疑問と蟻
よっしゃあ!第六話投稿じゃぁぁぁ!
「…ていうことがあったの。」
コルソテクの道を歩きながら、ノレアは鱗に覆われた腕を持つ男性の話を俺にしていた。
うん、俺だね!
「どんな奴だったんだ?」
「えっとね、その…」
「かっこよかった。」
は?
「何て言うんだろう。大人の格好良さ、って言う言うのかな。兎に角、一目惚れしちゃって。」
正直ノレアのセンスを疑った。それはもう疑った。いや、俺だぞ?なぜ惚れる?どこに惚れる要素がある?わけがわからない。
「そ、そうか。それは良かったな…」
「他の人には言わないでよ?」
「その男の人に会ってもか?」
「恥ずかしいから絶対ダメ!」
すまん。俺だ。
「それよりも、報告も済ませたし家に帰ろうぜ。」
とりあえず話題を変える。もしボロを出したらどうなるかわからない。
「うん。そうする。」
ノレアが目をこすりながら答える。日はすでに落ち、辺りは真っ暗だった。
「あ、俺は少し寄り道してからでいいか?」
「うん。先に帰って…ふぁぁ。」
ノレアが欠伸をする。可愛い。
「じゃあな。」
そうしてノレアと離れた俺は、酒場に寄っていた。
「悪いマスター、遅くなった。」
「本当ですよ、来ないかと思いました。」
「仕事が長引いてな。例の物は?」
「取ってありますよ。このオレンジジュースですよね?」
マスターからオレンジジュースを何本か貰う。ノレアがこのオレンジジュースを気に入ったため、俺はマスターからオレンジジュースを買っていた。
「じゃあな、また来るぜ。」
「毎度。」
オレンジジュースの入った瓶を片手に帰路につく。しかし家の近くに来た時に俺の目の前に鎧を着た人が数人現れた。
いや、人か?体格は人だが頭はほぼほぼ蟻だ。
「同行願おうか。」
蟻頭の内の一人が言ってくる。
「蜘蛛男の仲間か?」
というかそれしかないだろ。
「チッ。」
蟻頭は舌打ちすると武器を取り出した。どうやら図星のようだ。
「…自己防衛はさせてもらうぜ。」
そう言って左腕を振りかぶる。相手も武器を構え完全に戦闘態勢だ。
長引かせたくないのでこちらから飛びかかる。1番近い奴の頭部目掛けて拳を放つ。
しかし相手も戦い慣れしているのか、素早く盾を構え防御の体勢に入った。
出血多量でも何とかなったんだ。盾ごとブチ抜いてやる!
俺の思い通り相手の盾は砕け、そのまま頭も吹き飛んだ。
他の奴らがたじろぐ。流石に盾が砕かれるとは思っていなかったのだろう。
だが、ここまで来られて逃すのは後々面倒くさいことになるだろう。ここで片付けておかなければ。
数分後、蟻頭は全員息をしていなかった。
取り敢えず死体を片付けよう。こんな化け物の死体が道にあったらパニックだ。
死体の片付けが終わり家に入る。あいつらの連携が中々に厄介で疲れてしまった。
寝床に入り、左手を見つめる。
…この世界に来てから、何かがおかしい。殺しに対する抵抗が明らかに小さくなっている。まるで、それが当たり前のような感覚さえある。俺はどうしてしまったのだろう…
疲れからか、思考が回らない。取り敢えず寝よう。俺はその考えを最後に眠りについた。
後書きがキツイ…。えーっと、第六話を読んでいただきありがとうございます。基本的に気分で書いているので、投稿のペースはかなり不規則ですが、それでも読んで頂ければ幸いです。では、次回もお楽しみに!