開しようとしても、構成途中の魔力を一瞬で吸いとられるため結界術が使えない。


おそらく50層までこの異変が続くだろう。

魔力を使わず50層まで攻略する......あれ?これ詰んでない?



《?????》


探知魔法から『彼』の反応が消えた。

勇者との模擬戦後、飛んで逃げた先でのことだ。


探知魔法の範囲を限界まで広げたところ、隣国のダンジョン、迷宮といった場所の内部での生存が確認できた。


それにしても迂闊だった。


最愛の『彼』を苦労させるどころか生命の危機に常に晒されるようなダンジョンへの転送を見ている探知魔法ごしに黙って見ることしかできなかった。

自分で自分を殺したい。


だが、そんな私の命は『彼』を助けるためにある。

今がその時だ。

自害するのは『彼』を助けてからでも遅くない。


安心して待っていて。

私の『彼』。



それから私は王城から何度も脱走して魔物を殺して経験値を稼ぎまくった。

私みたいな日陰者が1人居なくなったところで気に止める人なんていない。

目立たないようにしていたのがここで役立つなんて、人生何があるかわからないものだ。

私の人生は『彼』に全て捧げたのだけどね。


腕が噛みちぎられたり、足が切断されたりしたけど、『彼』の現状と比べたら痛みなんてないも同然。

一時間放置すれば生えてくるし、大丈夫。


『彼』が助けられるなら、私がどうなろうと関係ない。



《西城正樹》


ボス部屋前で詰んでから1ヶ月。

俺は101層の魔物を狩り続け、レベルが40になった。


神結界には魔力回復と清潔を追加。

魔力回復と清潔は健康維持という名前で統合された。


鑑定を強化し、相手の隠蔽スキルの詳細、自分の称号の効果、ステータスランクが詳細にわかるようになり、対物鑑定と対生鑑定が統合されて鑑定Ⅲになった。


不壊を強化し、消滅、破壊、分解魔法でも壊せなくした。

これで神結界の弱点が消えた。


ボス部屋に入った瞬間の魔力吸収を無効化する機能も追加しようと思ったが、なぜかそれはできなかった。


そんな俺のステータスを表示しよう。




サイジョウ マサキ 16歳 種族人間

職業 :結界師

レベル:40

生命力:A-

魔力量:SS

体力 :A-

筋力 :A-

耐久 :A-

俊敏 :A-

魔攻 :SS

知能 :SS

スキル:結界術    (A)

    疲労耐性   (B)

    疲労耐性   (B)

    不眠不休   (B)

固有 :神結界    (SSS)

   

称号 :異世界人

    人外

    狼殺し

    竜殺し

    飯を食わぬ者

    最強の盾




神結界(SSS) 結界に 変形 操縦 継続 不壊Ⅱ 鑑定Ⅲ 偽装 把握 物理反射 魔法反射 展開消費魔力無し 維持消費魔力無し 隠蔽 生命維持 健康維持 の14の内の2つを付与できます。結界、障壁ごとに別の能力を付与することは出来ますが、2つ以上展開している結界、障壁ごとに別の能力を付与する等は出来ません。相手を直接攻撃するスキルの取得が不可能になります。


異世界人 この世界と違う異世界からやってきた者に与えられる称号。現地の言語の理解が可能になり、大幅なステータス補正が掛かる。


人外 人のステータスを大きく逸脱した者に与えられる称号。最も低いステータス(複数ある場合はその全てに)に小幅な補正が掛かる。


狼殺し 狼系統の生物を100匹殺した者に与えられる称号。狼系統の生物との戦闘時、ステータスに大幅な補正が掛かる。


竜殺し 竜系統の生物を100匹殺した者に与えられる称号。竜系統の生物との戦闘時、ステータスに大幅な補正が掛かる。


飯を食わぬ者 3日間飲まず食わずでいた者に与えられる称号。飢えと喉の渇きの感覚が鈍くなる。


最強の盾 神結界のスキルを所持している者に与えられる称号。守神の力を一部行使することができる肉体になる。



強化ポイントは以上だ。


これだけ強くなっているのにボスに勝てない。

魔法系統外のステータスでも勇者くらいはあるんだが.....

魔力を強制的に吸収された瞬間、ろくに動けなくなる。

どうしたものか。

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