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恐怖のトイレ

深夜のトイレは怖い

 小向亜矢子たちは、ぞろぞろと店から出てきた。

 

 道には、ほとんど人通りがない。

 数件の飲食店には明かりがある。

 しかし、それ以外のビルの明かりは消えていた。

 道路に沿って並んでいる街灯の明かりが、かえって寂しさを増している。

 ここ中沼市は関東東北部に位置している。

 田舎なのだ。

 夜10時すぎになると、市の中心部ですらも人通りがなくなるのであった。

 

「じゃぁね」

「気を付けて」

「また、明後日」

「明後日は、30分早いよ」

「ナースステーション集合でしょ」

「分かってるって」

 こうした挨拶をしながら、三々五々、分かれていった。

 小向亜矢子は、大平千晶といっしょに歩き出した。

 途中まで、同じ方向なのだ。


 小向亜矢子は大正緑林大学看護学部の3年生である。

 今日は、仲間たちと焼肉を食べに来たのであった。

 授業や実習で、かなりきつい毎日である。

 土曜日くらいは、気分転換したい。

「ねぇ、中沼に焼肉店が出来たよ」

「かなり安いって、話じゃない」

「よし、行ってみよう」

 というわけで、今日、焼肉店でパーティーを開いたのである。


 大平千晶は、歩きながら、独り言のように声を出した。

「あの肉、少し固かったなぁ」

 小向亜矢子が言った。

「安い店だもの、しょうがないじゃない」

「そうね、まぁ、確かに安かった」

「何か、暑いね」

「熱帯夜じゃないの」

「今年の夏は、平年より暑い、ということだよ」

「あと、1年半かぁ」

「勉強と実習、だんだんきつくなるね」

「しかも、最後に国試があるよ」

「受かるかなぁ」

「大丈夫だよ」

「がんばろうね」

「うん」


 2人は広い通りの交差点に出た。

 ここで、別れるのである。

 小向亜矢子は、中沼の駅からローカル線に乗り、母の待つ下宿へ帰る。

 大平千晶は、すぐ先のバス停からバスに乗り、大学の寮へ帰るのであった。

 小向亜矢子が言った。

「じゃぁ、また、明後日」

「うん、さようなら」

「気を付けてね」

「亜矢子もね。なにしろ、屍食鬼が出るから」

 小向亜矢子は笑いながら答えた。

「緑の怪物、怖いよねぇ」

 大平千晶も笑いながら言った。

「屍食鬼はともかく、赤鬼は本当だよ」

 大平千晶は、小向亜矢子を見た。

 小向亜矢子は、ノースリーブの薄いセーターを着ている。

 身体つきは、すこし太めで肉感的なイメージもある。

 そして、可愛らしい丸顔である。

 赤鬼にとっては格好の獲物であろう。

 小向亜矢子は、にこやかな顔で言った。

「うん。気を付けるよ。千晶もね。じゃぁ」

「じゃぁ、バイ」

 小向亜矢子は、1人で、中沼の駅へ向かって歩き始めた。


 屍食鬼と赤鬼。

 これについては、説明が必要であろう。

 この市の近隣で、1年ほどの間に、女性が乱暴される事件が多発していた。

 都合、11人もの女性が襲われたのである。

 そして、とうとう、殺人にまで発展してしまった。

 抵抗しようとした女性が、首を絞められて殺されたのである。

 もちろん、非常に冷静に考えれば、これらの事件が1人の犯人によるものとは断定できない。

 別々の事件を、すべて1人の仕業と、思い込んでいるのかもしれないのだ。

 警察が調べても、同一犯人の犯行である、と断定できなかった。

 しかし、住民たちは、そう冷静に考えなかった。

 1人の凶悪な男が徘徊して女性に乱暴いしている、と信じ込んでいた。

 そして、犯人には”赤鬼”という名前が付けられた。

 この地方にある伝説が名前の由来である。

 昔々、山の中に棲む赤鬼が村人たちに乱暴を働いた。

 そこに通りかかった偉い僧侶が鬼を退治した。

 こういう伝説だ。


 ところが、である。

 これは、赤鬼というあだ名の人間ではない――。

 実際に人間を取って食う屍食鬼が、うろつき回っているのだ――。

 女を乱暴し、その後、食べてしまうのである――。

 それが証拠に、この市の近隣で、3人もの女性が行方不明になっているではないか――。

 このように、話が進んでしまったのである。

 もちろん、非常に冷静に考えれば、行方不明の人間がいる、というのが証拠になることはない。

 家出とか夜逃げなど、行方不明になる理由は沢山ある。

 しかし、屍食鬼がうろつき回っている、という噂は、あっという間に広まってしまった。

 2メートルを超える緑色の化け物を目撃した、という話まで出てきた。

 社会問題になってきたので地元の新聞社が調べてみた。

 その結果、屍食鬼の噂の出所は、ある高等学校であった。

 高校生たちが、ネットゲームに出てくる屍食鬼を実際の事件と結びつけたのであった。

 面白がって、それを、友達どうしで話しているうちに、どんどんと広がっていったのである。

 いわゆる都市伝説なのであった。

 しかし、新聞社がこうしたことを発表しても、屍食鬼の噂が静まることはなかった。

 そしてなにより、若い女性が何人も乱暴されたのは事実なのだ。

 

