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第57話 「それぞれ。」
「わかりました。」
・・・千葉ライアンの主将そして背番号1をつける責任は大きい。逆に考えればこのチームで日本一を取れれば日本一の主将となる。しかし、それには俺だけの力じゃ到底成しえないことは分かっている。まず俺がしっかりしなくちゃ。
中村は思っていた。
・・・ピッチャーはみんな自分の役割をきちんと果たせばいいと言ってきた。そしてそのチームをまとめるのが俺の仕事だ。配球を考え常にベストピッチングができるリードをしたい。
ピッチャーの女房、レギュラーキャッチャーの佐橋も思っていた。
中村は投球練習をしマウンドにあがった。
フォークも好調だった。
日本一はこのチームに入ってからの夢だ。
中村のピッチングはこの日も打撃陣を悩ませた。
「ナイスピッチング。」
打者を相手に被安打2という結果だった。
「じゃあ、木下投げてくれ。」
「はい。」
2年生ピッチャーの木下はサウスポーである。彼は持ち球が多いことでチームには知られている。球種はツーシーム、カットボール、スライダー、Ⅴスライダー、カーブ、シュート、フォーク。球速は3人と比べれば速くないがそれでもバッターから空振りを取っていた。




