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角は4人いると丸まらない

朝ーー。

1年の教室の後ろの席はいつも通り、うるさすぎた。


ざわざわと他愛もない雑談をしていた4人。その話の途中でゴソゴソとひかりが筆箱の中をあさり、とあるブツを取り出す。


「ねぇねぇー、みんな消しゴムって、どこから使う?」


「またまた変な疑問きたし」


ひかりが取り出したのは『keshikeshi』とデザインされた消しゴムだった。今日、その声に真っ先に反応したのは、一だった。


「ひかりー、またどっかの変なアニメ見たでしょー」


「ノンノン!消しゴムをどこから使うのかは、むかしっからの人間の三代難問なのだよー!」


「消しゴムで人類が悩んでたまるかー!」


「えー、だって『秘密結社ツミヒーによって明かされた人類が進化するための三大難関!!』って本に書いてたのにー!」


俺のツッコミなんかじゃ止まらないのが彼女である。急に例の本を取り出してアピールしてくるひかりを、翔が落ち着かせて席に座らせる。


「じゃー、、、まず一から!」


「え?えっ、、、と、やっぱ角?」


「うわー、あんた角なんだ。」


「角以外なくね?」


話題を振られて答えた一だったが、ひかりが文句を言ってきたのに、少しキレ気味で返す。その質問に対して、へっへんというように鼻をさする。


「もちろんー、平面からでしょ!」


得意げにひかりが話しているんだが、平面で消すなどという、消しゴムの開発者が絶対に推奨しないであろう(世界でこれを推奨する人間がいるのだろうか)平面部分を使うという発想は、まともな人間には考えつかないほどの愚行であろう。


「あと偏見だけどさー、角使いは性格が細かい」


「魔法使いみたいに言うのやめろや」


止まらないひかりの世界が展開されているので、ツッコミをせずにいられなかった。


「そして、平面使いは雑ー」


「なんでんかんでん偏見持つなよ。まあ、平面から使うみたいな捻くれた人間なんていないだろう、、、」


そんな、平面から使う人いないだろう。と思っていての発言だったのだが、俺の前の方を見てみると翔が恨むような顔で俺を見てくる。


「捻くれた、、、ですって?」


「かっ、かけるさん、まさか平面から?」


3人とも驚いて翔の方を見る。その3人から目を逸らし、コクッと小さく頷き口を開いた。


「あのね!平面の方が広い面積消せていいんだよ!平面に文句あるなら言ってもらえるー?」


「おっほん、デメリットその1『圧力の分散』その2『摩擦抵抗の増大』その3『消しかすのつまり』、ほらな上げられるだけで主に3つある」


一の論破がはじまった。どんどん翔に迫りながら論破が進められていた。その論破のせいで翔が負けてきている。


「まあまあ2人とも、そんなことはさておき実践よ実践」


珍しくひかりがツッコミに入る。


「実践?」


「私が今日この時のために持ってきた消しゴム2こ、これで角と平面で次の授業で使ってみるの!」


角と平面なんなら2つ用意しなくても1つでよかったんじゃないかと思いつつ、渋々了承した。2人はまだ何やら論争をしていた。


授業中ーーー。


授業前のじゃんけんの結果、俺が平面を使うことになった。


「なんでおれが平面、、、」


なんて言ってもしょうがないので、実際に間違えてしまった箇所を平面で消してみようと試みる。見事に摩擦が発生し消しにくい。なかなか綺麗に消せなくてストレスが溜まる。


「がっっっちでこれくそだ」


「あらら、悠斗苦戦してるねー」


「だれのせいだよ」


イライラしている俺にひかりがちょっかいをかけてくるので、もっとイラついて紙を強く消しゴムで擦った。すると、、、ビリビリビリっと破れてしまった。


「どっあ!やば!」


ノートが破れてしまって、つい大きな声を出してしまったので、後で先生に怒られてしまった。



授業後ーー。


「先生に怒られてやーんの」


「誰のせいだか」


さっきの失態に対してひかりに笑われてしまった。成績云々より、ひかりに笑われたことが悔しい。


「んでんでーどーだった?」


ひかりは興味津々に結果を聞いてくる。後ろの2人も耳を傾けてきた。


「くそだ!あれほどクソな消しゴムは会ったことない!◯ou◯ubeとかでやってる買わなければよかった文房具ランキングに入っている消しゴムなんかよりも断然クソだ!」


授業中に溜まっていたイライラ一気に溢れ出てしまった。


「途中から、あんなゴミみたいな使い方するの、消しゴムに申し訳ないと思わんのかと悲しくなったよ!」


なんていう愚痴をずっと続けている俺を見ながら、一とひかりは少し不安げな表情をしていた。


「あのー」


「悠斗、、、」


俺は2人のその声にも耳を傾けず、愚痴を続ける。そんな俺は、後ろで不敵な笑みを浮かべながら見つめる翔のことも気づくはずがなかった。その後どうなかったかは、、、まあ、ご想像にお任せします。


今日の4人はうるさくなかったが

角を使えないと俺はうるさい

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