二ページ目
殴られたインパクトが強すぎて頼み事の内容を忘れていた。
眠気が強いので簡潔に起こった出来事を書こう。
「ヤダよ、めんどうくさいし。」
断った。もちろん妹の頼み事をだ。
と、いうのも僕が残虐非道な男だからではない。
ただ、面倒くさかったのだ。
そんな僕の反応を見てもなお、妹はまあちょっと聞いてよなんて前置きを置いたのだった。
妹曰く「最近、うちの中学校のなかで日記がはやってるんだよね。」
僕は不覚にもほう、と相槌を打ってしまった。
話しやすくしてどうする...
「なんかその日記っていうのが変わっててさ。現実の出来事は書かないらしいんだよね。」
この辺から普通に興味が湧いてきた。だってそうだろ?こんな変わった話中々聞けたもんじゃない。
「有名な例でいうと、夢日記とかそういうのに近いみたいなんだけど。」
夢を日記に付けておくと現実と夢とが曖昧になって最後には。なんて話だったか。
「そう、そうなんだけど。今回流行ってるのがさ。」
「過去日記。なんだよね。」
それでさ、
「過去日記。やめさせたいんだけど、手伝って。」
僕は断った。聞くだけ聞いて何もしない神様のように。
「ヤダよ、めんどうくさいし。聞かなかったことにする。」
僕はこの後殴られる。