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喫茶店から異世界へ  作者: 緋色
1/1

行き当たりばったりの異世界漫遊記

あ…あぁ…あづぃ…………

なんで自分はこんなことをしているんだろうか…?


決まっている、家のエアコンがとうとうバカになったからだ

なら業者に頼めって?そりゃ頼んださ、でもな、一週間から20日ほどかかります?

その間に死んじゃうって……

だから私は、俺はこのクソ暑く憎たらしい太陽に照らされながら近くの電気屋に歩いて行っているんだ、これで帰りはエアコン担いで帰るのかと思うと気が変になりそうだ

だがまあいい、目標はもう目と鼻の先だ


「ぉお?!」


店に入った途端おかしな声が出た、それというのもありがたいことに冷房がとても効いていて

ありがたい話なんだが不意打ちだったのだ、店番?みたいな人に変な目で見られたが…

まあいいやどれがいいとかわからんしな、聞くか


「あの、エアコンが壊れてしまって、どれがいいですかね?」

「ああ、でしたらこのモデルの-----------------」


そしてもう決まって、それを買って帰ろうというとき気づきたくないことに気づいてしまった

そう、ないのだ

思い返してみれば机の上に置いたままだったような

そう、財布が、ない………


この場でエアコンに頭を打ち付けて死にたくなった、この足で何の成果も得られずに帰路につくなどもういっそ殺してくれ、お願いだ


だが買いもしないのに店に居座るわけにもいかず事情を話し呆れた目を向けられながら辞去した


そして冒頭に戻る、いや戻りたくはないが戻らざるを得ないだろう

そしてフラフラと歩いていたら


「異世界行きたくないですか?」


これである、もういい加減にしてほしい確かに行けるなら行きたいだがそんな話いきなり持ちかけられて頷くバカがいるならみてみたい


「いや、あの、暑いんで勘弁してください…」


我ながら情けない返答だと思うでも今はこれが精一杯である


「でしたらそこの喫茶店で話ませんか?」


財布を忘れたというのにこのクソ野郎は


「いや、すいません財布忘れまして」

「でしたらお話しを聴いていただくお礼に何か一杯おごりますよ?」


……………………一瞬こいつが神か天使にみえた


「あ、なら話するだけなら…」

「いや〜助かりました!ささっ入りましょう入りましょう」


いきなりテンション高くなるなよ


「あの、本当に話聞くだけでいいんですよね?」

「ええ、もちろんですさらに異世界に行っていただけると尚ありがたいのですがね」

「はあ…」

「あ、何をお飲みに?」

「あーアイスココアでお願いします」


しかし素面で異世界異世界いうなこの人


「ではお話ししますね--------」


曰く異世界に行ってもらいたい

あなたが一人目だ

ゆえにとてもサービスする

ボタンを押すだけでいい

設定はタブレットでできる

損はせない

法に触れていない

危ないのは異世界行ってから

etc…


いやいやいやいや、怪しすぎだろ!

そう言うと


「いえいえいえいえ、個人情報も頂きませんし勝手にあなたの話もしませんし一人目なんでサービスしますしボタン押すだけですしあっちの世界ならこっちの世界と違って世界圧もかなり楽なんでうごきやすいですよ!」


なんか大丈夫に聞こえるのが怖い

……今気になること言わなかったか?


