表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/11

5.ゲームシステムについて

 この章では、実際のセッションで使われたシステムについて解説します。

 このシステムは当方のオリジナルシステムでありますが、既存に使われているシステムの扱いやすい部分を少なからず採用しております。どこかで見たことがあるような表記や判定方法がありますが、元となったシステムと全く同じやり方をしていることはありません(どこかしらに違いがあります)ので、オリジナルであると入っても問題は無いと考えております。

 また、特殊な用語(2d6)等については補足説明を省きます。テーブルトークRPGをやっている人ならまぁ理解出来るだろうと考えているからです。



基本能力値


 一般的な動作を行う場合に使われる能力値です。各能力値は5~10までの数値で表記されています。

 個人の能力において判定を要求される場合は、2d6を振り、該当能力値以下をだすことで成功となります。

 また、この場合ダイス目が一ゾロの時にクリティカルとしより有効的な結果を導き出せます。六ゾロの場合はファンブルとしてより大きな失敗として処理を行います。


 複数名以上で競い合う場合は、該当能力値+2d6で判定し、より大きな判定値を出した方が勝利となります。

 戦闘における攻撃、防御などにも使われる判定で、判定値が同じ場合は原則受動側有利としております。

 また、この場合ダイス目が六ゾロの時にクリティカルとしより有効的な結果を導き出せます。一ゾロの場合はファンブルとしてより大きな失敗として処理を行います。


 各種判定を行う場合、マスターの判断により判定値に+4~-4の範囲で補正が入ります。判定を行うキャラクターの能力や職業、経歴などから補正が必要と判断した場合に課されるボーナスとペナルティです。



 基本能力値は次の四つになります。


体力:腕力や持久力などを利用した判定に用いられます。また体力と同じだけダメージを受けると死亡します。


 技術:手先の器用さや素早さを要求される判定に使われます。攻撃や防御もこの能力を利用します。


 知力:知識を中心とした判定に使われます。魔法的な判定にも使われることがあります。


 運:偶然性を求められる判定に使われます。知覚判定にも利用します。



 以上の能力値は基本的に変動しません。

 体力のみ死亡までのダメージを確認するために変動するように見えますが、それは判定値とは別に表記されることになります。

 なお、これらの能力値はプレイヤーキャラクター用であり、それ以外のNPCに関しては上限、下限値を越えた能力を持つキャラクターも存在します。





 戦闘ルール


 セッション中に戦闘シーンが多々あるように、戦闘に関しても簡単ながらルールがあります。

 戦闘シーンでは以下の順番で行動解決を行います。


1.イニシアチブの決定


 各集団毎に1d6を振り、大きい目を出した集団から順番に行動します。集団内での行動順は、キャラクター内の話し合いで都度自由に決定します。

 このイニシアチブは一度決定したらその戦闘シーンの間変更されません。



2.各キャラクター毎に行動する


 一つのラウンドは概ね10秒となっています。各キャラクターはその時間内に出来ると思われる行動一つを行うことが出来ます。

 例えば、「移動して攻撃する」「特定人物を庇い続ける」「様子を見ながら待機する」などになります。

 ただし、特定目標から攻撃を受けた場合、その回避はこの行動に含みません。攻撃を受ける限り何度でも回避行動を行うことが出来ます。もちろん、一つのラウンド内で何度も攻撃を受けるような場合は、マスター判断で回避にペナルティーをつけることもあります。



3.攻撃行動


 行える行動の内、特定目標に対してダメージを与える行為。これを攻撃行動とします。一般的には目標と自身の技術+2d6を比べあい、攻撃者が目標のダイス目を上回る事で成功となります。

