第六回 :フォーサイト周辺諸国の軍備について
この物語には、その舞台となる「フォーサイト王国」の敵国として、幾つかの国が登場します。
その諸王国中幾つかの国の軍備について少し語ることにします。
まず最初に、「フォーサイト王国」西部に国境を接するのが、「センタサイト王国」です。
「センタサイト王国」は、“古代アティス王国の正当な後継国” を自認しており、保有している魔法機械技術の知識は他の諸王国より高い水準を持っています。(とは言え、かつての「アティス魔法機械王国」が保有していた技術水準とは及ぶべくもありませんが……)
また、王国が保有する遺跡からは各種魔法機械が産出しており、諸王国中で最も多彩な種類の魔法機械を保有しており、どの様な状況でも対処可能な軍備を高い技術水準で保有していると言えます。
しかし、国土に対しての遺跡数が他国と比して多くはなく、魔法機械兵器の絶対数も他国と比して特に多い訳ではありません。その上、実質的に他の諸王国に対して宣戦布告をしているも同然である為、他の諸王国に対して絶対的優位にあるとは言えません。
次に、「フォーサイト王国」北東部に国境を接するのが「セクサイト王国」です。
「セクサイト王国」は、地形としてはフォーサイトと類似した国ですが、その遺跡からは、主に魔道砲や魔法増幅用の装置、それとそれらを内蔵した「魔法機械人形」が多く産出しています。その為、長距離からの砲撃や魔法攻撃を主体とした戦術を採ります。
その影響から、従軍している帝国魔法の使い手の割合が、他の諸王国に比して多いと言われます。
しかし、逆に白兵戦に対応する類の兵器は少なく。そして、主要な産出兵器である魔道砲等は、設置式であったり、機動性が低いものが多いところが弱点と言えます。
(ちなみに、「フォーサイト王国」の保有している対空砲は、「セクサイト王国」との戦争で奪取した物が殆どです。)
そして、「フォーサイト王国」東部に国境を接するのが「トルヴシティ王国」です。
「トルヴシティ王国」は、国土の東部を「神の背骨山脈」の山麓域が占めている山岳や山林の多い辺境と言える国です。この国の遺跡からは、山岳・渓谷域乗用機械獣であるドールゴートや森林域乗用機械獣であるドールディア等の特殊な地形に対応した機械獣、そしてドールバードと総称される飛行型機械獣が多く産出しています。