 小向亜矢子たちの、焼肉屋での女子会でも屍食鬼の話が盛り上がった。

 屍食鬼は黒っぽい緑色をしている――。

 眼は、血のように赤い――。

 2本の長い角がある――。

 尻尾は、先が3本に分かれている――。

 こうしたことを、がやがやと話していたのである。

 もちろん、彼女たちは、屍食鬼を信じているわけではない。

 馬鹿話として盛り上がっていたのである。

 なにしろ彼女たちは看護学校の学生である。

 屍食鬼が人間の腹を食い破る描写を事細かに話し合った。

 心臓と肝臓を取り出して、腸が長くて……。

 こういうことを、大声で話して、ゲラゲラと笑った。

 周囲の客の顰蹙を買ったものである。


 小向亜矢子は、人通りのない道を歩いていった。

 広い車道にも車は走っていない。

(あれ?)

 小向亜矢子は腹が気になった。

 腹がゴロゴロと鳴っているのである。

 腹の中には、3人前の焼肉と、ビール2杯、ウーロンハイ4杯が入っている。

(焼肉が当たったかな)

 値段が安い店であった。

 品質の悪い肉を使っていたのかもしれない。

(あんな不味い焼肉、食べるんじゃなかった)

 腹の調子が一段と悪くなってきた。

(うっ、これはヤバいぞ)

 小向亜矢子は周囲を見回した。

 トイレはないかな?

 道の両側はビルばかりであった。

 入り口にはシャッターが降りている。

 ビルへ入りトイレを借りることが出来ない。

 歩き続ける。

 道が湾曲し、その先に駅が見えてきた。

 駅前にはコンビニがあることが多い。

 コンビニならばトイレがある。

 しかし、駅までの道は、街灯が照らしているだけであった。

 コンビニの明かりは見えない。

(焼肉……、食べるんじゃなかった……)

 小向亜矢子は小走りになった。

 出来ることなら走りたい。

 でも、走ると漏れそうなのである。

(駅、トイレ、頼む、保ってくれ)

 小向亜矢子は、駅のトイレの位置を、思い出していた。

 中沼の駅は、あまり利用したことがない。

 よく覚えていないのである。

 しかし――。

 何しろ、生理的緊急事態である。

 小向亜矢子は、必死で、トイレの位置を、記憶の底から思い起こしていた。

(ええと、確か……)

 駅が、次第に近づいてきた。

 ハンドバッグからスマホを取り出す。

 改札へ着いてから、ハンドバッグを開けてスマホを取り出す、という悠長なことをしている暇はないのだ。

 秒速で改札を通過しなければならない。

(あっ)

 トイレの位置を思い出したのである。

(ちきしょう)

 トイレは、反対側のホームにあるのだ。

 こちら側のホームから、跨線橋を渡り、向こう側へ行かなければならない。

 駅に着いた。

 小向亜矢子は、スマホをかざし、改札を通った。

 ホームから、階段を目指す。

 階段を登る。

 跨線橋を進む。

 階段を降りる。

(もう直ぐよ。直ぐだからね)

 お尻に手を当てて、小走りで進む。

 もし、人が、小向亜矢子の珍妙な姿を見れば笑ったであろう。

 だが、夜のホームには、だれもいなかった。

 トイレの位置を示す矢印が眼に入った。

 それは、看護師国家試験合格証よりも、まぶしく輝いていた。

(よし、もうすぐだ)

 矢印のところにたどり着いた。

(ちっ)

 まだまだ、苦難は続くのであった。

 トイレの入り口と思ったのは、渡り廊下だった。

 10メートルほどの渡り廊下である。

 その渡り廊下の先がトイレなのである。

(くっ……、まだ、まだ、出ないで……)

 ようやく、女子トイレのドアにたどり着いた。

 ものすごい勢いでドアを開ける。

 個室が並んでいる。

 もちろん、最短の個室へ入ろうとした。

(あっ)

 便器が壊れているのであった。

 次の個室。

 そこは、汚物で汚れていた。

(もう……、このう……)

