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叶わない恋  作者: peach-pit
5/5

ありえない・・・。


剣から私に対しての“好き”って言葉を聞けるなんて・・・。


「乙葉?」


はっ。


剣の声で我にかえった。


「返事は?」


返事って・・・告白の?!


私は顔を赤く染める。


「でも・・・私達兄弟だし・・・」


「さっき兄弟じゃねーって言ってたじゃん」


たしかに・・・。


「でも戸籍上は・・・」「乙葉」


私の言葉を消した剣の真剣な言葉。


「自分の気持ちに素直になれよ」


私は剣の顔を見た。


剣の瞳は真剣だった。


・・・剣の言う通り。


私自分の気持ちごまかしてた。


・・・でも・・・。


「私は・・・」


私達の関係は・・・。


「剣のコト・・・」


いけないことなんだよ・・・。


「・・・好きじゃない」


たとえ実際は兄弟じゃなくても。


戸籍上は兄弟。


私達の関係を誰も信じるわけがない。


怖いンだ・・・離れ離れになるのが。


私の瞳からぽろぽろと涙があふれ出る。


「嘘だろ?」


「ホントだよッ」


私は頑張ってあふれ出る涙をこらえる。


でもどうしても溢れてしまう・・・。


「・・・じゃあなんで泣いてンだよ?」


“ホントゎスキだから”


なんて言えないよ・・・。


私は黙って走り出した。


ゴメンね・・・・・。


こんな弱いお姉ちゃんで・・・。




しばらく走ってようやく家についた。


私はドアを開ける。


玄関に足を踏み入れる。


妙に玄関ゎしーんとしていた。


なんか怖くなってきた・・・。


そりゃ今は誰もいないケドさ〜。


私はリビングに入り、ソファーにカバンを置く。


そしてリモコンを手に取り、テレビの電源スイッチを押す。


初めに映ったのは不動産系のCM。


昔は剣と一緒に暮らすなんて思ってなかったな・・・。


もし、剣に彼女が出来たら・・・。


私はこの家を出て・・・。


私は近くにあったクッションに顔をうめる。


はあ・・・。


何回でも出てくるため息。


明日・・・不動産屋さん行ってこよかな・・・。

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