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極大魔法戦争マジックシューターズVR  作者: 告井 凪
第6話「VSシルバーマジシャンズ」
37/45

5「作戦の行方」


 お互い拠点を一つ取ったところで、戦況は膠着してしまった。


 後方、儀式塔ではヨミが魔力を注入。

 取られていない広場側の拠点の前で、アヤメが防衛。

 コートとリーナは、奪った敵の拠点を起点に、なんとか攻め込もうと機を窺っていた。

 ちなみに奪った拠点内では、敵は魔力回復が出来なくなるというペナルティがあるため、敵はここに籠もることができなくなる。安全地帯ではないが、潜伏される可能性はかなり低い。


 敵、シルバーマジシャンズ側は、なんとか前に出ようと仕掛けてくる。

 けどさすがにそろそろ魔力注入しなければ、間に合わなくなる。後衛に一人置いて、前衛二人とミツキ先輩による狙撃の援護だ。

 一度崩したローテーションだったが、ここでまたスイッチ式が機能してしまい、コートたちは抑えるので手一杯な状態だった。


 そして、残り30秒。

 リーナが拠点から飛び出した。


「儀式塔、魔力注入は75%にできてるぞ! たぶん向こうも同じはずだ! リーナちゃん、何とか奥の拠点を取ってくれ!」

「了解、だよっ!」


 取った拠点が一つのため、魔力は75%までしか注入できない。

 儀式塔にはヨミが待機していて、いつでも注入できるようにしているが、それは相手も同じだろう。

 つまり、先に拠点を取った方が、魔力注入量で勝つことができる。


 リーナは奥の拠点へと急ぐ。すると――


 バシュ! バシュ!


 リーナの数歩先と足下に、雷属性の魔法が撃ち込まれ、後ろに飛び退いた。


「待ってたわ。さっきのリベンジ、させてもらうわよ」

「マナミ部長っ。いると思いました!」


 リーナとマナミ部長。二度目の接触だ。


「みんな! 敵陣側にはマナミ部長! 後方拠点からミツキ先輩の狙撃も飛んできたよ! でもサオリちゃんとシンタ先輩がいない!」

「どっちかが儀式塔で待機してるわね! たぶん、シンタ先輩?」

「サオリのが機動力あるしな。拠点狙いじゃねーか? ――おい、アヤメ」

「わかってるわ」


 リーナの報告を聞いて、拠点前にいたアヤメは後ろに下がり、塔の中に入る。

 残り時間で、敵は必ず拠点を取りに来るはずだ。


「サンダーショット!」

「ミストバリア!」

「……本当、恐ろしいわね。弾速の速いサンダーショットまで防ぐなんて!」

「どういたしまして!」


 リーナがなんとか拠点との距離を詰めようとするが、マナミ部長がそれを許してくれない。

 一度やられているというのもあるのだろう、マナミ部長は冷静に、丁寧に、リーナの攻撃を捌き、行動を制限していた。


「うぅ、マナミ部長、守りに入ってる! 拠点取るの待ってるみたい!」


 どちらのチームも、味方が拠点を奪うのを信じて、役割をこなしている。


「リーナちゃん!」

「うん、わかってるよ。無理に倒す必要はないっ!」


 リーナは隙を突いて、マナミ部長の脇をすり抜ける。そして拠点へと続く路地に入り――。


 バシン! バシン!


「うそっ……!」


 死角に設置されていた、ダークタレット。

 リーナは被弾したが、すぐさま通常射撃魔法で二つのタレットを破壊する。


「ミツキ先輩、こんなところに仕掛けてたんだ?! やられたな~」


「そこまでよ」


 路地の入口に、追いかけてきたマナミ部長。伸ばした右腕が、しっかりリーナを捉えている。


「この狭い路地で、サンダーショットは避けられないでしょ?」

「あはは……です、ね」

「ところで、もう一人はどこ? ……あ、いいわ。ミツキが見付けたみたいだから」

「えっ! コートくん?!」


 リーナは思わず顔を動かし、広場の方を見てしまう。


「あら、あっちなの? ミツキ、広場側を警戒して。もう一人いるから。たぶん潜伏してる」

「あ! ずるい!」


 EVSが発現していなくても、顔の向きくらいはわかるようになっている。

 リーナの動きでコートの位置を察したようだ。


「ごめんなさい。……負けるわけには、いかないの」


 マナミ部長が魔法を撃とうとする瞬間、リーナも右腕を上げた。


「サンダーショット!」

「「リング魔法!」」



 そして、三つの声が重なった。



                 ◆



「あっ、マナミちゃ――!」



「サンダーショット!」



 マナミがサンダーショットを撃つ直前、チーム通信からミツキの戸惑う声が届いた。

 しかしリーナが腕を上げたため、反射的に移動速度アップを発動し、後ろに跳びながらサンダーショットを撃ち出していた。


 ドゴォォォォン!


 リーナの撃ったリング魔法が近くの建物を崩し、轟音が響き渡り――



『プレイヤー:マナミが 敵プレイヤー:リーナを倒しました』



 リーナのリング魔法は攻撃型だったが、幸い扇状の射程を持つタイプで、マナミはギリギリ範囲外に出ることができた。これが直線貫通タイプだったら相打ちだ。



『敵プレイヤー:コートに プレイヤー:ミツキがやられました』



「ミ、ミツキ?!」


 アナウンスを聞いて慌てて拠点、塔を見上げると――最上階、魔石がある場所がリング魔法で崩れてしまっていた。


「もうひとりの男の子に背後取られてた~。リング魔法で落とされちゃったよ~」

「やられた……っ!」


 マナミは思わず、リーナのいた場所を睨みつける。

 広場の方を見たのは、ブラフだったのだ。



『敵プレイヤーに 二つ目の魔石を起動されました』

『プレイヤー:サオリが 二つ目の魔石を起動しました』



 魔石を起動されたが、こっちもサオリが拠点を奪ってくれた。

 アナウンスのタイミング的に、コートが魔石を起動するのとほぼ同時のはず。

 あとはマナミが急いで戻って、シンタと一緒に魔力注入すれば……。


「マナミ部長。拠点、また誰も(・・・・)いませんでした(・・・・・・・)。これって……」

「…………!!」


 マナミは儀式塔に走る。残り時間は10秒切っている。

 時間稼ぎのつもりか、崩れた塔の上から通常射撃魔法が飛んでくるが、無視だ。


「おい、まずくねぇか? 誰もいなかったってことは、向こうの儀式塔、二人で魔力入れてるってことだろ?」

「わかってるわよ……」


 儀式塔に向かいながらも、マナミは絶望的な気持ちになっていた。

 移動速度アップの効果が残ってはいるが、残り時間的にどんなに急いでも間に合わない。



(全部、向こうの作戦通りってわけね……。やってくれるじゃない)



『タイムアップ! 現在の魔力注入量で、儀式塔から極大魔法が放たれます!』



 魔力注入量、81%対78%。

 シルバーマジシャンズは敗れたのだった。


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