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『宇宙人と人類に隠された真実の歴史 魔王の掲げる人類滅亡へのカウントダウン』

勇者「…………ハッ!ここは………?」


宇宙人「気がついタカ」


勇者「お前は……?ていうかなんだこのベルトは!クソ!!ほどきやがれ!!!」


宇宙人「暴れルナ………ナニ、ちょっとお前ヲ調査するだけダ」


勇者「人をこんな台に縛りつけやがって………お前なんなんだよ…………」


宇宙人「フフフ………驚くだろうガ……ワレワレハ…………」


勇者「宇宙人か」


宇宙人「エッ………」


勇者「はぁ……やっぱそうか」


宇宙人「ナゼワカッタ」


勇者「いやそりゃわかるよお前。見たまんまだもん見たまんま」


宇宙人「………どの辺ガ?」


勇者「まずその扇風機の前で喋ってるみたいな声な」


宇宙人「でもコレ地声ダシ………」


勇者「あとその見た目な。その銀色の全身タイツとでけえ頭。ほんとイメージそのまんまだわすげえなNASA」


宇宙人「タイツじゃナイ……」


勇者「そんでこうやって人を連れ去ってUFOで体調べるんでしょ?やることなすこと宇宙人すぎるわお前」


宇宙人「過ぎるっテ言われてモ…………」


勇者「今時流行んないよお前。そんなステレオタイプの宇宙人」


宇宙人「ていうかサ……オマエさっきからなんか落ち着いてナイ?リアクション薄いっていうカ」


勇者「えっ、そう?」


宇宙人「イヤ、そうだヨ!宇宙人だよこちトラ!!もっとビビレヨ!!お前宇宙人に拘束されてんだヨ!!!」


勇者「だって俺………さっき異世界転生してきたんだよ?」


宇宙人「…………異世界転生?なにソレ?」


勇者「えーと簡単に言うとだな………俺さっき車に轢かれて死んだのよ。1時間くらい前に」


宇宙人「エッ、チョッ、エッなにソレ!?大丈夫ナノ!?ベルト痛くナイ!?」


勇者「ああいやいや体とかは今は全然大丈夫なんだけど」


宇宙人「アァ……ヨカッタ……ビックリシタ……」


勇者「そんで、死んだと思ったら神様が現れてーなんか異世界が魔王に支配されて困ってるから勇者として生まれ変わってその世界を救ってくれーって頼まれてさ。そんでこの世界に転生してきたってわけ。わかる?」


宇宙人「……………………オマエちょっとマンガとか読みすぎジャナイ?」


勇者「うるせーなお前に言われたくねーよ!!昭和のSF漫画みたいな存在のくせに!!」


宇宙人「アァ……ハハ………ソッスカ……」


勇者「ひいてんじゃねえよ宇宙人のくせに!!とにかくガチなんだって!俺ガチで転生勇者なんだって!!」


宇宙人「まあ……そういうことでいいケド……デ、結局なんでオマエそんな落ち着いてんノ?」


勇者「いやだからな。俺の身にこの1時間で起こった出来事は、車に轢かれる⇨死ぬ⇨神様が現れる⇨勇者として魔王を倒すために異世界に転生する⇨宇宙人に連れ去られるって流れなわけよ」


