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1.プロローグ

私は『彼』のことを何でも知っている。


血液型はAB型。好きな食べ物は焼き鳥のもも。趣味はライトノベルを読むこと。家族構成は母、父、彼の三人。将来の夢は税関職員、お風呂で最初に洗うのは右腕、朝起きるのは平均7時、口癖は「だるい」、好きな星座は獅子座好きな武器は長槍と長巻好きな山は阿蘇山好きな数字は0好きな動物は人間自分を動物に例えるならナマケモノ好きな植物はラフレシア好きな接続詞はけど好きな......


全て『彼』から聞いたことだ。私ほど『彼』のことを愛している人はいないだろう。私ほど『彼』のことを理解している人はいないだろう私ほど『彼』に愛されるべき人はいないだろう私ほど.....


あらいけない。ついつい『彼』への愛が爆発してしまった。

私は『彼』の写真に触れ、気持ちを落ち着かせる。


なぜなら今の時刻は10時、寝なければ明日の朝が辛くなる時間だ。

気持ちを落ち着かせた私はベッドに横になる。

そして私は自作の『彼』ぬいぐるみを抱いて眠りに着いた。



「おはよう」


私は『彼』の声で目を覚ます。

肉声ではなく、ぬいぐるみに取り付けたスピーカーから聞こえてくる。

これが『彼』の肉声だったらどれだけ幸福なんだろう?


私はいつものようにそう考えながら、愛しの『彼』の写真が壁一面に貼り付けられている部屋を出る。


二階から一階に来て、洗面所に到着した。

歯ブラシに歯みがき粉をつけ、歯を磨く。

それから髪を整え、リビングの机に座って親が用意した食パンとコーンスープを食べる。

いつも通りの一人ご飯だ。

ご飯を食べ終わったあと、制服に着替え、スクールバックを持って家を出る。


登校中も私は『彼』のことを考える。

『彼』は学校に来ているかな?そろそろ半径5m以内に『彼』を入れて『彼』成分を補給しなければエネルギー不足で死んでしまう。


学校に到着した。

大きな門をくぐり校庭に出る。

そのまま真っ直ぐ歩き、下駄箱が見えてきた。

その時私は、嬉し涙を流した。

何故なら、72日も学校にくることがなかった、『彼』がいたからだ。


『彼』は美術部の先輩に絡まれていて、酷く怯えた顔をしていた。

2年生の美術部員を睨むが、こちらに気付いた様子はない。

今すぐにでもあいつを殴ってやりたいが、女の私では軽くあしらわれるだけだろう。

それに、この前あいつを注意した委員長が不登校になったことがある。

噂では強姦されたらしい。


悪い噂が絶えないのに学校側が介入しないのは、あいつの父親が大企業の社長で、この学校に多額の資金提供をしているからだ。


くっ、あいつみたいなやつを殴れる力が欲しい。

かなわないとわかっていてもそう思ってしまう。


教室に着いた。

『彼』のことにしか興味がなかった私には友達なんていないから、自分の机で寝たふりをして時間をつぶしていた。

そんな時だった。......教室に巨大な魔方陣が現れたのは。


「おい!?なんだこれは」


「これ夢だよね・・・痛!」


他の人が混乱している中私は家にいた間、『彼』がはまっていたから勉強が終わってからよくweb小説を読んでいた。

だから一瞬でこの状況を理解できた。

異世界召喚だ。


私は『彼』異世界召喚に憧れていたと知って、異世界召喚にあこがれていた。

1人の最強の勇者とその他モブ、勇者はモブと比較にならない程の力を持ち、モブでもその世界の住民と比べると、比較にならないほどの力を持つ。


私はモブでもいいから『彼』と一緒にいることができる力が欲しかった。

私はとても幸運だ。その夢が今かなおうとしている。

私は歓喜に打ち震えた


しかし、浮かれてばかりではいられない。

『彼』が読んでいた異世界召喚物は、召喚した国が悪なパターンがあった。

例えば戦争の駒にする、あれこれと言いくるめて奴隷にする等だ。


そのパターンに十分に気を付ければ『彼』と一緒にいることができる......そんなことを考えながら私は異世界召喚の光につつまれた。

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