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巫女①

「ようこそアイヒシュテットさん。私は物語の導入進行をお手伝いさせていただく、神霊樹の媛巫女(ひめみこ)、アリアドネの十河詩織です。本日は女神のアトリエにご参加いただきありがとうございます」


彼女は天空という背景によく映えていた。


やや切れ長の瞳に鼻筋の通った美しい顔立ち。


陶器と見まごう白い肌には瑞々しさが有る。


その腰まで届く艶のある黒髪は清楚な印象を際立たせ、彼女のまとう見事な金糸の刺繍が施された十二単と巫女服を合わせたような着物は、彼女の格の高さを雄弁に語っている。


その姿はさながら、天界の女神といっても過言ではない。


圧倒的な存在感を示した、十河詩織と名乗るNPC――この世界で言うところのキャスト――は、プレイヤー――この世界で言うところのゲスト――に微笑みかける。


唐突に広がった視野に虚を突かれたアイヒシュテットだが、彼は眼前に広がる雲の海に圧倒されながらも、自らが仮想世界への接続に成功したのだと理解し平静を取り戻す。


「それでは早速ですが、チュートリアルを始めさせていただきますね」


初めて体験する仮想世界の圧倒的な情報量に気圧され気味だった彼は、それでもなんとか彼女の言葉に「はい、お願いします」とお辞儀する。


そうして、何事もなく、レクチャーは始まった。


「最初に、体がきちんと動くか確認してみてください。この世界ではコッペリアと呼ばれる筐体を通して、自由に歩いたり飛んだり泳いだりできます。どうぞ」


アイヒシュテットが彼女を凝視していると、彼女は大きく両腕を伸ばして、左右に振ったり前屈したりと体を動かし始める。


「さぁ、同じように」


アイヒシュテットは勧められるがまま、見よう見まねで体を動かす。


「基本動作の操作は大丈夫ですね」


体が軽い。いくら動かしても疲労感が湧かない。


言われたようにするアイヒシュテットの動作を見て、彼女は微笑む。


「では次に、この世界の基本操作【アナライズ】の動作確認です。私を視界の中心に収めつつ、見ようという意識を強く持って、両目を少し大きめに開けてください」


アイヒシュテットは言われるがまま彼女に従う。


「もうちょっとだけ大きめに」


言われるまま更に眼を見開く。するとアイヒシュテットの視界に、見慣れない記号や文字浮かび上がる。



カテゴリー:Usher Cast

Solid-State Chassis E:∞

種族区分:E-object

所属結社:CRIMSON BERYL



彼女の頭上には【十河詩織】という文字が浮かんでいた。


「はい、これは視線に捉えた対象の情報を照会するアナライズという機能です。基本的には公開されている設定だけ見る事が出来ます。この世界ではこのように、対象を意識的に見る事によって色々な情報を知る事が出来ます。見たい文字を凝視するとさらに細かな情報も見られますよ。他にも支援デバイスのターゲットを定めたり、距離測定や温度測定などの環境確認、私に対しては出来ませんが、友人登録をする事も出来ます」


アイヒシュテットは言われるがまま機能を試す。文字を凝視した途端、勝手に追加の説明文字が表示された。



所属結社:CRIMSON BERYL

・結社情報:イベント進行αテスター

・コメント:楽曲提供させて頂いていますくりべりです。宜しくお願い致します。



「それでは次に、簡単な物語の導入部分をご覧頂きゲームスタートです。お疲れ様でした。私の出番はここまでです。いつかまたお会いできる日を楽しみにしています。それでは、素敵な冒険を! グッドラック!」