宇宙人「ウンウン」


勇者「だからさ……まあ言いにくいんだけど……今更宇宙人とか言われてもちょっとイベントとして弱いっていうか」


宇宙人「………エェーそうかなア?……宇宙人だよ宇宙人。凄くナイ?見たことなくナイ?しかも捕まってんだヨ?」


勇者「お前単独ならな。でも神、魔王、勇者ときての宇宙人だもんお前。インパクト弱いよ」


宇宙人「アァー……」


勇者「キャラが弱い」


宇宙人「ウゥ」


勇者「古いし」


宇宙人「やめてヨもう」


勇者「まーそう言うわけだから。今回はご縁がなかったってことで。うん。またなんかあったら連絡しますから」


宇宙人「いやだめダヨ。なにオーデションみたいに終わらそうとしてんノ」


勇者「次はもっとね、キャラが立ったやつ見たいかな。斬新なやつ」


宇宙人「若手芸人みたいに扱うのヤメテ。コレ別にキャラでやってんジャないカラ。ガチの宇宙人だカラ」


勇者「なんだよもーさっさとベルト外せよ宇宙人よー。めんどくせーなあお前」


宇宙人「このシチュエーションでめんどくさがられたの初めてダワ」


勇者「なに、結局お前どうしたいの?俺の身体をどうしたいの?こんな縛り付けてさ」


宇宙人「調査だっテ言ってるジャン」


勇者「調査ってあれだろどうせ。俺の腹掻っ捌いて内臓ぐちゃぐちゃすんだろ。やだよ俺そんなの」


宇宙人「えェ……なにソレキモいョ……マヂ無理なんですケド……」


勇者「引くなよ。あとなんでちょっとギャルっぽいんだよ」


宇宙人「ともカく、宇宙人そんナことしナイ。痛いのしないカラ」


勇者「ほんとかよ。じゃああれか、洗脳とかすんだろ。脳みそぐちゃぐちゃにしてさ。お前ら好きだよな洗脳」


宇宙人「シ……しなイヨ…………そんなノ……」


勇者「言っとくけど俺かかんねえからな洗脳とか。そういうの一番かかんないから」


宇宙人「しないっテ」


勇者「じゃあどんな調査すんだよ」


宇宙人「ホントすぐ終わるカラ。簡単なやつだカラ。終わっタらジュースもあるシ」


勇者「はぁ……わかった。じゃあさっさとすませろよ」


宇宙人「アリガトウ!じゃあ早速調査始めるヨ!」


勇者「おう」


宇宙人「えーそれでは……現政権与党の経済政策をあなたは支持しますか?『支持する』『支持しない』または『どちらでもない』」


勇者「世論調査!?これ世論調査なの!?」


宇宙人「だかラ調査って言ってんジャン」


勇者「おいこれわざわざUFOに攫ってきてまでやることじゃねえだろ。電話でやれ電話で」


宇宙人「UFOの中っテ電波弱いカラ……」


勇者「電波の弱いってUFOにとって致命的だろ。よく知らんけど」


宇宙人「調査続けてイイ?」


勇者「あぁ……じゃあどちらでもないで」


宇宙人「無難だネ」


勇者「余計なこと言うとめんどくさいことになるからな」


宇宙人「えーでは続いて……あなたは神を信じますか?」


勇者「そういうのは路上でやれ路上で」


宇宙人「前やっタら警察呼ばれタ……」


勇者「そら路上で急にエイリアンにそんな質問されたら恐怖しかねえもん」


宇宙人「オイ!!!!エイリアンって言うナヨ!!!!宇宙人だヨ!!!一緒にすんナ!!!!!!」


勇者「えっ、なに急に怖っ。一緒じゃん」


宇宙人「ぜんっっっっっぜんちげーダロ!!!便所コオロギとカマドウマくらいちげーダロガ!!!!!」


勇者「………………その二つの違いもよくわかんないんだけど」


宇宙人「ハァ……ハァ……もうイイ……調査を続行スル……サッサと答えロ……」


勇者「あー神はいるかだっけ?いるよ神様」


宇宙人「……結構信仰深いタイプなんだネ」


勇者「いやだって会ったもんさっき。死んだ時」


宇宙人「アァ……ハハ……ソッスカ………」


勇者「だから愛想笑いしてんじゃねえよ。ほんとだって言ってんだろうが」


宇宙人「エーでは次で最後の質問デス」


勇者「本当に早いなこの調査」


宇宙人「えー今回担当した宇宙人の印象はいかがでしたか?『非常によかった』『おおむねよかった』『かわいい』『もっと宇宙人のことが知りたくなった』」


勇者「…………」


宇宙人「…………カワイイ?」


勇者「うわっ、キモっ」


宇宙人「チョッ、オマッ」


勇者「ごめんごめんwwwww冗談だよwwww」


宇宙人「ハァ……もうイイヤ……終わリ終わリ」カチャカチャ


勇者「おっ、やっとベルト外してくれた。はー疲れた疲れた」


宇宙人「ハイ、ご協力ありがとうゴザイマシタ。これ、リンゴジュース」


勇者「おーサンキュー」


宇宙人「あとチョット今からビデオ流すカラ」


勇者「は?ビデオ?終わったんじゃねーの?」


宇宙人「アッ、コレ8分くらいの短いヤツだかラ。そこ座ってジュース飲みながら見てくれたらイイカラ」


勇者「ったくしょうがねーな。これ終わったら帰っていいんだろうな?」


宇宙人「ウンウン。じゃあ流しまース電気も消しまース」ガチャッ


勇者「おお、始まった。うわなにこの月刊ムーみたいなタイトルは」




8分後


 


勇者「…………」


宇宙人「どうだっタ?」


勇者「……まさか……俺たち人間が宇宙人にこんな酷いことをしていたなんて…………」


宇宙人「ウンウン。ソレデ?」


勇者「俺、知らなかった。魔王は宇宙人を救うために人間を倒そうとしてくれてたんだな……」


宇宙人「ソウダネー」


勇者「俺……俺は……」


宇宙人「最後にもう一回だけ調査シテもイイかナ?」


勇者「は……はい」


宇宙人「現在の人間の王をあなたは支持しますか?」


勇者「……いえ、倒すべきだと思います」


宇宙人「あなたにとって本当の神とは」


勇者「魔王様です」


宇宙人「じゃあ最後に……あなたにとって宇宙人の印象はどう変わりましたか?」


勇者「…………始めは見た目キモいし、声ガラガラだし、変なヤツだなって思ってたけど」


宇宙人「エッ……アッ……ウン………」


勇者「このビデオを見た今は……」


宇宙人「ウン」


勇者「…………まあ……エイリアンだなって……」


宇宙人「チョッ、オマッ」


勇者「だから俺洗脳とかかかんないって言ったじゃーんwwwwww」



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― 新着の感想 ―
[良い点] 「今更宇宙人とか言われてもちょっとイベントとして弱い」が特に可笑しかったです! 宇宙人が可愛くて台詞にカタカナが混ざっているとより可愛さアップ☆という感じがしました。「やめてヨもう」が特に…
2022/03/25 19:15 退会済み
管理
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