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第8話

領主様のところへは馬車で3日かかるそうだ。

近くにあったら大きな都市にいるのではないのか聞いたら、管轄が違うそうだ。

以前はあっちに属していたらしいが、不遇な目にあい管轄が変わったそうだ。

高々20人そこらしか人数が居ない小さな村の扱いは酷かったそうで、大都市運営の恩恵は受けられないのに同じ利率で税金が課され

それはそれは苦しい時代だったそうだ。


今の領主様に代わってからは税率も村の作物や山からの収穫の割合に見合った適切なものに変わったそうだ。


そんな話を聞きつつ、ご飯が少し冷めたら

小波は手に水と塩を付けておにぎりを作った。

梅干しを出して。


おかみさん「なんだいそうのしわしわの実は」


小波「梅干しなんですけど、こっちにはないですか?春に小ぶりな可愛い白っぽいピンクの花を咲かせて

どこかふんわり良い香りのする花なんですけど、それの実です。あ、生のままは毒があるそうで

こうして、塩漬けにしたり、砂糖漬けにしてシロップやお酒なんかを作れる実なんですけど」


おかみさん「そうかい。美味しいのかい?」


小波「この実自体は塩漬けなのですごく酸っぱいですけど、ご飯とあわさると美味しいと思います。私は好きです。」


梅干しをちぎって少しずつ小さなおにぎりを作ってみんなで試してみた。


おかみさん「すっぱいけど、うん。私は好き。疲れてるときに食べたくなるわ」


マーサ「ホント、すっぱいけど このお米に合うわ」


マーガレット「うん、鶏肉とかにつけてもいいんじゃない?」


小波「はい、鳥の肉にサンドして衣をつけて揚げても美味しいですよ。」


おかみさん「あげる?」


小波「油でジュワっと」


おかみさん「油であげるなんて聞いたことないわ。今度試せるかい?」


小波「ええ、パン粉も油もあるので試しましょう。」


そう、小麦粉買うの忘れたくせにパン粉は買ったんですよね。とナビさんの突っ込みが脳内に聞こえた。

地味にショックなんだから言わないでよと思う小波だった。



そして、鶏肉を2袋台の上に出す小波だった。


おかみさん「今日の夜の分かい?」


小波「はい、今日はパンにはさむ具を作りたいと思ってまして、20人分くらいってこれじゃあ足りないですかね?

一口サイズの削ぎ切りにして焼いて味付けしたいんですけど」


おかみさん「パンとスープもつけるんだろう、十分すぎさ むしろ贅沢だよ」


満場一致で充分と言われた。

たぶん感覚が違うのだろう、おかみさんたちは少しずつでも食べられれば上等

小波はお腹いっぱい美味しいものを食べれるのが当たり前という感覚だからだ。



肉を付けるから野菜は少なめでいいと言われ

じゃがいも、ニンジン、玉ねぎは昨日の半分の量を出した。

卵もあるがと申し出たが明日また使わせてほしいとお願いされてしまい出せなかった。


野菜をみんなで刻み

スープを作る、今日は野菜のコンソメスープだ。


煮込み始めてから体調不良のお家を回り、どの程度回復したか食欲はあるかを聞きに行ってみた。

みんな、まだ横にはなっているが2食お腹いっぱい食べて水も飲んだことにより脱水症状は治まったようだった。

回復早くない?こんなもの?と小波は思ったが、前世でもぽっくりいくまで健康優良児だったので全く分からなかった。

元気になるならそれでいいかと納得したのだった。

今日も夕食持ってくるからと言うとみんな本当に喜んで感謝の言葉をたくさんくれた。



宿屋に戻り

鶏肉を調理する。

おかゆはご飯の残りをコトコトと鍋で煮た

作り変えることもできるのかとおかみさんたちは驚いていた。


鶏肉は2枚分ほどそぎ切りの小さな部分を集めておいた。

フライパンを4枚出して調理開始

鶏をじっくり焼く

油が出てきたらお砂糖を回しかけ、酒、醤油、しょうがをすりおろしたものを入れてじっくり味が染みるように焼く。

みんなで一つずつ味見、しょうが入りの照り焼きチキンだ。


おかみさん「!!おいしっ! これはみんな喜ぶんじゃない?」


マーサ「貴族様の屋敷で出されたって不思議じゃないくらい美味しいわ!」


マーガレット「本当、こんな美味しいもの食べていいのかしら」


これを、パンとスープと一緒に出すことに決定

どうして、レタスとか買わなかったのか後悔しかない小波だった。

あの時は慌てて全然思いつかなかったのだ。

そして、紙とペンも買えば良かった。

覚えていられる自信がない…ナビさん頼むねと心でお願いした。


病人用には少し薄味にして汁気を多めに焼くというより煮込みにした。


おかみさんたちはさっきの味を思い出しつつ、いもをいれても美味しいとか丸ネギも絶対あうわと和やかな会話をしつつ手を動かしていた。


フィルト君が匂いにつられてやってくる


フィルト「すぅっっごい良い匂いがする!!」


おかみさん「夕飯の時にすっごい美味しいもの出てくるよー!」


フィルト「ほんと!! やったーーー!!」


子供が嬉しそうだとみんな笑顔だ。

パンを出して、配膳だ。


日本の時と違ってすべてに手間がかかってあっという間に時間が過ぎていった。


もちろん今日の夕食もとっても喜ばれて

あっという間にお代わり争奪戦だった。


争奪戦になるほどみんなに気力がわいているのがわかって、元気になってきた証拠だと小波は本当にうれしかった。

あとは病人さんたちが回復してみんなでここでわいわいできるといいなぁと思った。


お買い物まであと6日 残金5億9980万


いいねありがとうございます(^^)/

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