彼女の言葉の終わりと同時にアイヒシュテットの視界は暗転した。


突然訪れた闇とともに全身が硬直し、意識が薄れる。


アイヒシュテットの記憶は、ここで途切れた。




◆◆◆




気が付くと、アイヒシュテットは柔らかな布地のベッドに寝かされていた。


正面には真っ白な天井。上半身を起こし、見渡せば真っ白な壁に窓が一つ。


白で統一された小部屋には家具も調度品も見当たらない。


――ここは……。


アイヒシュテットはベッドから降りその場に立ち尽くす。体には痛みもけだるさも残っていない。それどころか心地の良い目覚めの後のような調子の良さを感じる。


――一体誰がどうやってここまで運んでくれたんだ。


立ち上がった時、アイヒシュテットは自分の鎧の留め具がいくつか外れている事に気がついた。きっと寝かせるのに鎧を外そうとしてくれたのだろう。留め具を直しながら、彼は窓に向かって歩いた。

窓からは資料で見た長閑な日ノ本の町並みが見えた。


瓦と呼ばれる屋根を持つ木造の建物が、向こうの通りに何棟も規則正しく並んでいる。こちらの建物と向こうの建物の間は百ヤード程開いていて、その間は広い通りとなっていた。


通りの中央には芝生が敷かれ、その左右を舗装された道が伸びている。芝生の中ほどには噴水が百ヤード程の等間隔で設置されており、様々な形をした噴水からは緩急をつけて水が吹き上げられている。


その脇では、小さな子らが遊んでいる様子と、母親と(おぼ)しき女性達が少し離れた場所でそれを見守りつつ談笑している様子が見えた。


――ここは……。


その光景にアイヒシュテットは見覚えがあった。


彼は唐突に、自分がまだ幼かった頃に訪れたとある町を思い出していた。


その町の名は――オウコッペ。オウコッペとは現地人の言葉で【運命の支流が大きな流れに束ねられる場所】という意味であったと彼は記憶している。オウコッペは翼竜種の中でも希少な三亜種の一種【黒麒麟】と共生する【竜騎(エフ)民族(タル)】アルテュールの民が暮らしている町。


その面積はおよそ三百六十キロ平方メートル。住民はおおよそ四千人。基幹産業は酪農と林業。大黒という長一族が率いる原住民に迎られたアルテュールの民が、遊牧をやめ定住し発展を遂げた歴史を持つ。


オウコッペと祖国グロックドルムとは友好条約や通商条約などを結んで既に十年以上経っているが、オウコッペは物流と経済が内々で完結している為、両国の貿易実績はほぼ無いに等しい。