 小向亜矢子は、一気に、いちばん奥の個室へ向かった。

 いちばん奥ならば、あまり使われていないだろう。

 だから、壊れてなく、汚れてもいないだろう。

 差し迫る便意の中で、異常に敏感になった思考回路で、こう考えたのである。

 果たして――。

 そこはきれいであった。

(出る……、出る……)

 小向亜矢子は、ドアを閉めるのももどかしく、スカートを脱ぎ始めた。

 こういうときに限って、チャックが引っかかる。

(ええい、もう……、出ちゃう……)

 チャックが動いた。

 スカートを下ろす。

 ショーツを下ろす。

 腰を下ろす。

 この一連の動作は、オリンピック選手級の早業であった。

 お尻が便座に付いた。

 そのとたん発射したのであった。


 小向亜矢子は大きなため息をついた。

 危機一髪とは、このことであろう。

 ようやく落ち着いた小向亜矢子は、握りしめていたスマホで電話した。

「もしもし、あっ、お母さん」


 小向亜矢子は、この私鉄の、4つ先の駅に下宿をしている。

 母親との2人暮らしであった。

 小向亜矢子の実家は紀州の山の中である。

 大正緑林大学看護学部に合格したので、この土地で下宿をしなければならない。

 その時、母親もついて来たのであった。

 年頃の娘を1人暮らしさせるのは心配なのだ。

 日頃の生活にも、いくつかのルールを決めた。

 例えば。

 学校を出るときには、必ず電話を入れること。

 その電話で、予定帰宅時間を、必ず告げること。

 こういうルールを作ったのであった。

 それで、小向亜矢子は、トイレから電話をしたのである。


「亜矢子どうしたの?」

「今、中沼の駅のトイレ」

「え?」

「お腹の調子が悪くなったので、トイレに入ったのよ」

「分かったわ。で、帰るのは、何時頃になる?」

「土曜日で、この時間でしょ。電車の本数が少ないの。後、40分は、かかると思う」

「分かったわ。気を付けてね」

「うん、じゃぁ」

 スマホをハンドバッグに入れる。

 そのハンドバッグをトートバッグに入れようとした。

 トートバッグの中に教科書の『病理学概論』が見えた。

(そういえば、小百合が言っていたな)

 山田小百合は、小向亜矢子のグループの中でも、いちばん勉強ができるのであった。

 しかも、カンもいい。

 先ほどの焼肉屋で、山田小百合が、「今度の病理の試験は、チールネルゼン染色だね」と言ったのである。

 山田小百合が言う試験のヤマは無視するわけにはいかない。

 小向亜矢子は、『病理学概論』を取り出し、マークしておこうと思った。

 

 その時である。

 何か音がした。

 小向亜矢子は、本を取り出そうとした手をそのままにして、身体を硬直させた。

 音。

 空耳ではなく、確かに音がする。

 個室の外の女子トイレの部屋?

 いや、違う。

 女子トイレの部屋の外だ。

 あの渡り廊下であった。

 何かを引きずるような音。

 引きずる?

 違う。

 スニーカーのような靴の音なのだ。

 ズルズルと、引きずるような歩き方をしている。

 先ほどの小向亜矢子のように、急いでいるような足音では、もちろん、ない。

 普通の歩き方の足音でもない。

 ゆっくりと、慎重に歩くような、足音である。

 しかも、引きずるような足音。

 ハイヒールではなく、スニーカーのような音である。

 音の主は男子トイレへ行くんだ。

 小向亜矢子は、しいて、そう考えた。

 足音が止まった。

 小向亜矢子は息を殺していた。

(男子トイレへ行くのよね、女子トイレには来ないのよね……)

 そのとたん、女子トイレのドアが、バーンという音とともに、開いた。

 足音が、女子トイレの中へ、入った。

 小向亜矢子は、スマホで助けを呼ぼうか、と思った。

 だが、その音を聞かれてしまうであろう。

 小向亜矢子は、息を殺し、全身を耳にして、外の様子をさぐった。

 足音は、入り口にいちばん近い個室へ近づいたようである。

 個室のドアが、乱暴に開かれた。

 もともと半分開いているドアであるが、念のため、全開にして、中を確かめる。

 そういうような動作をしているのであろう。

 小向亜矢子の敏感な鼻は、男の臭いを感じていた。

 入ってきたのは男なのだ。

 次の個室のドアが開く音がした。

 順番に、個室の中を確かめているのだ。

 並んだ個室の中で、ドアが完全に閉まっているのは、小向亜矢子の個室だけである。

(ここは、故障だから、閉めてあるのよ。誰も入っていないのよ……)

 順番に、個室のドアが開かれて……。

 足音は、小向亜矢子がいる個室の前で、止まった。

 男の臭いが強くなる。

 

 小向亜矢子は、小さな笑い声を聞いたような気がした。

 含み笑い?

