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叶わない恋  作者: peach-pit
3/5

「・・・ねえ!」


私は剣につれて行かれて歩き続けている。


呼びかけたのに無理する剣。


ちょっとくらい返事してくれたっていいじゃない・・・。


どこ行くンだろ。


もしかして、さっき否定し続けたから怒ってるとか?


もしそうだったら謝らなきゃッ。


「剣、怒ってるンだったらゴメンねッ」


そう言った瞬間、剣が立ち止まった。


私も足を止める。


「・・・剣?」


「よしっ。ついたぞ」


「へ?」


私はあたりを見回した。


ココは・・・動物園だ。


「動物園?」


「そ。乙葉スキだろ?動物」


剣・・・覚えててくれたンだ・・・♪


「うん♪♪」


「じゃあ入るか」


剣はまた私の手を引っ張って歩き出した。


私はついて行くだけだった。


私達は動物園に入った。


「何からみる?」


剣はパンフレットを開いて私に尋ねる。


私はパンフレットを覗き込む。


「ンー・・・近くカラまわって見て行こうよッ!」


「分かった」


剣はパンフレットを閉じてジーパンのポケットに入れた。


「ン」


剣は右手を差し出す。


私はこの意味が分かった。


“手をつなぐ”という意味だと。


私は左手で剣の右手を握った。


私達は並んで歩きだした。


周りから見たら私達ってカップルだよね・・・?


でも実際は姉弟なんだよ。


こんなの・・・苦しいよ・・・。


「ペンギン見るか?」


優しく話しかけてくれる剣。


そんな優しさに涙が出てくる・・。


「え。なんで泣いてんの?!」


急に泣きだした私に驚く剣。


急にビックリしたよね・・・。


ゴメンね・・・。


私は涙を指で拭う。


「なんでもないッ!ペンギン見よ?」


私はなにもないふりをして剣を引っ張った。


「お・・・おう」


私達はペンギンのいるところに着いた。


ペンギンはいっぱいいて、トコトコと可愛らしく歩いたり、泳いだりしていた。


そんなペンギンに私はとても好奇心をもった。


「かーわいい〜♪」


私は頬をピンクに染めた。


「おめーのが可愛いけどな」


剣がボソッと何か言ったみたいだけど聞こえなかった。


「なんか言ったー?」


そう聞いた瞬間、剣の顔が赤くなった。


「なんでもねーし!」


ぷいっと私と反対を向く。


そんな行動がとても可愛くて・・・。


「なになに?気になンじゃん!」


もっと愛おしくなっちゃう・・・。


「なんでもねーっつーの!」


剣すごい顔真っ赤だよ・・・?


「ぷっ」


私はつい笑ってしまった。


「な、何笑ってんだよッ」


「ごめっ・・・つい・・・ぷぷっ」


笑いが・・・止まらないっ!


「ぷっ。ははっ」


剣も私につられて笑いだした。


私達は笑い合った。


「・・・乙、葉?」


この背後からの言葉に私達の笑いが止まった。


私は振り向いた。


そこには2・30代の女の人が立っていた。


この人・・・誰?


てか、なんで私の名前知ってンの?!


私と剣は目をまるくして女性を見た。


「あら、やっぱ覚えてない・・・か」


女性は少し悲しい顔をした。


覚えてない?


どういう意味なの?


「私は・・・あなた達の母親なのよ」

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