主だった交易といえば、株分けと呼ばれる黒麒麟種の翼竜を譲りうける際、儀礼の一環として香( B L)石( T)を融通するくらいだ。


――そうだ。ここはオウコッペにそっくりだ。


しかし、アイヒシュテットの記憶は酷く曖昧だ。


彼がここを訪れたのは一年も(さかのぼ)らない割と近い過去のはずなのだが、思い出せる記憶は十歳にも満たない子供の時分、という印象がある。



幼い頃、この町の魚介類の市場で威勢のよいセリを見た。


親の目を盗み、妹を連れて様々な珍しいものを見て回った。


持っていた貨幣は使う事が出来なかったが、町の人間は皆気前が良く親切で、自国では食べられない色々な珍しいものを食べて回った。


懐かしさを強く感じる。だのにこの光景を見るまで、アイヒシュテットはその思い出を完全に忘れていた。


何故今、急に思い出されたのか。



オウコッペは隠れ里の地下に作られた人口の集落。地上は森に囲まれた内陸にあり海に面してはいないが、地下都市は海と繋がっている。


そして地下都市には本物の太陽がない。それなのに地上と変わらない明るさを維持しているのには秘密がある。


地下都市の天上には、よく見ると木の葉を敷き詰めた鱗のような石がびっしりと敷き詰められていて、それ自体が青空を模すように光っているのだ。


加えて、太陽のように見える大きな光は地上で集められた光を収束させたもので、地上の光量が落ちると光は地平線に沈む。


――地上は森に囲まれた内陸……オウコッペ……興部(おこっぺ)町――


その知識はアイヒシュテットの曖昧な幼少時の思い出が、思い過ごしや空想ではない事を裏付ける。空を観察していた彼は唐突に気が付く。


――そうだ、ここはオウコッペだ。


興部町とは、オウコッペの地上にある行政上の都市名なのか。だとすると、地下は治外法権の大黒一族が取り仕切る特別区か。


だが何故……この記憶は、どうして――アイヒシュテットの頭の中には、ここまで思い出しておきながらまだ何かを思い出せていないような違和感がある。


――だが私はここに来ているはずだ。市場には海の神として竜が祀られていた。海が繋がっているのなら、黒龍石の話も、或いは……いや待て、それ以前に、妹? 


自分に妹などいない。それは間違いない事実であるのに、アイヒシュテットは記憶の中の妹の面影に見覚えがある。


混乱は漠然とした不安をかきたてた。記憶の少女は妹ではない誰かだ。では、彼女は誰なのか。記憶の食い違いの元を辿ろうとすると、記憶の齟齬が大きくなっていく。


――ダメだな。まるでわからない。まるで他人の記憶を植え付けられたかのようだ。くそ、自分のことのはずなのに。


彼は目を閉じ大きく深呼吸をして心を落ち着かせた。


考えたい事は色々ある。だがまずは、自分がどうやってここへ来たのか、だ。そして自分はどのくらいここにいたのかを把握したい。


――――?


アイヒシュテットは部屋を見回し、小さく驚いた。


一般的な立方体ではなく円筒型の造りをした珍しい間取りのこの部屋は、見渡してみるとどこにも扉が無かったのだ。


彼は扉が隠されているのかと思い壁を調べようとして、ふと思い直し、寝台の脇に立った。ベッドの上に乱雑に置いた毛布を先に直してしまおうと思ったからだ。


彼は両手で毛布を掴んで、毛布を放る動作を何度か繰り返し皺にならないよう毛布を整え、枕の位置を直した。


そして枕元に置いてある人形を――。


「…………」


「…………」


目が合った。


アイヒシュテットはソレに見つめられ、その場に固まる。精巧に作られているその人形の眼とアイヒシュテットの眼があった後、アイヒシュテットにはその人形が瞬きをしたように見えた。


「あ、え――」


「よんだですか? それはきっとぼくのことです?」


子供のような声をしていた。それも間の抜けた、なまりのある舌ったらずな、特徴的な音声が人形から言葉として聞こえた。


――なん、だと!?


「ねおきはよくないようだ」枕下から、人形がもう一体這い出て来た。


「にゅういんせいかつでいらいらしたの?」ベッドの隙間からもう一体這い出て来た。


「きおくにふせいなせっしょくがみられます?」カーテンの端にしがみついていた人形が話しかけてきた。


「つれてかえるのこのひと?」「かってにやったらおこられるかも?」「きんきゅうなときはじぶんでかんがえろっていってました?」「いつどこでなんじなんぷんなんびょう」「わたしきになります」「じっちゃんのなにかけて?」「そうだじっちゃんがいってた」


「じゃあいいかも?」「いいのだ」「いこう」「だれがいく」「だれでも?」「ぼくらで?」

『みんなだぁ!』


なまりの混じった舌ったらずで奇妙な人形達は、一斉に駆け出し部屋の隅へ移動する。そのうちの一体が立ち止まると、振り返ってアイヒシュテットに手招きをした。


――ついて来い、と言っているのか?


