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休日は4人いるとうるさい:前編

まだ寒さが体の芯を冷やす朝。俺はベッドの上で目が覚めた。時刻を確認すると、7:00。土曜日である今日は、俺たち4人で遊ぼうと約束していた日だ。


「集合は、、、9時だったけか」


ベッドのから起き上がり部屋のドアを開ける。対して学校と時間は変わらず、階段を降りて、顔を洗い、朝ごはんを食べる。今日は部屋を出たところで澪に遭遇した。


「にい、おはようごはいまふ」


「おはよう澪」


パジャマ姿であくびをしながら眠そうにしている澪は、俺に挨拶してから一緒に階段を降りて、リビングへ向かった。


「にいは、今日ひかりさんたちとお出かけされるのですよね?」


「うん、そうだよ。」


「それでは、にいのお洋服を私が選んで差し上げますわ!」


澪は手を合わせて、満面の笑みを浮かべていたので、断る気にもならなかった。リビングのドアを開けると机の上に並べられたのは目玉焼きが乗ったトースト。トーストが毎回の朝ごはんだ。席に座り、母特製のスムージーを胃に流し込む。


「そういえば、父さんいないね」


「あの人、今ニートだからってダラダラ休日を過ごしてるのよ」


「だらしないのです!」


父はこの間、仕事を辞めさせられて今現在ニートなのだ。自分の娘にここまで言われる親というのはなかなかいないだろう。


「それより、さっさと食べちゃってー。悠斗はひかりちゃんたちと9時に待ち合わせしてるんでしょ」


母に催促され、一気にトーストを口に入れ、スムージーで流し込んだ。ごちそうさまと手を合わせてから自分の部屋へ向かった。


「にい、部屋入っても良いですか?」


部屋で準備をしていたら、澪が訪ねてきた。おそらく先ほどの服を選ぶという件だろう。


「にいの服はこれで全部ですか?」


「制服とかは除いてこれがぜんぶだよ」


俺のありったけの服をベッドに全て広げてから、澪はうーんという仕草と共に厳選を始めた。澪が悩み始めてから数分後、その服の山から Tシャツとズボンを一つずつ取り出し、俺に見せた。


「これです!これがいいと思いますわ!」


澪が選んだのは上は白いTシャツ、下は少し明るめのジーパンだった。


「ありがとう澪。これにするよ」


そういって澪を一度部屋から出してから着替え始めた。着替え終わると澪を呼び、俺の姿を見るととても嬉しそうにしていた。


「にい、すごく似合っています。これで完璧ですね」


こんなにも俺のことを大切に思ってくれているのだと再確認し、俺もこの子のために生きていこうと誓ったのだった。



時間は過ぎ、待ち合わせの約束の時間である9時を回った。俺は一と家の前で合流し、時間に間に合うように一緒に来て10分前には集合を完了させていた。


「おーい、ふたりともー。ふたりさすがに早いねー」


「あれ、ひかりは一緒じゃないのか?」


翔が俺たちに向かって手を振りながらこちらに来たが、ひかりがまだ来ていない。待ち合わせの時間から10分が過ぎた。ひかりがこのような待ち合わせの時間に間に合わないのは珍しいことではないので、特に気にはしなかった。


「お、おーい。ごめん待たせたーー」


そう言って駅と逆の方から駆け足でこちらに来たのはひかりだった。この時点で、時計の時刻は9時30分になっていた。


「相変わらず遅すぎだろ」


「悠斗ごめーん。朝起きようと思ったら、目覚まし壊しちゃって二度寝してた。」


そんなこと本当にあるのかと思いつつ、仕切り直して、今日の目的地に向かって俺たちは歩み始めた。


俺たちが今日来たのはショッピングモールだ。ここは俺たちの街で1番大きく、いろんな店が入っている。ひかりと翔がここでショッピングをしたいと言い出したのが事の発端だ。


「久しぶりに来たけどおおきいねー」


「俺も去年振りかもなー」


「私は最近ママときたよ。悠斗は?」


「俺は先週、澪がどうしてもここのカフェ行きたいって言ったから2人来たな」


「あんたらカップルかよ」


俺と翔以外の2人は久しぶりに来たらしい。街の有名な場所といえ、街の人自体はそんなに頻繁にくる機会はないのだろう。


「まあ、さっそく行こ!」


ひかりに誘導されるがまま、俺たちはその後をついていく。エスカレーターで3階まで上がり、すぐ目の前にあった店、看板には「fluto」と書いてある。


「ここ!ここのお洋服がとってもおしゃれなの!」


久しぶりのテンションの上がり具合。ひかりはおしゃれをすることが好きで、たくさんの服屋を知っている。


「ねえねえこれどう?」


「うん、似合ってると思うよ」


ひかりが選んだのは、少し肌の露出が多すぎるのではないかと思うほどの服だったが、ここで本音を言ってしまえば機嫌を損ねてしまい、この後も大変になると思ったからあえて肯定した。


「んー、ちょっといやらしい目で見られてしまうんじゃないか?色もちょっとひかりの雰囲気に合わないし、そもそもこの時期にその厚手のシャツは暑すぎるんじゃないか?」


一が得意気に感想を話すたび、ひかりの顔から明るさがなくなっていくのがわかる。


「ふ、普通に引くわー」


ひかりがガチドン引きしているのがよくわかる。一はこういうのはしっかり言ったほうがいいだろうと思っての感想だったらしいのだが、可哀想だ。


「え、俺悪い?俺本音をちゃんと言っただけ、、、」


「本当は誰も悪くないのだが、あえていうなら今回はお前が悪い」


ここで先のことを考えて言葉を選ぶ力がなかったという点に関しては、一が悪かったのかもしれない。ほんとの本当は誰も悪くないのだが。


「お、おれ、ゲーセン行っとく、、、」


「一、、、元気出せよ」


とぼとぼと情けない背中をこちらに向けてゲーセンに向かう一を俺とひかりは見送った。その後、なんとか一を回収し、ショッピングモールを後にしたのだった。


今日の一は静かだった

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