1話 知らない天井(空)
はじまるよ!
どんどんぱふぱふ!
広い空、草原
その草原のド真ん中、小丘の上に制服姿の少年が寝転がっていた。
濡れたように艶のある黒髪に深い漆黒の瞳、身長も高く服装次第ではモデルのスカウトでも来そうなほどスタイルがいい。
この少年は今、困惑していた
知らない天井だ。
いや、てか空じゃね?これ
え?なんで?なんでなん?
目覚めると家じゃなくて草原でした、なんて聞いたことがない。
てか、シャレにならん。
おかしい、さっきまでは学校で寝てたはずだ。
そしてうちの近くにこんな草原はない。
さらに言えば曇りだったはず。
なんでこんな晴れてんの?
「えっと、なにが…?」
と、考えていると
「おーい、帝~!」
その声に振り向くと
「ん?おぉ、理愛」
こちらに手を振るクラスメイトの瀬戸 理愛とヨーロッパ人みたいに肌の白い男女数名が居た。
「やっと知ってる人に会えた!」
?、まぁ後ろの人たちは知らない人だろうけど、知り合いを探してた?
どういうことだ?
「理愛、どうしたんだ?っていうかこの状況は?」
「あ、うん!あのね、先に紹介しとくね」
そういうと理愛は後ろからついてくる人たちの紹介を始めた。
「えっと、この背の高くて剣持ってる細マッチョがロイス」
「どうも、ロイスだ。よろしく」
うん、確かに細マッチョだな。
あと、目元の傷がかっこいい。
でもそれどこでどうしてつけたん?
「で、こっちの魔女っ娘って感じの女性がルゥメス」
「よろしくね~」
うん、魔女っ娘だ。それはもう恐ろしいほど典型的な。
パッと見同い年位に見えるがいくつなんだろうか…。
「それでこの弓持った狩人みたいなゴツい人がケルン」
「おう、よろしく」
なんか、こう、NBA選手みたいだな。
あとなんかこう、革鎧すげぇ似合ってる。
「最後に、こっちの忍者みたいな黒づくめがセントだよ!」
「よろしく頼む」
おぉ、忍者だ。それもかなりデフォルメされたファンタジー忍者。
マジで刀背中に背負うんだな。
ちなみに理愛は珍しく地毛が薄茶でショートカットの女の子だ。
活発で優しく、俺の家で薙刀を習っていたからか礼儀を忘れないし大体お察しな通り人当たりも良く、分け隔てないので男女ともに人気だ。ちなみにこの子、頭がいい。
「菊文字 帝だ。帝でいい。よろしく」
うん、とりあえず挨拶は返したが…
まずつっこみたい
「なんで武器?それとここどこだ?」
「えっと、それはここからの話に関係があって…」
「?」
「あのね、びっくりっていうかちょっと喜びそうな気がしないでもないんだけど」
?、楽しい状況ではないが…
「私たち、異世界来ちゃったみたい」
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