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神からの伝達

 神からその連絡が届いたのは、買い物から明けて一日後のことでした。

 何でも急用だから直接天界まで誰か寄越してくれ、とのこと。




 翌日。

 フィーンは届いた兵の事で朝から大忙し。能力の確認から宿舎の用意まで、やる事は沢山あります。

 そうして、やっとの事で摂ることの出来た遅いブランチに一息入れていると、ランプロスから連絡が。


《ランプロス》からの着信です。繋げますか? ――YES,NO


“YES”


《……フィーン様。今少しお時間宜しいでしょうか?》

「はい、大丈夫ですよ。どうかしたんですか?」

《先ほど天界神様から連絡が着ました。何でも急用があるそうで、至急誰か天界まで寄越してほしいそうです》


 ちなみに天界まで上がるには、螺旋階段を登っていけば辿り着きます。が、何分距離が距離なので、片道三日はかかります。

 急用と言って、三日はかかる旅に寄越させる。それはつまり、用というのが通話でも話せない内容だということ。


「そうですかー。では私が……」

《いえ。フィーン様はその他の仕事で大変でしょう。私が行って参ります》

「あなただって仕事は山積みなハズでしょう? それに私が行けば〈転移〉で一発ですし」


 フィーンの右手中指にはめてある薄桃色の指輪。中央にはクリスタルがあしらわれています。

 これは神の血族だけが持つことを許された代物で、一瞬で地上界から天界まで転移出来る便利なアイテムでもあります。


《い、いえ。私が行きます! 行かせて下さいっ》


 何故だか譲らないランプロス。そこまで執着する理由が分かりませんが、きっと久々に天界に戻りたいのでしょう。

 そうフィーンは勝手な推測をして、彼が天界へ行くことを承諾しました。


《ありがとうございます、フィーン様》

「どういたしまして。あまり寄り道しないで早めに帰ってきて下さいね」

《了解です。……おっと、そう言えばフィーン様。もう一つ連絡がありました》

「なんですかー?」

《ヴァラカスも一度こちらに帰還してくるそうで……》

「うわっ。帰って来なくていいんですけど」


 あからさまに嫌そうな顔をするフィーン。


 彼女がそこまで嫌う相手の名はヴァラカスという男。

 マギナと同じく今まで遠征中でしたが、勇者の影響もあって一度体勢を立て直した方が良いと判断し、この度帰還してくる城内ナンバー3の実力を持つ大男です。

 しかし如何せん野心家なので、自分より幼いながら地位も高いフィーンに対して嫌悪感を抱いているのです。


《まあ、そう仰る気持ちも分かりますが。到着は明後日になるそうですよ》

「明後日!? 随分と急な話ですね……」

《私も驚いていますが、相手はヴァラカスなので……妥当かと》

「まあヴァラカスですからね……」


 何なんでしょう、この二人の共通認識は……?


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