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龍の牙と龍の腕  作者: 干からびたナマコ
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変装と再戦

最近暑かったり涼しかったりします。干からびたナマコです。第…………何話だこれ?

「そう言えば、この世界で年月ってどう言うんだろう?」

最近涼しくなって来たから、十月くらいだと思うんだが。

そんな事を考えながらコルソテクの商店街から帰る今日この頃。俺はこの世界に大分馴染んできていた。

「っと、荷物がデカイな…」

キョジン撃退戦以来、俺は変装セットを常に持ち歩いていた。

というのも、撃退戦の時にあの場にいた記者たちが俺のことを「正体不明のヒーロー」として記事にしたせいで素顔であの左腕を出したら一発アウトなまでに噂が広がってしまっているからだ。

「あ、行き過ぎた。」

周りの建物が似ているせいか、度々家を通り過ぎてしまう。早く土地勘をつけないと迷子になりそうだ。

「ただいまー」

玄関のドアを開けて入ると、ノレアはリビングで寛いでいた。

「買い物行って来たぞ。」

「ありがとー。今日のご飯は?」

「カレーと生ハムのサラダだ。」

「はーい。あ、そうだ。」

ノレアは何かを思い出したようで、小走りでこちらに歩いて来た。

「あの大っきい荷物何?」

あー、変装セットか。なんて言って誤魔化そう。

「それはだな…」

「何?なんかいけないものでも入ってるの?」

「いや、そうじゃ無いんだけど…」

「じゃあ何?」

仕方ない、ここは切り札を使うか。

「その…、な?ちょっと、アレでな?」

「アレって、何?」

「エ、エッチなやつ…。」

その一言で、ノレアの顔が真っ赤に染まった。

「…持ち歩いてるの?」

ノレアが真っ赤な顔でこちらを見つめながら聞いてきた。

「まあ…訳あって。」

「…………そう。」

ノレアから誤解された可能性は大いにあるが、まあとりあえず深く言及されなかっただけ良しとしよう。


夕食を取った後、俺は夜の散歩に出ていた。

「ここって虫いないんだよなー。最高。」

虫が大の苦手な俺にとってはかなり良い事だ。気兼ねなく散歩ができる。

「はあー、風も気持ちいいし、言うことなし」

「キャーーー!」

…言うことなしだったのに!

まあとりあえず落ち着こう。焦っちゃいけない。人目を確認して、着替えて、

「よし、変装完了!」

そして、声がした方に急いで向かってみるとそこには…

あの蜘蛛男がいた。

「ヨゥ!久し振りだな!」

「…やっぱり、生きてたか。」

俺の言葉に蜘蛛男が指を振りながら答えた。

「オイオーイ、死ぬわけ無いだろぉ。酷いゼェ。」

「黙れ。今度は逃さん。息の根を止めてやる。」

「え?え?」

…そうだ。叫び声がしたから来たんだった。

「おい、逃げろ。この場は俺が片付ける。」

「わ、わかりましたわ!」

「…………これで二人だな。」

「オーケイ。決闘をお望みってわけか。」

「…行くぞ!」

身を低くし、蜘蛛男に接近する。こいつは糸に気をつければ良いはずだ。

「喰らえ!ヒャッハー!」

糸を山なりに発射した。ということは

「フン!」

「アウチ!?」

「その撃ち方だと、懐がガラ空きだぞ。」

急接近すれば当たらない!

「死に晒せ。」

蜘蛛男の背後に回り込み、首を強引に回転させると、流石にこの怪物も生き絶えたようだった。

「ったく、散歩の途中だったのに。」

「あ、やっつけてくれましたのね!」

声のした方を見ると、先程の女性がこっちに走ってきていた。

「おい、隠れてろと言ったろ。」

「す、すみません。カッコ良かったので、つい…」

…この姿になるとフェロモンでも出るのだろうか?

「まあいい。大丈夫なら」

「えいっ!」

…………あ!?しまった、ヘルメットを!

「へえー、ヘルメットの下は何もつけてないんですのね。」

「おいお前、勝手に…!」

彼女は焦る俺の唇に指を当て、俺の口を塞ぎ、

「大丈夫ですわ。誰にも言ったりしません。ですが私、あなたを気に入ってしまいましたわ。そうですわね……。」

「今度、私とデート致しません?」

妖艶な笑みでそう言った。

前書きでは誠に申し訳ございませんでした。第十二話でした。次回も是非、読んでください!

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