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八重鏡  作者: 藤崎悠貴
たましいを守って
96/122

たましいを守って 3-2

  *


 セントラム城を出た二千人の兵士たちと皇女の一行は、限界の進行速度で進んでいたが、それでも皇国へ到着するまで一月以上の時間を要した。

 道中、問題らしい問題は起こらず、皇女クラリス、ニナトールの使者緑髪のミドリは兵士たちとも適度に打ち解けて、堅苦しい主従関係から、より本質的な信頼関係へと移り変わっていった。

 途中に起こった唯一の問題は、行程も半ばに達したころ――補給線も伸びきって、次の集落までも距離があるし、そもそもひとつの集落に二千人分の食料が用意できるはずもないから、荒野でひとつ動物でも狩って食料にするしかないという結論に達し、わあわあと騒ぎながら肉付きがよさそうな動物を追い回しているころに起こった。

 草もまばらな、赤茶けた土が露出した荒野で、騎馬集団と出くわしたのである。

 こちらも騎馬隊はあったが、多くは歩兵、好き放題に追い回されて、命からがら戦線を作って一銭交えるかというところまで進行したものの、結局は正行と面識がある騎馬集団だということがわかり、ことなきを得たのだった。

 それどころか、双方誤解が解けたあとはいっしょに酒盛りまではじめる始末、別れの朝には食料も分け与えられて、なんとか無事に集落まで到着し、セントラム城からの食料運搬を待つことができた。

 その後は皇国までまっすぐに、二ヶ月弱の行軍の末、夕焼けに沈む皇帝の国、すり鉢状の台座に城壁がそびえ立っているのを目視して、ようやく兵士たちはほっと息をついた。

 一方、そこから忙しくなったのが正行である。

 皇国の周囲には、すでに十万からなる多国籍軍が集っていた。

 グレアムの兵二千は、そこに最後に加わる集団だったのである。

 兵が到着するや否や、正行は休むひまもなく各軍の代表者との話し合いに出席しなければならなかった。

 その舞台となったのは、すぐ背後に控える皇国のなかではなく、その外に設営された野営、巨大な天幕の下である。

 いくつもの布を繋ぎあわせて作られた巨大な天幕で、なかには長方形の机がひとつ、それが周囲に百人から座れるような大きさで。

 椅子もずらりと並べられ、無人のままでもある種壮観だが、無論そこに屈強なる軍の代表者たちが参列したさまには敵わない。

 天幕のもっとも奥には、すべての軍の総司令官を務める皇女クラリスが座る。

 そこから連なる男たちのいかめしいこと。

 丸太ほどもある腕を組み合わせていたり、黒いひげを伸び放題にさせて顔の半分が隠れていたり、白髪痩躯だが目つきだけがやけに鋭く近寄りがたい雰囲気を醸し出す老人であったり、髪を短く刈りあげていかにも兵士的な力強さを持つ若者であったり。

 それがひとつの机にずらりと揃えば、足音のひとつさえはばかられるような、異様な緊張に満ちる。


「諸君、ご苦労であった。そして長く待たせて済まなかったな」


 クラリスは用意された椅子から立ち上がろうともせず、堂々と言う。


「これですべての戦力が揃い、翌朝にはニナトールへ向けて出発する。今夜は各国、そして各人の親睦を深める晩餐会である。存分に飲み、楽しむがよい。酒は皇国から運ばせる。兵士たちにも同様に振舞われるゆえ、気遣いはない」


 クラリスが杯を持てば、全員がそれに習って一斉に掲げた。

 当然、その場に参列している正行も杯を掲げるが、内心気が気ではない。

 というのも、正行が座っている位置というのが、クラリスにもっとも近い席、長方形の机の北端なのである。

 座り位置に明確な共通意識はないものの、クラリスがこの集団の長であるのは間違いない。

 そこにいちばん近い位置、というのは、当然臣下たちのなかでも順位が上という認識が成り立つのは自然のこと、事実正行も、なんだこの若造はという目に晒されながら、それを紛らわすためにぐいと杯を呷った。

 ほかの男たちもそれぞれ杯を傾け、なかは白濁とした強い酒だが、そのまま一口で飲み干す豪胆がほとんど、正行も無理をして喉を鳴らせば、杯を置くと同時に頭がぐらりと揺れる。

 それをきっかけに晩餐会ははじまって、次々と天幕に運び込まれる酒や食事、天幕内にはまたたく間に話し声が満ち、声を張り上げなければ相手に届かないほどで、それが余計に騒がしさの原因となっていた。

 椅子が鳴り、食器が鳴り、大口開けて笑う声、身振り手振りも大きく、となりにどんとぶつかるのにも笑い声が帰ってくる。

 食事は様々、国によって好みはちがうのだろうが、すべての文化が集結している皇国ふうの、肉は簡単に焼いただけ、野菜にはすべて火が通り、どろりとしたスープの基本は牛肉の出汁で、海のない皇国ゆえに魚は出ない。