 攻撃が成功した場合、目標に1ダメージを与えることになります。なお、このダメージは装備している武器や状況に応じ、マスター判断で増減します。



4.特殊スキルの使用


 各キャラクターには特殊スキルを取得している者がいます。それを使用する場合にはそれを宣言することで実行が可能です。

 宣言はマスターに伝われば良いので、耳打ちや、メモを利用して宣言することも可能です。

 宣言後はマスター判断により判定を追加したり、その場で処理したりします。

 特殊スキルでダメージを受ける場合、ダメージを受けた側が運チェックを行うことで、そのダメージを減少することもあります。





 ダメージと回復


 戦闘や障害によりダメージを受けることがあります。

 ダメージ総量が体力の能力値を超えると死亡となります。死亡から回復する手段はありません。

 基本的に受けたダメージを回復するには、十分な休息を必要とします。一晩の睡眠を伴う十分な休息を行うことで1ダメージを回復することが可能です。

 あるいは数日間の休養を行うことで、ダメージの全回復が可能です。






 以上でシステム説明を終わります。

 セッションを行う上で必要なシステムはこれだけ十分です。特筆すべき点が殆ど無いベーシックなシステムであると理解いただけたでしょうか。

 一応ファンタジー用のシステムとして作られましたが、現代物であっても対応可能なシステムとなっています。

 細かいルールが少ないと言うことは、マスター判断が増える事を意味しますが、それになれてさえいれば、システム的な判定でセッションが滞ることはありません。どんな状況であってもテンポ良く進めることが出来ます。

 これが、「システム的に進行阻害が起きないようにする」という事になります。


 とは言え、これだけですと消化不良な部分があると思いますので、追加解説を行います。



 まず、このシステムで戦闘すると、死亡するまで時間が掛かるのが判ると思います。命中判定に成功すると1ダメージですが、体力値は5~10あります。速い人でも5回ダメージを受ける必要がありますし、多い人ですと10回攻撃を受けるまで死にません。

 そう言う意味ではキャラクターが死ににくいシステムと言えましょう。

 ちなみに、シナリオ冒頭に出現するゴブリンは技術5、体力3と設定しておいたので、簡単に倒すことが出来ました。

 その事から、プレイヤーキャラクターは一般人より遙かに強いキャラクターであると理解して貰えるのではないでしょうか。


 では、プレイヤーキャラクター同士の戦闘ではどうなるでしょうか。特に高い戦闘力を持つディオンを例に取ってみましょう。彼女の特殊スキルは以下の通り。


 相手に剣から生じる衝撃波を当てる。ダメージ1d6/消費1。

 高速移動で間合いを詰め、瞬時に十数回切る。ダメージ2d6/消費2。


 ここで書かれている消費とは、技を使用するときに使う体力消費です。文字通り身を削って行う攻撃となります。

 しかし与えるダメージ量は凄まじいの一言です。特に2番目のスキルは、体力値が最高の10であっても一撃で倒す可能性があります。運良く一撃に耐えられたとしても、もう一度追撃を食らえばほぼ確実に相手を倒すことが可能です。



 このゲームでのプレイヤーキャラクターは、ある程度までのダメージに耐えられるよう設定されています。その上で、回復速度を遅くし、全体として余裕度を減少しています。

 さらに、特殊スキルの存在によって、一気に死亡する可能性を引き出すことで、瞬間的に緊張感を高める事を演出しています。

 この、特殊スキルですが、その多くはキャラクターの特徴を表すために設定されています。実際盗賊系のスキルの殆どはセッション中に使われることがありませんでした。 

 キャラクターのヴィジュアル面を補強するためのフィーリングであるとも言えます。


 今回のセッションにおいて重要な意味を持つ特殊スキルと設定は以下の部分にあります。


 ディオン:致死性の攻撃スキル。


 多数の略奪者から聖剣を含む荷物を単独で護ることが可能と思わせる。実際スキル使用後はコーディを除くプレイヤーから畏怖の目で見られていました。



 ディス:聖剣を奪取する。


 ディスの役割は吊り橋のシーンで、各キャラクターの設定が動き始めるきっかけの一人となることです。

 聖剣奪取が目的である彼女は、何らかのアクションを起こす必要があります。そのアクションを増幅してやることで事態が最終局面へと変化していきます。

 今回のセッションでは、他者のアクション後に行動したため出遅れてしまいました。



 コーディ:魔族の正体を現せる。


 特殊設定の側面が強いこの能力は、最終局面において絶対的な力を象徴します。人間対魔族という構図を表現する一面も持ちます。魔族の存在に聖剣は強く反応し、クーナ(グェン)がその存在に気がついて目覚めるきっかけともなります。

