第二回 :フォーサイト王国について
アティス大陸は一般に、南北に縦断する「神の背骨山脈」以西の「虹の大平原」と呼ばれる大平原地帯が人の住む領域と認識されています。(逆に以東には黒竜王の統治する竜族等の領域と言う認識があります。)
その中で「フォーサイト王国」はこの大平原地帯の中央付近、「センタサイト王国」の東方に位置する国です。古代アティス王国崩壊後に、アティス王国の第四都市の警護の任を持っていた軍士が取り残された民たちをまとめて建国された国であると伝えられています。
この王国で発掘される魔法機械は、騎乗用魔法機械獣ドールホースや戦闘用魔法機械獣ドールウルフ等、機動性の高い「魔法機械人形」が多く見られます。
「フォーサイト王国」は、黎明期の古代アティス王国の遺跡発掘において他国よりその獲得した遺跡の量が比較的少なく、また諸王国中最強国である「センタサイト王国」と接しているなどの事情により、十七あるアティス諸王国中では、その規模は小さい方です。その為、「フォーサイト王国」は他国に侵攻したことは少なく、「フォーサイト王国」の行った戦争は、侵攻して来た隣国(「センタサイト王国」、「セクサイト王国」、「トルヴシティ王国」等)を撃退すると言う形をとる場合が殆どと言えます。
しかし、騎乗用魔法機械獣であるドールホースの諸王国中最多の産出量と国内を詳細に張り巡らされている街道は、この国の誇りとするところの一つです。その為、他国との戦いにおいて採られる戦術は、整備された街道と産出する魔法機械獣の高い機動力を生かした、陣の高速展開と平原での高速機動戦にあります。言い方を変えると、魔法機械獣達の高い機動力で、魔法機械兵器の少なさを補って戦っているとも言えます。
ちなみに、現国王トラムの父である先王トリュムスは、数年前に侵攻してきたセンタサイト王国の撃退戦において戦死を遂げています。