 量は求めれば求めるだけ、皿は次々に入れ替わって、天幕の裏には飲み干されて空になった酒の樽がいくつも転がっていた。

 正行は半ば野太い声たちに埋没し、ひとりでぽつぽつと食事をしていたが、頃合いを見てクラリスが立ち上がって手を叩けば、男たちは一斉に口を閉じた。


「充分に場も温まったところで、軍の指揮系統について説明しておきたいのだが、よいかな」


 皇女が言うのだから、異論など出るはずもない。

 兵士たちの代表はそれぞれにクラリスを見つめ、食事の手も止めて、酒も留守に、天幕はしいんと静まり返る。


「まず、全軍の指揮は私が執る。異存はないか」


 自分の背丈よりもはるかに巨大な男たちを見下ろし、クラリスはひとりひとりの目をまっすぐと見つめた。

 背中へ流した銀髪がなくとも、その立ち姿に反抗できるものは限られているだろうと、正行はクラリスのそばで考える。

 もしひとの上に立つ天才というものがあるとすれば、それは疑いなくクラリスのことだと素直に納得できるような、クラリスの立ち振る舞いなのである。

 無論、だれひとり声を上げない。

 静寂の賛成を得て、クラリスは別段満足げでもなく、大きな瞳をくるりと回して傍らの正行に目をやった。


「次に、全軍の共通した参謀には、ここにいる雲井正行を任命する」

「はい……?」


 とか細く呟いたのはほかならぬ正行で、寝耳に水、口をあんぐりと開けて、手は杯を宙に浮かせたままでぴたりと止まっている。

 驚きはそこから徐々に伝播し、参列した全員が無言のうちに正行を見た。

 クラリスは、ようやくにやりと笑ってうなずき、


「ここにいる雲井正行の名を知っている者は多かろう。かの大学者ベンノの弟子、グレアム王国の頭脳である。まだ若いが、参謀としての役割は充分に果たせると私は見る」

「い、いや、あの、そんな話は――」

「クラリスさま、お言葉ですが」


 と正行の言葉を遮って立ち上がった男は、天幕に頭がつくほど長身の男、腕は正行の胴体ほどに太く、一本の大樹のような力強さがある。

 そんな男がぎろりと正行を見下ろして、


「雲井正行殿の名は、たしかに聞き知っておりまする。優秀な頭脳を持っておることは、クラリスさまもおっしゃるとおり疑いはないのでしょうが、果たして総合参謀という大役に的確かどうかには疑問が残りましょう」

「わしも同意見ですな」


 別の席でも立ち上がる男、


「いかんせん、若すぎる」


 それをきっかけに、男たちが次々と立ち上がり、机に前のめりで、


「そもそも、グレアム王国はたった二千の兵しか出しておらぬではないか。わが国は八千から出しておるのだ」

「それを言うなら、わが方は一万、兵士の数で決めるならわが国が第一席でなければ道理が通らぬ」

「兵の数で決められるような問題ではない。やはりそれにふさわしい人間でなければ、その資格はないであろう。全軍の行方を左右する大役であるぞ」

「だからこそ私は雲井正行を参謀に任命するのだ」


 クラリスは立ち上がった男たちをぐいと見上げた。

 切れ長の目に、澄んだ瞳が見つめると、まるで身長差が逆転して、はるか高みから見下ろされているような気分、男たちはぐっと喉を鳴らして押し黙る。


「これまで正行が行なってきた数々の行動を考え、私はやはり参謀にふさわしいと判断する。これは諸君ら全員に関わることである。もし無能な参謀のもとで作戦行動をとらねばならぬとなったら、まず犠牲になるのは諸君らの兵士なのだから。年功序列、あるいは出兵に参加する兵士の数で決めるほうがよいというなら、私はそれでもよいが、のちのちになってなによりも困るのは諸君ら自身ではないか」

「し、しかし、だからといって」


 と正行のとなりの男は、以前ぼんやりした表情の正行を見下ろし、


「あまりにも彼では若すぎるのではありませぬか。戦の経験も、せいぜい四、五度でしょう。そこへきてわれわれならば、多ければ百の戦場を経験している者もおります。それだけの戦を生き残った、それが有能の証明にはなりませぬか」

