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龍の牙と龍の腕  作者: 干からびたナマコ
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反撃開始とキョジン

二週間ぶりくらいです干からびたナマコです。第四十五話、投稿しました!

戦場に聳え立つ闇の城、その際奥でアイラは眷属の頭を撫でていた。

「ガグルルルル…」

「そうか、そんなに私に撫でられるのが好きかヴルトロス。いーっぱい撫でてやるからな。」

「いたぞ!この部屋だ!」

「ん?」

唸るヴルトロスを刺激するようにわざとらしく頭を撫でるアイラ。そこに慌ただしい足音と共に重厚な鎧を纏った騎士達が現れた。

「ギャルブリア帝国の女帝、ジョーカー!貴様はもう包囲されている!大人しく投降しろ!」

「…無数の怪人達がいるはずだが。」

「そんなもの、我らの信仰の力の前では無力!」

「アルマノス様の加護を舐めるなよ!」

「…アルマノス…?」

光の神の名を聞いたアイラの顔つきが変わる。

「あのゴミクズ…また私の邪魔をする気か!」

アイラが声を荒げると同時に、騎士団の半分が無数の黒い触手に貫かれた。

「何!?」

「フーッ、フーッ、フーッ…だが、奴もタダで済んではいまい。こっちにはヴルトロスがいる。今度こそ、奴を崇めるこの腐った世界を破壊してやれる…!」

「ひっ、ヒィィィ…!」

「こんなに強いなんて聞いてねえよ!」

怖気付いた騎士団を見て、アイラが溜息をつく。

「ハッタリも台無しだな。お前ら、神を舐めすぎだぞ。」

「神!?まさかジョーカー、貴様は。」

次の瞬間、アイラの名を呼ぼうとした騎士の頭が、上から伸びてきた触手によって握り潰された。

「そういうのいいから。私は闇の神アイラ。はい、これで満足?ったくどこに行っても同じ反応するんだよなー。」

「か、神…!」

「もう無理だ、誰か…助けて…!」

「…………チッ。」

アイラが不機嫌そうに舌打ちし、騎士団に向けて指を向ける。次の瞬間。床が黒く染まり、騎士団を呑み込み始めた。

「何だこれ!?足が、足が潰されて…!」

「嫌だぁぁぁ!死にたくない!」

「あーもううるさいな!気持ち悪い顔で泣いてないで早く消えて!」

「待っ」

ドスン。と鈍い音がして、騎士団は黒い床に消えていった。

「アハハハハ!いい気味だわ。ふふっ、フフフフ…!」


「……………………」

ただ絶句して、その惨状を見ていた。どうせ何かしようとしても出来ないけど。

そもそも何で意識があるんだろう。ヴルトロスになったら俺の意識は殆ど無くなってたのに。

そう考えている途中に答えが頭に浮かぶ。

「そうか…何もしてないから、か。」

仮に俺の中に凶暴で傲慢な何かがいたとして、それが目覚めて暴れたい時に暴れられないなら、どうして起きている必要があろうか。きっと俺は押し付けられたんだ。ただ人が殺され続けるのを見る地獄のショータイムを。

「…はぁ。」

心の中で小さく溜息をつく。もうどうにも出来ないんだ。どうにも。

『ライダーさん!』

この声は…ノレアか?

『私も、戦う覚悟を決めなきゃ駄目なの。』

ああ…そういえば、また会おうって約束したな。

ノレアの姿が頭に思い浮かぶ。俺もあいつくらい力があったら頑張れたのに…。

「いや、違う。」

急に頭がスッと冴えて、我に帰る。そうだ、この考え方は…。

「この世界に来る前の俺だ。」

努力をしないことを能力が無いからと言って、嫌な注目を集めたく無いから責任逃れ。そのくせすぐ調子に乗って。どの面下げてヒーローごっこしてたんだか。

「でも。」

こんなロクデナシの演じたヒーローの帰りを待ってる奴がいる。子供っぽくて、少し、いや結構わがままなお姫様。

「ノレア…!」


「ふわぁ〜。」

退屈そうにアイラが欠伸をしていると、闇の城の最奥に、無数の触手に捉えられた獲物が二人引き込まれてきた。

「うおっと!」

「おっとっと…」

勝気とオズマは勢いそのままに地面に叩きつけられそうになったが、体勢を立て直し着地する。それを見たアイラは拍手で迎えた。

「いきのいいのが入ってきた。ここまでご苦労様、生き餌君たち。」

「あ、てめえは!」

「ギャルブリアの女帝、ジョーカ」

「もうそれ聞き飽きた。ていうかさっき言われた。」

つまらなさそうに言い捨てると、アイラが二回手を叩いた。

「はい!ヴルトロス君御登場〜!」

アイラの横にいたヴルトロスがその身を起こし、勝気たちの方へと歩みを進める。

「ゴウルルル。」

「あの時の邪龍!?」

「もうそれも聞いたから。何で同じ反応しかしないかなー。ほんと代わり映えしないね人間って。さっきまで殺しちゃった人たちのこと悲しんでたけど、幾ら殺しても代わりあるしいっかー。」

「てめえ調子乗るのもいい加減にしろよ。」

「あっそ。じゃあうちの子が踊り食いしてあげるよ。」

「勝気…来るよ!」

「ヴルトロス頑張れ…ん?」

相対する勝気たちとヴルトロス。ヴルトロスはゆっくりと二人を見つめると、

「ゴルウ〜。」

二人に頬擦りした。

「え?」

「どういうこと?…わわっ、くすぐったいよ。」

「グルルウ〜♪」

照れたオズマの頬を機嫌を良くしたヴルトロスが舐める。そして、

「…ガアウ!」

アイラの方に向き直り、戦闘態勢に入った。

「こいつが味方か。頼もしいな、俺より筋肉あるし。」

「よろしくね。」

「…何で。」

「ん?」

アイラが小さくこぼした言葉に三人が反応する。アイラの目は、黒く濁っていた。

「何で私の言うことを聞かないのおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」

アイラの絶叫と共に、最奥の部屋が上へと迫り上がる。その衝撃で部屋の外へと投げ出された三人は、咄嗟に壁に掴まった。

「うおおっ、城が揺れる!おい邪龍!筋肉だ!筋肉で踏ん張れ!」

「ガゥッ!」

「「グオオオオオオオオオオオ!」」

「待って二人とも!この城、何かおかしい!」

「じゃあ脱出するか!壁打ち破るぞ!『威ンパクト』!」

勝気の放った無数の攻撃が城の壁に亀裂を入れたかと思うと、その連撃を打った中心部分が一気に崩れた。三人はそのまま外に投げ出されると、異変に気付いた。

「ゴアア!」

「あれ?もう外か?」

「それだけじゃ無いよ!下見て下!」

下には地面があった。外に出たからそれは当然のことだった。

それが優に五十メートルを超えていることを除けば。

「どう言うことだこれー!オズマ!邪龍!大丈夫かー!?」

「大丈夫だから!勝気、近いしうるさい!」

「うおー!落ちる!…ん?」

「勝気、どうしたの?」

「ガゥ?」

叫んでいた勝気が静かになり天を見上げる。その視線の先には、

『ウゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!』

巨大な黒い「キョジン」の頭があった。

さあ何か最終兵器っぽい奴も出てきたしクライマックス?です!次の展開がどうなるのか楽しみにしておいてください!龍の牙と龍の腕、第四十五話でした!

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