「まあタブレット見るだけでも」

「はあ…」


そのタブレットに表示されていたのを説明すると


GP10000


スキル

格闘Lv.1耐熱Lv.1耐寒Lv.1-----


思いっきりゲームのスキル画面だよな…

「あの、これ」

「はいスキル画面です、こちらの欄のスキル一覧からお好きなスキルをお選びください」

「あ、はい」


あ、はいじゃないよ自分まあ気になるから見るけどさ

格闘はあるな、瞬歩…300GP 取得経験値×2…100GP 必要経験値×1/2…100GP スキル成長率増加…1000

とりあえず瞬歩は取るとして取得経験値×2と必要経験値×1/2は取得したら取得経験値×4と必要経験値×1/4がでてきたどちらも200GP

どこまで出るかやってみるか

結果、取得経験値×32…1600GP 必要経験値×1/32…1600

両方取得で


今は

瞬歩 取得経験値×32 必要経験値×1/32 スキル成長率増加

合計4500GP


他には----


鑑定能力超向上…500GP 次元収納…500GP 才能…3000GP

鑑定?とか収納系はやっぱり定番だよな

あと才能?なんか重要そうなんだよなGP的に

そうなると


瞬歩 取得経験値×32 必要経験値×1/32 スキル成長率増加 鑑定能力超向上 次元収納 才能

合計9500GP


そして次に魔法系

全適性…2000GP 魔力回復速度超上昇…500GP 魔力総量超上昇…500GP 魔力操作超上昇…500GP 魔力密度、魔力質超上昇…500GP



全適性 魔力回復速度超上昇 魔力総量超上昇 魔力操作超上昇 魔力密度、魔力質超上昇

合計4000GP


「あのー?」

「はい、なんでしょうか?」

「このGPってのこれ以上増えませんかね?」

「ええっとこれでも一人目なので結構サービスさせていただいている感じでして…」


さっきあなたが一人目だって言ったときにこの人、私はって言ってたよな……


「でもそれあなたが異世界に送る一人目ってことで他のあなた以外の案内でもう行ってる人いるんじゃ…?」


お、ちょっと顔ひきつった


「確かに他にも行った人はいますがそれでも「倍ください」は?」

「安心安全みたいなこと言っといてそんな大事なこと言ってなかったじゃないですか」

「その、確かにそうですが私も必ずあなたでなければならないわけではないので」

「その割にはここは入るってなったとき随分ホッとした顔で助かりましたって言ってテンション上がってましたよね?

困ってたんじゃないですか?いきなり異世界とか言っても話聞く人いなくて」

「…………倍ですよ、それ以上は絶対増やしませんからね?」

「いやーありがとうございます!」


これで他のも取れるな


現在

瞬歩 取得経験値×32 必要経験値×1/32 スキル成長率増加 鑑定能力超向上 次元収納 才能 全適性 魔力回復速度超上昇 魔力総量超上昇 魔力操作超上昇 魔力密度、魔力質超上昇

合計13500GP


他に重要そうなのは…


熟練…700GP 種族限界解除…1000GP 技巧…500GP 豪運…500GP 因果干渉力…1500GP

合計4200GP


これも足して

瞬歩 取得経験値×32 必要経験値×1/32 スキル成長率増加 鑑定能力超向上 次元収納 才能 全適性 魔力回復速度超上昇 魔力総量超上昇 魔力操作超上昇 魔力密度、魔力質超上昇 熟練 種族限界解除 技巧 豪運 因果干渉力

合計17700GP


2300GP余ったな…


隠遁…400GP 他者強化…400GP 魔眼…500GP 魔眼限界解除1000GP


なかなか厨二心をくすぐるのがあった


これを足してぴったり20000GPかな

瞬歩 取得経験値×32 必要経験値×1/32 スキル成長率増加 鑑定能力超向上 次元収納 才能 全適性 魔力回復速度超上昇 魔力総量超上昇 魔力操作超上昇 魔力密度、魔力質超上昇 熟練 種族限界解除 技巧 豪運 因果干渉力 隠遁 他者強化 魔眼 魔眼限界解除

合計20000GP


いやはや選び疲れた

…………いつのまにか交渉してまで本気で選んでたよ



「あ、補足ですが本来このように可視化することはできません自分の特技や技能などなどを特例的に無理やり目に見えて理解しやすい形にしているだけですので言ってしまえばあちらの世界にスキルなどというものは存在しません

そして技能というのは使った分熟練します」

「ってことはつまり才能の塊みたいな感じで異世界に行くって考えたらいいんですかね?」

「あーそんな感じで結構です」

「異世界のほうで新しく技能を身につけたりしたらそれも使えるってことですよね?」

「はい、そんな感じで問題ありませんあと一度魂に刻まれた、今スキルと呼称しているものは衰えることや長時間使用しなかったとしても失われるものではありません」

「へぇ、随分便利なんですね」

「まあ行ってもらうわけですし、サービスの一つですよ」


そんなもんかと考えているとおもむろにカバンから正方形のプレスチック調の箱を取り出してきた


「さ、それではボタンを」

「えっと、開ければいいんですかね?」

「はい」

「じゃあ」


そう言って箱を開けると赤いボタンがあった

………なんか怖いな


「じゃ、じゃあ押しますよ?」

「どうぞどうぞ!」


——カチッ-----------


そして相田 大和はこの世界から消え去った


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