「なるほど、もっともである。では、もうひとつ、雲井正行を参謀に任命する理由をつけよう。彼は将来、私の夫となる男である。それほど私は彼の才能を買っておるのだ」


 これにはさすがの古強者たちも驚愕を隠しきれない。

 あたりを見回し、視線を交わして、クラリスの表情に冗談の欠片もないのを見てとると、自然に一同の視線は正行へと集中した。

 その正行は、とうとう持っていた杯をことんと机に落とした。


「わが夫というなら、諸君らも反対できまい」


 クラリスはにいと笑って、さっと裳裾を払って席に着いた。


「夫であるから無理に参謀を任せる、という心配は無用である。私が、そのような人間に見えるか?」


 男たちはゆっくりと首を振り、ぽつりぽつりと着席して、最後にはまた全員が席に着き、無言のまま。

 天幕のなかに掲げられた松明だけが、ぱちんと爆ぜて火の粉が散った。

 クラリスは何事もなかったかのように一同を見回し、


「ほかの指揮系統は、参謀雲井正行の指示をもとに諸君らがおのおのの兵士を指揮することとなる。さらに細かい指揮に関しては諸君らの慣例に任せることとする。雲井正行、あるいは私からの命令は厳守するように。さまざまな兵士が集まっておるため、なによりも重要なのは各々に勝手な行動をさせぬこと、ひとつの目的と命令のもとに行動することである。それは諸君らからも兵士へ伝えてくれ――では、食事の続きを楽しもう」


 無論、いまさらそんな空気でもないのである。

 いくつもの戦場をくぐり抜けてきた屈強な男たちの意識は、いまやひとりの若者に集中して、その若者はといえば周囲のことが目に入らぬようにぼんやりとクラリスを見つめている。

 あれほど騒がしかった晩餐会は、いまや見る影もなく静まり返り、ときおり食器を置く音が聞こえるくらいで。

 そのなかでただクラリスだけが一仕事やってのけたという満足げな顔、いかにもうまそうに肉を食らい、酒を飲む飲む。

 その細い身体のどこに蓄えられていくのかというような食べっぷり、飲みっぷりだが、顔が赤くなる気配すらなく、ただうっすらと浮かべた笑顔だけが時間を追うごとに濃くなっていくのだった。



 煌々と残月輝く朝方の、東の空も白んできたというころだが、正行は毛羽立った毛布にくるまって、薄汚れた天幕をぼんやりと見上げたままだった。

 眠ってはいないが、目を開けたまま夢を見ているような顔である。

 それが、なんのきっかけか、はっと気づいて飛び起き、


「寝てる場合じゃねえよ。なにしてんだ、おれ」


 毛布を傍らに投げ捨てて天幕を出れば、いましも顔を出したばかりの朝日がさっとあたりを照らしていた。

 朝焼けはなく、神聖にして澄明な白い光だが、手をかざすとじわりと熱く、陽光の偉大さを思い知る。

 いずれ紺碧の空に残る三日月も無慈悲な陽光にかき消されようが、それまだすこし先の話。

 正行は東から真横に差し込む朝日に目を細め、数百立ち並ぶ天幕を眺めた。

 俯瞰するなら、それはまるで昆虫の巣のよう。

 極めて密着して白い繭が並び、整然とはしていないところが怪しく映る。

 天幕の隙間、野営のなかには無数の松明が焚かれ、いまやその光より陽光のほうが強くなっている。

 正行は天幕のあいだを抜け、うろうろと彷徨い歩いた。

 兵士のほとんどはまだ眠っている。

 昨日の、出発前の宴会も盛り上がったようで、あの発言以降熱気というものがまったくなくなった首長会議とはえらいちがいだと正行は兵士たちを羨ましく思う。

 見張りがぽつりぽつりと起きているだけの朝、いくら歩いたところで出会える確率は低いが、その偶然は五分もしないうちにやってきた。


「早起きか――眠れなかったのか、正行」


 まばゆいのは朝日か、それともクラリスの銀髪か、振り返ったクラリスは起き抜けというふうでもない顔である。


「あ、あの、クラリスさま、ひとつ聞きたいことがあるんですけど」


 正行がおずおずと近づけば、クラリスは身体ごと振り向いて首をかしげ、


「なにかな」

「き、昨日のことですけど。その、おれが夫になるとかどうとか。どうしてあんなうそを?」

「あんなうそ、か」


 とクラリスは薄い唇に笑みを浮かべ、


「私は欲張りな人間でな。手に入れたいとかんじたものは、だれがなんと言おうとすべて手に入れる。そうでなければ気が済まぬ。しかし手に入れるというのは、与えられて満足する、という意味ではない。自らの力で手に入れるのだ。このちがいがわかるか、正行」

