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VS.初心者パーティー3

※グロ注意!!

お子様の情操教育、そういった描写を好まない方々はお気を付け下さい。

『非情、だけども魔王』


「……此処で死を待つのは癪だ。どうせなら戦士として、最後まで闘おうじゃねぇか」

「悪あがきなら得意ッス!」

「そうね、するだけしてみましょう」


 斧士のやや自暴自棄気味な掛け声で、剣士Lv15と弓士も武器を持ち立ち上がります。


「お前はどうする?」


 剣士Lv12に話し掛けますが、反応がありません。依然として壁の隅にうずくまったまま。

 そうこうしている内にも、着々と距離を縮めてくるトカゲ人間達。


「……いいわ、置いていきましょう」


 首を横に振り、置いていこうと提案する弓士。それに頷く残り二人。彼らは剣士Lv12を置き去りにしたまま、赤く燃えたぎる炎の先へと歩み始めました。


 それは一見、開き直りかもしれません。ですが、彼らにとってそれは紛いもない勇気だったのです……。




 ――と何だかカッコいい感じになっていますが、実際のところ「分をわきまえないで調子にのった半人前の雑魚共が、案の定ピンチに陥った末に開き直った」というだけの話ですね。簡潔的にいえば、『自業自得』。世の理というやつです。

 それでは、続きをどうぞ。




「――あれ? みんなは……」


 絶体絶命のピンチにより精神的に追いやられていた剣士Lv12は、現実逃避を行うことで自身のメンタルを守っていました。

 しかし、そのせいで斧士達の言葉はまったくとして届いてはいませんでした。

 そして気が付く頃には、仲間はその場に誰一人いません。


「魔物の声が聞こえない……みんなが追い払ったのかな」


 とぼとぼ、とさっきまで魔物から逃げる為に走っていた道を戻っていく剣士Lv12。



「あ……」



 彼にとって、それはまさしく目を疑う光景だったといえます。

 剣士Lv12が今いるその場所は、迷宮の奥深く。一般人は疎か、冒険者にだって遭遇する確率はゼロに等しいハズです。

 しかし、その少女は確かに彼の目線の先に立っていました。

 ぱっちりとした金色の瞳が可愛らしい、さながらお姫様のような少女が其処に立っていたのです。


「ちょっ、ちょっとどうしたのキミ!? こんな所に居ちゃ危な……」


 自分の心配などすっかり忘れ、少女の元へと一目散に駆けつけようとし……そして彼の思考が一時停止します。



 あどけない顔をした少女の足元には、先程まで自身を襲わんとしていたトカゲ人間が。

 金髪の美少女に対して、片膝を付け最大限の礼をしていたのです。

 その口からは、依然として熱い火がフシューフシュー、と度々漏れ出ています。


「……あれ? ほら、取りこぼしがありますよー?」


 にこやかに指を指す少女。その指先にいるのは驚愕で固まっていた剣士Lv12。


ギュ? ……グルォォオオ゛!!



 ターゲットを見つけると、瞬時に彼目掛けて襲い掛かるリザードマン。良く躾られていますね。


「え? え……?」


 未だ状況が掴めていない剣士Lv12。唯一判ることは絶体絶命の危機が今であるということだけ。


 半ばパニック状態になりながら周囲の状況を確認しようと試みるも、余計にパニックに陥ってしまう。

 確かに其処周辺の壁や床の色だけが、所々赤黒く染まっています。


 だからって……。

 そして、ふと視界に入る二つの煙柱。


 それは、走り寄ってくる五体の一番右端にいる一体のリザードマン、そのちょうど背後に見えました。

 焦げ付いても未だ尚、煙を吐き出し続ける二つの骸。

 付近に転がっている斧や剣から判断して、二人の頭部で間違いありません。


「ひっ……」


 つい後ずさりをして、転んでしまう……何ともお馴染みの展開がお好きなようで。

 しかし、この場合は誰も助けてはくれませんが。


 必死に腕を動かして、後ろへ下がろうともがく剣士Lv12。

 すると細い何かが腕へと絡み付き……。




 生前、弓士は綺麗なセミロングをしていました――。




 もう動ける気力すら無くなった虚ろな彼の視界には、五体のリザードマン。

 口元でメラメラ燃える炎は今にも噴き出しそうです。

 そして、瞳を閉じた彼の身体は、陽炎のように揺らめきながら炎の中へと吸い込まれていったのです。


 はい。まさかの展開で驚かれた方が多数いらっしゃるかと思います。

 ちょっとやりすぎ……いや、ヤりすぎちゃいました〜☆てへ





 ――はい、真面目な話を致しますと。次回は、今回の事後処理の話になりそうです。

 度々、拝読して下さる皆様。いつもありがとうございます!

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