親切と炒飯
前書きって一番面倒くさくね?干からびたナマコです。第十六話、投稿しました!
「…まじか。」
衝撃の事実。恐らく恩人=学校の数学の先生。世界は狭かった。
「一応聞くけど、素顔とかわかる?」
「…特徴的なところと言えば、地毛は金髪だが、もみあげだけ黒く染めてたな。」
あ、確定だ。間違いなく先生だ。やはり世界は狭かった。
「まじか〜。」
「お前さっきからまじかしか言ってないな。」
そりゃそうでしょ。まじかって言うしかない。
「ていうか、敵の素顔まで知ってるんだな。」
「…………まあな。」
そう言うと、亜守斗はまた黙り込んだ。
「知ってる理由は、聞かない方が良いか?」
「ああ。」
「わかった。お前の敵に対して割と親切な心に免じて止めておこう。」
「…………そんなに親切か?俺。」
「うん。まあぶっちゃけ気抜けるから有難いけど。」
「……少しは警戒しろ。じゃあな。」
そう言い残し、亜守斗は部屋を出て行った。
「じゃあな〜。」
あ、言われたそばから全然警戒してない。
いかんいかん、亜守斗は優しかったけど、他のやつは違うかもしれないし、気を付けないと。
「飯だ。」
蟻頭がやって来たかと思うと、そう言い残してフランスパンと水を出して歩いて行った。
「おい待て。」
飯を持って来た蟻頭を呼び止める。
「何だ。」
「…もうちょっとくれても良くない?」
「は?」
蟻頭が首を傾げ十秒くらい止まったかと思うと、また歩き始めた。
「待て待て待てめて待て待て」
途中噛んだが、流石にこれだけ言えば蟻頭も振り返った。
「何だ!」
「いや、ご飯少なくない?そんなに食料無いの。」
「あ、そう言うことか。」
いやそれ以外に無いだろ。
「あるにはあるが、昼飯の余りで良いか?」
「何がある?」
「ちょっと待ってろ。」
そう言って蟻頭は懐からケータイを取り出した。
…………あるの!?
「もしもし、こちら赤蟻部隊の剣兵ハルグ。ああ、大した用事じゃない。今日の昼食の余りはあるか?…あるんだな。何が余ってる?」
それから暫くして、ハルグが声をかけて来た。
「炒飯が余ってるそうだ。」
「大盛りで。」
半ば無意識に即答していた。
いやでも炒飯だよ?フランスパンと水だけのところに炒飯来たら喜ぶでしょ?………俺は誰に向かって喋ってるんだ?
「大盛りって、飯屋じゃないんだぞ。…………まあ良い。とにかく、持ってくるから大人しく待ってろ。」
「なるべく早くねー!」
そう言ってハルグを見届けると俺は部屋のベッドに寝転んだ。
「よお。」
…………ん?
声のした方を向くと、見覚えのある顔が天井から覗いていた。
「荒ぎ」
「しーーっ。」
叫びそうになった俺の口を荒斬が塞ぐ。
「静かにしろ。バレる。」
「え、何でここに?(小声)」
「お前を助けに来たに決まってんだろ。(小声)」
「そんな簡単に来ること出来るの?(小声)」
「馬鹿。俺だから出来るんだよ。」
荒斬が胸を張る。若干子供っぽいけど普通に頼もしい。
「ありがとな、助けてくれて。」
「!ま、まあな。ありがたく思えよ!」
荒斬は恥ずかしそうに顔を逸らす。こいつも照れるんだ。裸でも動じないのに。
「話は済んだか?」
「え。」
「あ。」
部屋の外を見ると、さっきのとは別の蟻頭が立っていた。
「よし、龍牙。」
「…何?」
「帰る前にちょっと運動しないか?」
「荒斬、こっちを見ようか。」
「…どっちの声も煩かったってことで。」
「……そうだな。まあ取り敢えず、」
アイツ倒さなきゃな。
「龍牙、下がってろ。」
そう言いながら荒斬は蟻頭に向かってゆっくりと歩いていく。
「抜刀術…『滝登り』!」
荒斬が抜いた刀は綺麗に上方向に振るわれ、蟻頭の頭を真っ二つにした。
「つ、強えー!」
「いくぞ、龍牙!」
戦いでスイッチが入ったのか、さっきとは違う凛々しい声で荒斬が俺を呼んだ。
「変身しとけ!いつ戦闘になるかわからん!」
「わかった!」
炒飯、美味しいですよね。どうでもいいですが僕の好物は大トロです。贅沢ですね。皆さんの好物は何ですか?もし良ければ感想に書いて下さると次回からの後書きで紹介したりしなかったらするかもしれません。まあそんなことはともかく、第十六話を読んでいただき有難う御座いました!




