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勉強会は正解するとうるさい

期末テスト、それは全国の学生が経験することであり、「私勉強してないー」という単語にどれだけ騙されたことか。勉強のできるやつ、できないやつで過ごし方が大きく違う、それが期末テスト期間なのだ。


「私、明日からテスト前部活休みなんだよ。やっとまとまった休みが取れるー」


「みんなで遊ぼうよ!」


「バカか、ちゃんと勉強しろよ」


この学校では、全部活動がテスト1週間前には休みになるという決まりがある。そのためか、部活動生の大半が勉強を疎かにすることはなく、しっかりとテスト勉強に臨んでいる。


「あ、じゃあさじゃあさ、みんなで勉強会しようよ!」


「おお、ひかりにしてはいい提案じゃん」


ひかりからは中々聞けない良い提案だったので、一も賛成した。俺と翔も特に意義はなかったので賛成することにした。


「じゃあ、どこでするかだけどー」


3人で俺の顔を見てくる。その意図を察するのに時間がかかったが、おそらく俺の家を使わせろという視線だろう。


「図書館とかでいいんじゃないか」


「図書館は静かすぎて無理!」


「うんうん、そうだな」


すでに3人の意見は、俺の家で固まっているのだろう。部屋を片付けるめんどくささがあるが、ここまで言われたら断るわけにもいかない。


「しょうがないな、今週の土曜日なら大丈夫だぞ」


「やった!」


「久しぶりの悠斗んちだー」


一は近所なので、たまに弟を連れて家に遊びにきたりするが、ひかりと翔は中学2年のとき以来遊びに来ていない。澪に会うのも久しぶりだろう。


「澪ちゃんに会うの楽しみだなー」


翔は小学生から澪のことをかわいがってくれている。自分に妹がいないからか、妹として接してくれているほどだ。


「それじゃあ!みんな土曜日の9時に悠斗んち集合ね!」


「早いな!」


休日に9時から勉強とかどれだけやる気なんだ、と感心していたが、悪い予感もしていた。



土曜日ーーーーー。

俺は7時ごろに目を覚まし、自分の部屋の掃除をしていた。ゴミが散らかっているというわけではないが、少しでも綺麗にしないとひかりに何か言われる未来が見えるので、片付けをした。


「にい、おはようございます。朝から元気ですね」


部屋のドアを開けて入ってきたのは澪だった。まだ土曜日の朝7時、寝ていてもおかしくない時間だ。


「悪い、起こしちゃったか」


「いえ、おもてなしをするので、この時間に起きようとしていました。」


今日の澪は、久しぶりにひかりと翔に会えるという「喜び」と、俺が友達を家に連れてくるという「喜び」の二つでやる気になっている。


「にいのお友達である、ひかり姉さんと翔姉さんには、最高のおもてなしをしないとですもの」


「一を忘れているぞー」


「あの人は散々会っているのでいいです」


今回のおもてなしを受けられない一には、ドンマイとしかかける言葉がなかった。


部屋の片付けを終わらせてゆっくりしていたら、インタンホーンが鳴った。時間を見ると9時前だ。急いで階段を降りて、玄関のドアを開ける。


「やっほー!!」


「お邪魔します」


「よう」


ぞろぞろと一斉に入ってくる。ひかりと翔は手土産のようなものを渡してくれたが、一は散々来ているので軽くジュースだけだった。


「みなさま、ようこそ。それではにいの部屋で待っていてください。」


「ありがとう、澪ちゃん♡」


その澪の仕草に、翔の目はハートになってしまっている。


「久しぶりに入ったなー。これは、、、掃除したね」


「ま、まあな」


いきなりひかりにバレた。幼稚園からの仲だから、俺が掃除が少し苦手なのを知っている。朝頑張って綺麗にしたことに気づかれた。気を取り直して、早速勉強に取り掛かった。



「失礼します」


コンコンとドアをノックして入ってきたのは、エプロンを身につけて、飲み物とお菓子を持ってきた澪だった。


「うわー!澪ちゃんかわいいいい♡」


「うわぁ!翔姉さん、ジュースがこぼれますー!」


あまりのかわいさに翔が抱きついてしまった。手に持っていたお菓子類が落ちそうだったので、翔を落ち着かせた。


「ごゆっくりしてください」


ジュースとお菓子を机に置き、澪は俺の部屋を出ていった。あとでエプロンの感想を言わなければ拗ねてしまうだろうから、ちゃんと言おうと思った。


「それじゃあ!始めようか!」


ひかりが勢いよく数学の教科書を開く。パラパラとめくって止まったページには「二次関数」と書かれていた。


「二次関数かー、私苦手」


「俺も俺もー」


翔と一もできないとアピールし、3人の視線が俺に集まる。やっぱり俺になるのか、と呆れた。このパターンは中学生のときからずっとだ。


「えっとな、、、」



勉強を始めて3時間、現時刻は12時をまわった。


「だから、ここが5になるんだ!」


「ちがーーーう!!」


翔と一は、教えたらすぐできたが、ひかりは3時間ずっと教えても全くできない。しかも、躓いているのは二次関数の基本の基本だ。


「俺の、、、3時間、、、返せ」


教えては間違え、教えては間違えの繰り返しが3時間続いていたので、脳がパンク寸前だった。


「みなさん、お昼持ってきました」


「そこまでしなくてもよかったのに」


「いえいえ、私が翔姉さんたちに、おもてなししたいからしているのです。」


翔やひかりに喜んで欲しくて、自主的にしているのだろう。尊敬しているからこそおもてなしをしているのだ。


「それじゃあ、食べながらやるか」


やらないことには進まないので、時間がかかってもいいので始めることにした。



時刻は午後5時、ひかりが真剣に問題に挑む姿を俺たち3人は見守る。


「解けた!答えは7!」


「正解は、、、、7!」


「やったーーーー!!」


俺たち4人の表情が緩む。ほぼ一日かけて二次関数の問題を一問解くまでに成長した。俺たちの歓喜の声を聞きつけ、澪も部屋に入り、みんなで喜んだ。そのあと6時ごろまで勉強し、みんなそれぞれ家に帰って行った。


「もう帰ってしまいましたね、、、」


その後の喪失感なのか、澪は少し悲しそうにしていたが、エプロンが似合っていた話をしたらとても嬉しそうにして、機嫌が戻った。


その後の数学のテストでは、ひかりは二次関数の問題をなんと一問も解けなかったらしい。またこれは次のお話で、、、



二次関数は解けるとうるさい

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