行くしかない。それ以外の手掛かりは無いのだから。アイヒシュテットはその招きに応じ人形達についていく。



小人達が集まる部屋の隅まで歩くと、彼らは互いに手を取り合い『せーの』と掛け声をかけて腕を前後に振った。直後、金属歯車がかみ合う音がしたかと思うとアイヒシュテット達の立っている床が、ゆっくりと下がり始めた。


――これは……絡繰りというやつか……。


日ノ本が誇る門外不出の技術をアイヒシュテット達は絡繰りと呼んだ。アイヒシュテット達聖職者達が用いる法術等とは違い、絡繰りは使い方さえ知っていれば誰にでも扱える制御技術の一つである。


一枚床は半径一ヤードの円状に分離し、重力を制御しつつゆっくりと降下を続ける。扉をつければ済む話なのに、このような無駄な技術を惜しみなく投入する感覚は日ノ本特有のものだとアイヒシュテットは思う。彼らは細かい事にこだわりを持ち洗練させるのが好きなのだろう。徐々に下がっていく床を見ながらアイヒシュテットはその技術の高さに感心する。



降下する床はおおよそ二階分の距離を降りて広い部屋に出た。


部屋の中央には直径十尺深さ四尺程の人工池があり、池の中央には水瓶を担いだ双子の女性像がある。


双子の像は天秤のオブジェを中心に向かい合い、天秤の中央部にそれぞれ手をかけていた。双子が担いでいる水瓶からは、天秤の左右それぞれの秤皿に向かって勢い良く水が吐出されている。


「ひめさまきたー」


足元にいた一体の人形が突然走りだすと、他の人形達も一斉に走りだした。するとどこに隠れていたのか、そのフロアの至る所から沢山の人形達が現れて、同じ方向を目指して駆けて行く。


「ひめさまだー」「ひめきたこれー」「これでかつる!」


その数はざっと五十体以上。アイヒシュテットも彼らが走って行った方向へ向かう。


途中、人工池を横切ろうとした時、天秤の皿の外側で人形が一体、溺れもがいているのが見えた。


――まさか……溺れているのか?


アイヒシュテットが手を差し伸べると、ソレは懸命に泳いで彼の指にしがみついた。手によじ登ったソレを彼はそのまま池から掬い上げると、池の縁に降ろそうとそっと腕を動かした。


「かたじけない」


しかし人形は礼を言ったかと思うと、そこに降りずアイヒシュテットの腕を器用によじ登って肩に辿り着き、そこであぐら座りをして「はふぅ」と一息ついた。


――何なんだコイツは……。


「やぁ、気がつきましたか」


そこへ後ろから声をかけられアイヒシュテットは反射的に振り返った。


「あっ、え、貴方は……?」


そこには、少年か少女かわかりにくい整った顔立ちをした子供が、人懐っこい笑顔でアイヒシュテットを見上げている姿があった。


「玄奘と申します。先日歴史博物館にお越しいただいた際、おもてなしをさせていただいたスタッフの一人です。館長のラナードとの食事会の時、給仕もさせていただきました。私の事、覚えてましたか?」


――いや、おぼえてるも何も……。


どういうことだ。別人なのか? アイヒシュテットは考える。


十歳位に見えるその容姿。事務的でしっかりとしていた言葉遣い。彼が着ている独特の綺麗な衣装にも見覚えがある。この地域の神官、宮掌(くじょう)の制服をやや綺羅びやかにアレンジした物だ。

――だがしかし……こんな軽い感じではなかったな。


やや早口な軽い口調で話す彼を見て、アイヒシュテットはその既視感がやはり思い違いであると認識を改める。同じ名前だったようにも思えるがそれ以前に、彼はこんなに愛想のいい人では無かった。同じ服を着たこの少年に似た別人だったのだろうと頭を切り替えるアイヒシュテットである。


「え、あ、はい。えーと、そうでしたね。ところで、ここはどこなのでしょう……?」


アイヒシュテットは自分の勘違いをごまかす為強引に話を逸らした。


「ここは世道が管理する宝瓶宮と天秤宮の入り口、大黒私立アシュヴィン総合病院です。どうです? 凄いでしょう。ここは大黒一族が運営する施設の一つでもあり、我々が統括する社の入り口でもあるんです。という事はつまりですね、社の入り口は条件を満たした人しか入れない仕様になっているので、大黒一族はそれを代わりに見極めて資格付与をやってくれるんですね。我々の少ない人員をカバーしてくれているわけですよ」