 正体を現したコーディを倒せるのは聖剣を所持したクーナ(グェン)だけになります。

 今回のセッションでは吊り橋の反対側にクーナが行ってしまい、物理的に離ればなれになってしまいました。その為、魔族に変化した後は無双状態になっています。



 キース:闇の暗殺術。


 クーナ(グェン)を暗殺すると言う目的を持ちます。死の恐怖をクーナに与えることで聖剣の勇者として目覚めさせるきっかけともなります。

 同時に、リリーに対して母親を殺した人物であると気がつかせる事にもなります。

 今回のセッションで、一番最初に行動したのがキースです。自分にとって最も有利なタイミングで吊り橋を落としました。これによって高い戦闘力を持つメンバーとの分断に成功しました。

 担当プレイヤーに低い戦闘力と思わせて、分断の除外となったリリーが娘であるとは、彼女と戦闘になるまで気がつきませんでした。

 どんな状況であれ自分の娘に気がつけないのか? という疑問があるでしょう。これについては、自身の手で殺したと思っていることと、その時精神的にダメージを受けた結果人のことを暗殺対象かそれ以外としか思えなくなった。と言う設定の元に処理しています。



 リーブ:クーナ(グェン)との肉体入れ替え


 魔法的呪い。として処理されている特殊能力。

 マスターとしては出来る限りクーナに生き残ってほしいところからこの設定が生まれました。この能力があればそう簡単にクーナが死ぬことはない。

 なので、彼女と敵対する予定のコーディとキースには遠慮無くクーナを攻撃してもらって構いませんでした。

 セッションにおいても無類の強さを表し、キースからの暗殺術から見事クーナを守り切りました。



 クーナ(グェン):王家の血(聖剣の勇者)


 キャラクター説明では僅かしか触れられていませんが、王家の血を引いており聖剣の勇者でもあります。

 聖剣がその力を発揮したいと思うとき。つまりコーディがその正体を表したとき、聖剣の勇者として目覚めることが出来ます。

 今回のセッションでは物理的距離が離れていたために最後までそれを発揮することは叶いませんでした。



 リリー:母親をキースに殺された。


 キースの娘であり、母親を殺され自分も死にかけました。そして最後にはそのキースが自身の父親であることに気づきます。

 何故そのようなことになったのか。本来ならキース自身に語ってもらいたいところでしたが、残念ながらその前に命を奪うことになってしまいました。



 イェルム:リリーのフォロー。


 個人的に見ると、大きな目標設定が実はありません。強いて言うなら生き残ることが目的です。こうやって書くと、他のキャラクターに比べて重要度が低く見えますがそんなことはありません。

 ある意味マスターの予想通りというか、リリー役プレイヤーの気づきの遅さを見事にフォローして貰えました。イェルムが居なければリリーはキースが父親であると気がつかずにセッションが終わっていたと思います。

 吊り橋の崩落によってキャラクターが分断されました。その分断がある意味上手くいったのはイェルムが自身の安全を確保するために、高火力のキャラクターを見抜いてそこから離れていたからと言えるでしょう。






 いかがでしょうか。

 システムの根幹部分は簡略化されていて、初めてこのシステムを遊ぶ人であっても悩む必要が無いと思います。

 特殊設定やスキルの存在は、システム的にシナリオを作り出しているとも言えるでしょう。

 シナリオの補助としてシステムが存在する。特定のシナリオを行うに当たってシステムを改変、調整するのはありだと私は思っています。

 私の場合ですと、シナリオを思いつくのが先で、それをやるに当たってちょうど良いシステムを探す感じです。まぁ、大概の場合、ちょうど良いのがなくてフルスクラッチでシステムを作ってしまいますけどね。

 そうして出来上がったシステムは、そのシナリオ用ですから、セッション(キャンペーン)が終了したら使い捨てます。

 たまにもったいないという意見を聞きますが、そんなことはありません。そのシナリオ用に特化して調整されたシステムですから、他のシナリオをやるには不都合が多すぎます。その不都合を細かく調整するぐらいなら、改めてフルスクラッチする方が簡単で有効的なのですから。

 より個人的な意見を言わさせていただくと、ある特定のシナリオをやるばあい、それに最も適したシステムは一つしか無い。であればシナリオ毎にシステムを作るのはむしろ当然である。そのように私は考えています。

 なお、単発シナリオよりもキャンペーンシナリオにおいてその傾向が高くなります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