脱出と「炒飯」!
どうも、干からびたナマコです。龍の牙と龍の腕、十七話投稿しました!
「我流『飄』!」
荒斬が技名を叫ぶと同時に、立ちはだかった蟻頭たちが4、5人まとめて吹き飛ぶ。
「行くぞ、龍牙!」
「逃すものか!」
前からは蟻頭たちが絶え間無く攻めてくる、だが
「うるせえんだよ!」
荒斬の斬撃で向かって来た敵は全て切り裂かれた。
「悪いな、守ってもらって。」
俺は荒斬が敵を全て倒してくれるため、ただただ荒斬の後をついて行っていた。
「気にすんな。俺は強いからな。」
荒斬は笑顔で応える。イケメンだ。いけめんがおる。
「止まれ!」
今度は蟻頭が一人だけ立っていた。あれは…
「断る!」
「荒斬、待ってくれ!」
「どうした。足でも痛いか?」
「いや、そうじゃない。」
俺が止まった理由は、立っている蟻頭だった。
「…ハルグ!」
「脱出しやがったか。」
「ああ、悪いがここにいたら何されるか分からないからな。だが…」
「だが?」
「…その炒飯だけは、もらって行くぞ!」
「「…………は?」」
ハルグと荒斬がぴったり同じタイミングで「は?」って言った。
「え?炒飯、ってあいつが持ってるあれか?」
「ああ。もうここからでもわかる。あれは絶対美味い。」
「いや…………帰ってから食えば良くないか?」
ぐうぅ〜〜。
荒斬に抗議するかの様に、俺の腹の虫が鳴った。
「…よし、覚悟しろ。ハルグ!」
「いや我慢しろよ!?」
荒斬、その言葉は聞けない。なんか今無性に炒飯が食いたい!
「食いたいなら、おとなしく捕まれ!」
「それは嫌だ!でも炒飯は貰う!」
ハルグは炒飯を持っているため動きにくいだろう(何で持ったまま来たんだろうね)。倒しやすいし炒飯食えるし一石二鳥だ!
読みどうりハルグが炒飯をどうにかする前に組み付くことができた。
「くっ、離せ!」
「炒飯寄越せぇぇ!」
くそ、後ちょっとで届かない!畜生メェ!
「ふんぎぎぎぎぎぎ」
どうにか炒飯を取ろうと力んだその時。
全身に電流が走った。
「うおっ!?」
「な、何だっ!?」
電流はハルグにも流れ、二人揃って弾かれた様に飛んだ。
「何だ今のは!」
「俺が知るか…………あ、炒飯いただき!」
隙を見て炒飯を奪取し、荒斬に駆け寄る。
「悪い、待たせた。」
「お前なあ、見ろ!この兵士の山!」
荒斬が指差した先には蟻頭が何十人と積み重なっていた。
「ごめんごめん。あ、炒飯いる?」
「…いる。」
そうして炒飯を食べながら逃げ回っていると、下層に続く階段を見つけた。
「どうする?蟻頭も来てないし、ここに隠れるか?もしかしたら、出口あるかも。」
「俺が入って来たところとは違うが…。まあ、そこは塞がれてるだろうからな。ここに入ろう。」
階段を降りて行くうちに、俺はあることに気が付いた。
「…通路が金属になってないか?」
「確かに、機械的だな。」
この世界の文明はどうなっているんだろうか?うーん、気になる。後で荒斬かノレアに聞こう。
「お、階段終わったな。ここは…ガレージ?」
そこには簡易的なテーブルや椅子に照明、そして何よりも目を引くのは…
「何だこのバイク。くそデケェ。」
並みのバイクよりも何回りか大きい。危なそうだけどちょっと運転してみたいかも。
「脱出の次は盗難か?」
後ろからした声に振り返ると。極度の猫背に目に隈ができた男が立っていた。
「ったく、面倒くせえことしやがって。」
「お前は誰だ?」
「名乗る義理もねえが、別に教えてもいいか。俺の名はラグナ。」
そう言いながらラグナは右手をこちらにかざした。
「ここの幹部だ。」
『キング・ダイヤ』
電子音声が鳴ったかと思うと、ラグナの周囲を菱形の立体映像のようなものが舞い始めた。
まるでトランプのダイヤのようなそれがラグナの頭に王冠を作るように並んだ瞬間。ラグナの身体は金属で出来た、所謂サイボーグの様な姿に変貌していた。
「おい、龍牙。」
荒斬がラグナから少しも目線を外さずに声をかけてきた。
「あいつは俺が食い止めるが、倒すとなると難しい。どうにかしてあの二輪動かせ。それで逃げるぞ。」
「…わかった。」
「よし、頼むぞ…抜刀術『滝登り』!」
荒斬がラグナに斬りかかると同時に、俺はバイクによじ登った。
「焼き尽くせ、『デスロール』!」
ラグナの胴体から炎が渦を巻いて荒斬に迫る。
「くっ!」
抜刀術を防がれながらも荒斬は身を翻して炎を躱す。
「えーっと、アクセルで良いのか?」
確か、右ハンドルだったよな。乗ったことないけど。
『機動用の電力を流して下さい。』
「え、電気!?」
まさかの電気自動車!?
「無駄だ。それは使用者登録のために自身の体を介して電気を…」
…ん?電気?身体から直に?それって…
「…うおおおお!」
俺が全力で力むと、さっきと同じ様に電流が全身を流れた。
『登録中です…そのままお待ち下さい…』
いやキッツイな!
「でも、やるしかねぇぇぇ!」
「お、おい龍牙!その鎖みたいなの何だ!?」
ん、鎖?…………なんか体に鎖?がついてる!?
「で、電気とかんけ、関係してるのか!?」
電流に耐えながら鎖を握ると、更に電流による痛みが強くなった。
「!うおおおおおお!電気出ろおおおおお!」
「チッ、『デスロール』!」
「させるか!」
ラグナと荒斬の声が聞こえるが、見る余裕も無い。ただ苦痛に耐え、鎖を握り電気を流す。
『登録、完了しました。』
「荒斬!」
「ああ、『虎の爪』!」
技を出しながら後ろに着地した荒斬を確認して、もう一度右ハンドルを回してみると、バイクはガレージの壁を打ち破った。
壁の向こうにあった通路を走り、飛び出た街の中を走り、遂に俺たちは森に躍り出た。
「なあ、これって…」
「ああ。」
「「…脱出だーーーーー!」」
最近忙しいから、投稿遅れるかもしれません。でも、失踪だけは絶対にしないので安心してください。これからも、龍の牙と龍の腕を宜しくお願いします!