「はあ、まあ」

「私が今回欲したのは、勝利だ。この戦における絶対的な勝利。そなたは気づいておろうが、この戦はいくつかの点で重要な意味を持っている。まずひとつは、はじめていくつもの国が結託し、ひとつの目的のために出兵した、ということだ。国同士の小競り合い、そこに関係する同盟はあっても、大陸の皇国から以北の国々がすべてひとつになるというのは、過去にないことなのだ。これには大きな意味がある。それからもうひとつは、皇国がはじめてハルシャと明確な戦争をする、ということだ。いままで皇国は、ハルシャとの戦争を避けてきた――ハルシャが不遜にも皇帝を名乗り、当てこすりのように皇国の間近まで兵を進めても知らぬ顔をしてきたのだ。皇国の、皇帝の余裕といえば聞こえはよいが、実際はただの臆病であろう。ハルシャの大群は、もはや皇国ひとつでは抑えきれぬ。むしろハルシャとの講話へ動くことさえ考えられる。私は、そのような結末は好まぬ」


 毅然と胸を張り、クラリスは手に持っていた冠を銀髪に載せた。


「講話で決着をつけるなら、私はだれにも汚されたことのない皇女として首を切られたほうがよい。しかし皇国の意思決定はすべて父上、皇帝によって行われる。皇女たる私には出る幕はないが、しかし今回、ニナトールを支援するという名目で兵を動員することに成功したのだ。いまごろ父上は、驚いておられるにちがいない。ただ兵を出すだけだと思って許可したのが、これほどの大群となり、私が直接に指揮をとるのだから」


 クラリスはくすくすと楽しげに笑う。


「これで皇国とハルシャは明確な敵対関係に陥った。もはや講話は望めぬ。ニナトールを介して行われるのは、皇国とハルシャの擬似全面戦争なのだ。だからこそ、私はなんとしてもこの戦に勝利しなければならぬ、勝利がほしい。それにはそなたの力が絶対必要だと判断した。そなたの導きによって、兵ははじめて生を得るのだ」

「過大評価だ」


 正行は眉を潜めて呟く。


「そなたは過大評価されるだけの結果を残してきたのだ。そなたなくして戦の勝利はない、というのが私の判断だ。しかしそれをすべての人間に理解させるのはむずかしい。そのためにはやはり、私の婚約者としておいたほうがなにかとよかろう。皇族の関係者、それも皇女の夫の意見となれば、ほかの人間も無視はできぬ」

「代わりに、あなたはおれと結婚しなくちゃいけなくなるんですよ」

「それも目的のひとつである」


 クラリスは嫣然と笑う。


「言っておくが、私は正義の味方ではないぞ。目的を達するためなら、いくらでも犠牲を出す。今回でいえば、私の目的は皇国とハルシャを後戻りできぬ位置に引っ張りだすこと。ニナトールの行方など、興味もない。ただ目的を達成する過程で、おそらくニナトールを救うことになるであろうというだけだ。昨晩、もしほかの首長があくまでそなたの起用に反対するというなら、あの場で全員の首を落とすこともできた。もっとも、そなたとの婚約を発表するという、さらに効率的な方法を選んだが――そしてもちろん、そなたの意志など私には関係ない。そなたが私との結婚を望むか否かなど、昨日の天気予報同様に価値のないことだ。そなたは私と結婚する、そなたが望んではおらぬとしても。それとも、皇女たる私の命令に逆らうか?」


 クラリスの言葉はほとんど刃物のように鋭く、正行の首元に突きつけられた。

 ここで逆らうといえば、正行だけではない、グレアム王国そのものが皇族に歯向かうことになる。

 それも見越して、クラリスは言うのである。

 正行は眉をひそめ、泣き顔のような表情で半歩後ずさった。

 クラリスはからかうように笑って、


「心配はいらぬ。そなたに、一皇女の夫となれというのではない。私は将来、皇帝になる。いまの冠は、古いおもちゃのようなものだが――」


 とクラリスは細い銀製の冠を外し、それを正行にひょいと投げる。


「やがて、この頭には本当の王冠が冠せられる。そなたは皇帝の夫となるのだ」

「おれは、そんな人間じゃありません。皇帝の夫なんて――まだこの世界へやってきて一年しか経っていないんだ」

「では、そなたは好きに振舞うがよい。私がそなたを選んだのであって、そなたが私を選ぶのではない」


 正行は渡された冠を手のなかで弄び、わずかにクラリスのぬくもりが残るのを、無意識に指で撫でている。


「結婚とはすなわち所有である。私はそなたを所有する。代わりに、そなたは私を所有する。私はそなたを好きなように利用できる権利を有するし、そなたは私を好きなように弄ぶ権利を獲るのだ。決して悪い話ではないと思うがな」


 繻子織りのドレス、裳裾をさっと振り、銀髪をなびかせてクラリスは正行に背を向けた。

 東の空には、もう白い太陽のすべてが現れ、強い日差しがクラリスの横顔を輝かせ、輪郭を白く曖昧にぼかして、神々しくすらある。


「さて、朝だ」


 クラリスは言った。


「すべての兵を率いて、ニナトールを救い、ハルシャを討とうではないか。空は晴れ、われらの背には太陽がある。幸先はよいぞ」

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