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デートは妹がいるとうるさくない

悠斗はかなりのシスコンであり、澪はかなりのブラコンである。この2人は中学生の時から、シスコンブラコン同士とひかりたちにいじられている

「にい、おそいなー」


今日は放課後、澪ととある店に行く約束をしていた。高校の正門の前で澪は待っていたが、その容姿端麗な見た目に、正門を通る男子たちの目が奪われていた。


「おーい、ごめん待たせた」


「にい、遅いです!」


予定の時間は5時だったが、既に5時半をまわってしまっている。全てはあの先生と先輩のせいだ。澪の怒りが目に見えてわかる。


「ごめんごめん。ちょっと用事があって」


「まさか、彼女さんですか?」


「そんなわけないだろ」


澪のこのいじりはよくあることだ。俺にずっと彼女ができないのをいいことに言われまくる。


「それじゃあ行きましょうか」


「おう」


そう言って俺たちは、学校を後にした。いつものコンビニを過ぎ、家の前を過ぎ、駅に着いた。


「にい、切符を買ってきますね」


「ひとりで買えるか?」


「私だって中学生です。切符くらい1人で買えます」


切符を2人分買いにいく澪の後ろ姿を見ながら、成長を実感した。つい最近まで一緒に寝ないと怖いとか言って泣いてたのに。


「にい、行きましょう!」


そんなことを考えていると、手際よく切符を買って戻ってきた。


「その手際、練習したな」


「バレましたか。にいと一緒に買い物する時間を少しでも長くしたかったのです」


そのかわいさは、いつも甘くはない俺もさすがに甘くせざるを得ないほどだった。


「あ、あそこです!」


ホームに降り、澪が指した3番ホームのドアの前に立つ。少し待つと電車が走ってきて、アナウンスと共にドアが開いた。帰宅ラッシュの時間帯なので、たくさんの会社員と思われる大人が出てきた。はぐれないようにしっかり手を繋いだが、少し澪は照れくさそうにしていた。降りる人が減ってくると、俺たちは電車に乗り、会いてる席を見つけて座った。


「にい、手を繋いだの久しぶりですね」


「あ、ああそうだな」


上目遣いであんな顔をされたら全人類が惚れてしまうだろう。


「それにしても、今日はどこに行くんだ?」


「今日は、今ネットで話題の新宿のハリネズミカフェにいきます!」


中学生というのは、話題になっているものがあればそれに乗っかりたがる年頃だ。かつてのひかりがそうであったように。


「そのカフェは、まさかのハリネズミと触れ合えるんですよ!」


澪の目がキラキラ輝いていた。澪はものすごく動物が好きで、自分の部屋にヒョウモントカゲモドキという動物を飼っている。俺もどういう生き物なのかよくわからない。


「ハリネズミか、かわいいんだろうなー」


ハリネズミの癒し感を想像していたら、隣からなにやら怖い視線を感じた。


「にい、ハリネズミがかわいいんだね」


おそらくハリネズミがかわいいと言ったことに対して嫉妬してしまったのだろう。いつもの敬語がなくなってしまった。


「ハリネズミがかわいいのはもちろんだけど、澪の方がかわいいぞ」


「にいったら、んもう」


澪は今日いちばん顔を赤くして照れていた。俺には女たらしの才能があるのか、などと勘違いしたし、周辺の人たちからの視線が痛くて、恥ずかしかった。


「ほ、ほら着くぞ」


「そうですね」


焦って降りる準備にはいったからか、鞄の中身をばら撒いてしまった。拾いながら、周りにクスクス笑われているのが恥ずかしかった。


電車を降り駅から出た先に見えたのは、大きなビル、たくさんの人が歩いている新宿だった。俺が住んでるのも東京だが、田舎の方なので、やはり圧巻される。


「にい、この先の角曲がったらあります」


そう言って、駆け足で店の方に向かう。さっきのことはあまり気にしてなさそうでよかった。澪を見失わないように急いで追いかける。


「にいにい!ここですここ!」


澪が指している店を見ると、看板に「ハリネズミカフェ」と書かれている。どんだけストレートな店名だよとツッコミたくなった。


「うわぁー、たっくさんいます!」


「初めて来たけど、すごいな」


席につき、澪はオレンジジュース、俺はカフェラテを注文し、早速机にハリネズミが運ばれてきた。針が刺さらないように手袋を付けてからそっと触るらしい。


「うわーかわいいです。にいみてみて!」


「見てるよ。意外と大きいんだな」


ハリネズミを手に抱えながら、ニコニコしてこっちを見る澪が、かわいすぎたからつい写真を撮ってしまった。


「あー!にい、勝手に撮りましたねー」


「ごめんごめん、かわいすぎて」


「もう、にいったら、、、今日は積極的ですね」


周りの人からしたら明らかにカップルの会話だったので、注目を集めてしまった。


「そろそろ帰るか」


「ああーっ、ハリネズミちゃんがー」


もう7時近いのでもう帰らなければならないのだが、少しだけ澪がごねて、帰らせるのが大変だった。俺たちは店を後にして、帰りの電車に乗った。


「今日は楽しかったですね、、、」


「そうだな、、、って澪?」


はしゃぎ疲れてしまったのか、俺の肩に頭を乗せて寝てしまった。不覚にも、かわいすぎたのでまた写真を撮ってしまった。


「まったく、、、俺も今日は楽しかったよ」


今日一日のおかげで、少しだけ心が落ち着けた気がした


妹といると俺はうるさくなくなる

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