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龍の牙と龍の腕  作者: 干からびたナマコ
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避暑と悩み

アイ◯ボーンのラスボス〔自主規制〕倒しました!干からびたナマコです。第十一話投稿しました!

キョジン撃退戦の翌日、俺らはコルソテクに戻っていた。

「あ〜、疲れた。」

「そう?何もしなくて良かったし、お風呂もベッドも気持ちよかったけど。」

「まあ、確かにそうだったけど、荒斬がなぁ。」

結局あの後俺の部屋で過ごしやがったからな。しかも酒飲む上に酒癖悪いし。

「何かされたの?」

ノレアが心配そうに聞いてくる。あんなことがあったし、無理もないだろう。

「いや、悪気はないだろうから大丈夫。」

「それなら良かった。」

「ところで、仕事のスケジュール聞いてないんだけど、次の仕事いつだ?」

「大規模作戦が成功したから、一週間くらいは休みだよ。そんなことより、」

「そんなことより?」

ノレアがやけにワクワクしている。何かあったっけ?

「…あの人が来てたの。」

誰だ?

「わ、私の、大好きな人!」

…俺じゃね?

「ど、どんな奴だったんだ?」

俺の質問に、ノレアがまるで我が子を自慢するように言った。

「顔はわからないけど、黒い腕のとっっってもクールな人!」

あー、俺だ。

「龍牙がトイレに行ってる間に去って行っちゃったの。見せてあげたかったなぁ。」

「人の足を引っ張る迷惑な人たちをビシッと叱るあの姿、彼こそまさしく正義の味方だわ!」

恥ずかし〜。滅茶恥ずかしー。

「そうか、また会えるといいな。」

「うん!」

ノレアが笑顔で答える。…コルソテクでパトロールでもしようかな?あの姿で。

そんなことを考えていると、額を汗がつたっているのを感じた。

「…暑いな。」

「確かに。私涼しいスポット知ってるけど、行く?」

「行こう。」

俺は即答した。


「ここよ。」

「あ〜。風が気持ちい〜。」

ノレアが連れてきたのは、湖のほとりだった。風が涼しく、木陰もある。この世界クーラー無いから涼しい場所があるのは有難い。

「あっ!龍牙、みて!大っきな魚がいるわ!」

ほう、どれどれ。あれは…

「あれ、魚?」

なんかめっちゃ機械っぽいんだけど。

ん?機械?なんか覚えが…

「…あのロボだ。」

いやまだだ。あのロボの味方と確定したわけじゃない。ちょっと機械っぽいだけだ、きっと。

「目標確認、魚雷発射。」

オワタ。敵確定だ。マジオワタ。

「ねえ龍牙。魚雷って何?」

「…簡単に言えば水中爆弾、かな?」

よし、まず逃げよう。木っ端微塵にされたら敵わない。魚雷なんて食らいたくない。

「目標、静止。魚雷、目標に向かって接近中。」

「ノレア、逃げよう。」

「なんで?」

は?

「なんで、って逃げるに決まってんだろ!死にたいのか!?」

「え?でも…」

「魚雷、接近中。目標、未だ動かず。」

まずい。水中から何かが近づいてきてる。しかも既にかなり近くに来ている!このままじゃ…

「水中用の爆弾なんでしょ?」

…ノレアの言葉と同時に、俺たちではなく、岸が爆発した。

「「……………………」」

沈黙が流れる。そうじゃん、陸地にいれば安全じゃん。

「どうしたの?」

「いや、すまん。俺が間違ってた。」

「?」

その時、水面から勢いよく何かが飛び出してきた。

「魚雷攻撃、失敗。肉弾戦で、相手を捕獲します。」

まずいな。一応外出用の荷物の中に身分を隠すように買った服やあのフルフェイス(この世界では土木関連の人が安全のためにつけてるらしい。)を入れてるが、ノレアがいるからな…

「龍牙、逃げて!ここは私が!」

やったぜ。これで着替えれる。

「気をつけろよ!」

そしてある程度離れたら、着替えて変身完了!

「そこまでだ。」

「あ!ヒーローさん!」

ノレアが真っ先に反応する。超良い笑顔だな、おい!

「話は後だ、今はこいつを!」

「は、はい!」

「対象の覚醒を確認。ロッククラッシャー、加勢してください。」

水中から出てきたロボがそう言うと、地面の中から手がドリルになっているロボが出てきた。

「2対2か、しょうがないねえ。」

こっちはなんか人間臭いな…

「ま、仕方ないか!」

そう言いながらドリルロボ(さっき名前言われてたけど忘れた)が振り下ろしたドリルを躱し、頭部に蹴りを打ち込む。

「がっは!ひどいなぁ。」

ドリルロボが立ち上がると同時に、ドリルロボの背後から魚雷ロボが飛び出してきた。

「魚雷、投下します。」

「任せください、はあ!」

魚雷と魔法がぶつかり合い、空中で爆発を起こす。

「隙あり!」

爆発の煙に紛れ、ドリルロボが奇襲を仕掛けて来た!

「ぐっ!」

間一髪とはいかず、脇腹が少し抉られるのを感じる。激痛が走るが、やられるわけにはいかない。

「はぁぁぁぁ!」

ノレアがこちらに魔法を飛ばし、ドリルロボを吹き飛ばす。

「ナイスだ!」

すかさずロボに駄目押しの左ストレートをかます。だが、ただ殴っただけではない。

「ロッククラッシャー、止まりなさい!」

「いや、…無理!」

ロッククラッシャー(だったな、そういえば。)は魚雷ロボに激突し、二人揃って湖に落ちていった。

「一件落着、か?」

「あ、あの…」

ノレアがもじもじしながら寄って来た。

「覚えて、ますか?」

正直覚えてるもクソもないが、ここは落ち着いて言葉を選ばなくては。

「ああ、前に二回あったな。」

「あ、昨日、気づいてたんですか?」

「ああ。」

ノレアが顔を赤くして俯く。正直抱きしめたいが、我慢我慢。ヒーローを演じなければ。

「あ、あの、私…」

「あなたのことが好きです!付き合ってください!」

オウッフ。まじか、気が早いだろ。

「それはできない。」

「な、なんでですか?」

「俺らはまだ他人だ。始めるなら友達からだろ?」

「そ、そうです、よね…」

ノレアがションボリする。ションボリしたノレアも可愛いなぁ。

「…俺は人前にはあまり出れないが、まあ、たまにここで会うのは構わないぞ。」

「本当ですか!」

「ああ、ただし来る時は、ちゃんと家の人に一言言うんだぞ。」

「はい!」

ノレアが満面の笑みで答える。嬉しそうで何よりだ。

「じゃあまた。」

そう言って俺はその場を離れ、全速力で家に帰った。


「龍牙!またあの人に会ったの!」

帰って来たノレアの第一声はそれだった。

「やっぱりカッコよかった!しかも、お友達にしてもらえたし!」

「そうか、それは良かったな。でも、そんなにお前に好かれてるそいつが羨ましいよ。俺がお前に告白しても100%失敗だからな。」

「うーん、龍牙には色々面倒見てもらってるけど、ごめん。」

「いや、告白したわけじゃなくって、お前が一途なんだろうなって思って言ったんだよ。」

そう言ったが、これにはもう一つ意味があった。

ノレアが好きなのは「ヒーロー」であって俺ではない。例え同一人物でも、前者は俺が演じているものであって俺ではない。そのことを確かめる意味が、その言葉にはあった。

というわけで、十一話はこれで終わりです。次回も楽しみにしていてください。

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