早口でまくし立てるように自分の興奮を吐露する彼を見て、アイヒシュテットは驚く。何て頭の良いよく喋る子供だろう。と。


「――それでですね、ここはスタッフがほぼジャクタマで、あ、ジャクタマっていうのは私の勝手につけた名前で、貴方の肩に止まっているそれです、それ。正式名称は木霊というんですが、汎用型なのでそう呼んでいるんです。私はね。でも大黒では大門と呼ばれていてですね、英語で言うとエコーですね、呼ぶ者次第で如何様にも何処にでも現れ無数に増えるっていう。とにかく便利なスタッフなんですが、ちょっとデザインに問題があるというか、私がデザインしたわけじゃないんですけどね――」


――話がノルと止まらないタイプか……。


何の話をしているのかわからなくなってきたアイヒシュテットは、内心焦りつつもとりあえず笑顔で頷く。


ラナード邸にいたという事は恐らくただのスタッフではない。であるなら、自分は外交特使として振る舞うべきか。


子供という見かけで彼を邪険に扱ってはこちらの品位が問われる事になりかねない。ここは少し様子を見ようと、アイヒシュテットは外交スマイルで聞き役に徹する。


「――けですよ。で、話少し戻りますがこっちの方はオウコッペといってですね。オウコッペとは現地人の言葉で、運命の支流が大きな流れに束ねられる場所という意味なんですが、上の興部町とは趣向も意味合いも色々なものが違っていてつまり別物なわけですよ。オウコッペは日ノ本には属していない自治区で翼竜種の中でも希少な三亜種の一種黒麒麟と共生する竜騎(エフ)民族(タル)アルテュールの民が暮らしている大黒一族と共存している土地でしてその面積はおよそ三百六十キロ平方メートル。住民はおおよそ四千人。基幹産業は興部町が酪農と林業でオウコッペは水産業が盛んなのですがこんな内陸でどうして水産業と思われるかもしれませんが実はここは海と――」


彼の話はアイヒシュテットの予想を上回る長さで続いた。


――何て事だ。まだ続くのか。


最初の内は不思議とこの長話も苦痛とは感じなかった。それは彼がほとんどの話を聞き流していたというのもあるが、こんなに楽しそうに熱心に話す子供を彼は見た事が無かったからだ。話の内容はともかく、この子猫に懐かれたような気分はそう悪いものではなかった。


だがそれが十数分も続くとなると話が変わってくる。意味の判らない話を長時間聞かされ続けるというのは意外と苦痛なものだ。


――これはもしかすると、まだまだ際限なく続くのか……?


まさかとは思う反面、まだ話の中腹にすら届いていないのではないかという最悪の予想が徐々に彼の中で膨らみ始める。この状況を何とか(てい)良く切り上げたい所だが、しかし話を止めるにしても案内が淀み無さ過ぎて質問を差し挟む隙がない。大人の諸事情を考えると尚更にして彼の話の腰を折る事は、今のアイヒシュテットには憚られた。


「――できるのは僅かなわけです。で、竜騎(エフ)民族(タル)はそのうちの半数以上を占めますがここでは香( B L)石( T)を生産する事ができないので騎竜出来る民のほとんどは出稼ぎに出ているわけですね。香( B L)石( T)というのは竜の生体に必要なもので、そもそもこれを創造した蒼星の預言者(エルクレイデス)というのは――」


「おいあほべる、もうそろそろやめないか」


アイヒシュテットは後ろからかけられた声に即反応し、未来永劫続かに思われた長話をぶった切ってくれた偉人の顔を拝もうと振り返った。


アイヒシュテットが振り返った視線の先。そこには沢山の木霊と呼ばれる人形を載せた――もしくは人形に占拠された――見覚えのある少女が、呆れ顔をして立っていた。


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