第6話
宿屋へもどるとかしましくおかみさんたちが料理に励んでいた。
おかみさん「小波ちゃん戻ったのかい?お疲れさん」
マーサ「小波ちゃんだなんて、クレアさん失礼なんじゃ。こんなによくしてくださって、様じゃないとダメだろう~」
小波「いえいえ、様だなってやめてください。適当に呼んでいただいてかまいません。」
マーガレット「そんな、こんなに良くしてくれてるんだもの 様がふつうなのよ~」
おかみさん「これこれ困らせるんじゃないよ。小波ちゃんもこっち手伝ってくれるかい?」
小波「もちろんです。おかみさん私の手にクリーンお願いします。」
おかみさん「手にクリーンかけるのかい?」
小波「はい。料理の前は手洗いうがいした方が病気防げるので」
おかみさん「なるほど、じゃ。全身にね。」
さっと風が吹き抜けたようだった。
野菜はだいたい刻み終わっていたので肉を袋から出して刻んでもらった。
寸胴鍋をもう一つ出してもらって4つ作ることにした。
野菜を4等分ずつ放り込み、水はかぶるくらい。本当は炒めたかったがそうも言ってられないので塩をすこしまぶす
肉は横でフライパンに入るだけ入れ、炒めて塩コショウ 鍋に放り込む
どうじにお米を出して別な鍋でコトコト煮ておかゆにする。
具の細かいスープを足しておじやの完成
1つの鍋だけ野菜も肉も小さめでお願いした。
灰汁を取りつつ煮込む
灰汁が出なくなり、野菜が煮えたら水を追加してコンソメで味付け
最後に塩コショウで味を調えたら完成だ。
収納からパンを次々と出す4袋
とりあえず
小さいパンだからいくつぐらいつけたらいいんだろうか
小波「おかみさんこのパンとスープセットで出したいです。いくつつけたらいいでしょう?」
おかみさん「小さいパンだね。!! や、柔らかいね随分と2つくらいつければいいんじゃないかい?」
マーサ「このパン貴族様が食べるやつ出ないの?」
マーガレット「甘い香りに柔らかなパン こんなのもったいないよ!」
小波「パン…これしかないんです。いっぱいありますから!これ食べて元気になってもらいましょう!」
おかみさん「でもさぁ」
小波「とりあえず一人3個配って、あとはスープたくさん食べてもらいましょうかね。
炊き出しは明日の朝も夜も必要ですし。足りない方にはおかわり上げてください。
パンもスープも食べきっていいので」
おかみさん「毎食やるつもりかい?正気なのかい?小波ちゃん!」
小波「一食じゃこのさきどうにもなりません。元気になるまでやりましょう!そのうち商人にちゃんと登録しますから」
にっこり自信満々に笑顔を作る小波におかみさんは涙を流した
小波「さ、ではパンの袋はちぎって開けれるので袋はごみなので、では配布お願いします。
その時明日の朝も夜も炊き出しあるのを伝えてください。無理して食べておなか痛くなったら困りますから。」
おじやの鍋を3つの小鍋に分けて収納魔法で仕舞う。
普通のスープもひと鍋しまう。
小波「みなさんも食べてくださいね。」
そういうと小波は病人のいる家を回った。
小鍋のおじやを病人に少しずつ食べさせてとお願いして。
元気な人へはスープを寸胴鍋から家庭の鍋に移す
明日も来るからゆっくり食べれる分だけ食べるように言付けして
次の家へ
3軒回ると宿屋へ戻る。
入口でおかみさんが待っていてくれた。
泣き笑いみたいな笑顔で
おかみさん「クリーンかけないとね!」
小波「お願いします」
とにっこり笑うとおかみさんはクリーンをかけてくれた。
村の人たちもスープもパンもおなか一杯食べれたらしくあちこちで満面の笑みがこぼれた
フィルト君もお口いっぱいパンやスープを頬張っていた
小波も一緒にスープとパンを食べて夕食にした。
本当は3食出したかったけどこっちの常識がわからなかった。
身なりをみてもみんな瘦せていて、3食豊富に食べているようには見えなかったのだ。
昔は2食だったて聞いたことあるし。
そんなこんなで宿屋はちょっとした宴会場のような騒ぎになり村の人たちも楽しく過ごしたようだった。
サマンサさんもほっとした様子だった。
おかみさんとマーサさんとマーガレットさんには明日も炊き出しのお手伝いをお願いして部屋へと戻った。