 いや、もっといやらしい笑いである。

 足音は個室から離れた。

 個室の、反対側へ行くようであった。

(反対側、何がある?)

 ドアが開き、さらにガタガタというような音がした。

(あれは、道具置き場だ)

 足音は、女子トイレの入り口のドアの方へと進んだ。

 ドアが開く音がした。

(よかった、出て行くんだ)

 しかし……。

 足音は、また、近づいてきた。

 真っ直ぐに、小向亜矢子のいる個室へ近づいてくる。

 そして、個室のドアの前で止まった。

「ふっ、ふっ、ふっ、誰かいるんだろう」

 野太い、野卑な感じの男の声がした。


 ドアの前に何かが置かれる音がした。

「ふっ、ふっ、ふっ、おや、きれいな女子大生じゃないか」

 小向亜矢子は愕然とした。

 ドアの上から男が覗いているのだ。

 おそらく、ドアの前に、脚立でも置き、その上に立っているのであろう。

 中年くらいの男である。

 頭は禿げていて猪首であった。

 眼がぎらついており、口の隅には、唾が溜まっている。

 小向亜矢子は、便器に座ったまま、男を見上げた。

「おねえさん、1人? 遊ばない?」

 小向亜矢子は、男を見上げたままである。

「この女子トイレ、誰も来ないよ。ドアの向こうに、『故障中』の札を下げたから」

 男の顔がドアの上から消えた。

 脚立を降りたのであろう。

 個室のドアが引きちぎられた。

 男の全身が見えた。

 大男である。

 半袖のシャツから、盛り上がっている筋肉が確認できた。

「声を出すなよ。ここはホームのはずれだ。駅員には聞こえない」

 小向亜矢子は、黙って、男の眼を見ている。

「声を出そうとしたら、首を絞めるからな。この前も、1人殺したんだ」

「……」

「死にたくないだろう? それより、いいことしようぜ」

 小向亜矢子は、小さな声で、言った。

「いいこと、って何?」

「分かるだろう」

 男は、上半身を個室の中へ入れた。

 男の臭いが充満する。

 男の眼が、小向亜矢子の胸を見ている。

 人差し指で、小向亜矢子の胸を押した。

 小向亜矢子は、また、小さな声を出した。

「ま、待って……」

「何だ?」

「トイレのドアに、『故障中』って出ているの?」

「ああ、だから誰も来ないよ」


 男は、手で小向亜矢子の胸を握ろうとした。

 小向亜矢子は、その手を払った。

「こいつ、逆らうのか」

 その言葉を、最後まで言い終わることは出来なかった。

 小向亜矢子は、右手で男の腕を掴んだ。

 そのまま捩じる。

 左手で、男の顎を押し上げた。

 男の喉が無防備になる。

 この一連の動作は、オリンピック選手級の早業であった。

 そして、小向亜矢子は、その喉にかぶりついたのである。

 男は、驚愕し、悲鳴を上げようとした。

 小向亜矢子は、右手で男の腕を折り、すぐにその右手で、男の口を塞ぐ。

 ここで悲鳴を上げられ、誰かに気が付かれたら、面倒なことになる。

 動脈が切れたのであろう。

 小向亜矢子の口は、血でいっぱいになった。

(美味い)

 先ほどのウーロンハイなどとは、比べものにならない美味さだ。

 小向亜矢子は、血を啜り続けた。

 男が痙攣をした。

 だが、まだ喉にかぶりついたままである。

 やがて、男から力が消えた。

 小向亜矢子は、男の身体をトイレの床に放り投げた。


 小向亜矢子は、大きく深呼吸して、興奮を納めた。

 スマホを取り出す。

「もしもし、あっ、お母さん」

「亜矢子、また、どうしたのよ」

「まだ、中沼の駅のトイレいる」

「お腹、まだ悪いの?」

「違う、赤鬼が出たの。だから……」

「仕方ないわね。誰にも見つかっていないでしょうね」

「大丈夫よ」

「よかった。何しろ、この辺りじゃ、もう3人食べているから、注意しないと」

「それで、後始末に、2時間くらいかかる。帰るのが遅くなるから」

「分かったわ。注意してね。おみやげ持ってきて」

「うん。じゃぁ」

 小向亜矢子は、スマホを切ると男を見下ろした。

 筋肉が盛り上がった、いい身体をしている。

(さっきの焼肉の口直しだ)

 小向亜矢子は、トートバッグから、いつも持ち歩いているビニールシートを取り出した。

 ビニールシートに、男の心臓と肝臓、それに腸を包むのだ。

 腸は長いから、丸めなければならない。

 母へのおみやげである。

 あとは、この場で食べてしまうつもりであった。

 すべて食べて、床に付いた血を嘗める。

 死体の存在を消し去るまで2時間かかる、と計算したのであった。



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