第九回 :竜世紀について……
今回は、竜世紀について少々述べさせて頂きます。
さて、竜世紀の定義として、「世界を竜王が支配した時代」と言う意味になります。
もう少し詳しく述べれば、「竜王」による「大災害」が発動して以降から、「竜王」及び「公竜」が既存の鎮座地へ帰還するまでの期間を指して、「竜世紀」と呼称されます。
さて、その「竜世紀」ですが、その期間の前半と後半で、その行動は全く異なります。
その前半は「大災害」の延長であり、「世界の均衡を崩す存在」の排除を行うのが、竜族・亜竜族の役目となります。
対して、その後半は「暴竜」の排除を目的としています。「暴竜」とは、「竜王」に従わない竜族・亜竜族のことを指す言葉であり、この時代では「竜世紀」前半期における行動によって破壊と殺戮に酔い痴れる竜族・亜竜族を指す事例が殆どになります。
そして、無目的な破壊衝動の権化と化した竜族・亜竜族を掃討し終えた時、竜王は本来の鎮座地に帰還し、「竜世紀」は終焉を迎えます。
ちなみに、この「竜世紀」は……
・神代の終焉から人暦の開闢(=古代ユロシア王国の建国)までの「第一次竜世紀」
・古代ユロシア帝国崩壊から諸王国が建国するまでの「第二次竜世紀」
人暦三十一世紀までに、以上の二回が存在しています。
なお、「竜世紀」の終焉は大陸毎に微妙に異なり、「第二次大災害」の終焉について言えば……
・北方大陸では、人暦2282年
・東方大陸では、人暦2275年
・西方大陸では、人暦2304年
(南方大陸においては、「第二次大災害」の被害を最小限に抑えられた為、「竜世紀」自体が実質存在していません。)
と、なっています。これらは、前半期の破壊対象の多さや、後半期出現した「暴竜」の個体数などによって生じた誤差と考えられます。