トアャシウコウコッガ×× ←
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コード14はその場にしゃがみ、俺を見上げながら言う。
その大きな瞳は夜にも拘らずキラキラと輝いている。
手に握られた透明な石のようだと、少々ロマンチックに語ってみる。
「調査だよ」
「コード14は?」
「サヤはね、ユウヤくんに頼まれてここに来たの!」
この名前を聞いて俺は少々戸惑う。
今日は幼女だけではなく、高位の死神達との関わり合いが多い日だ。
とは言っても、実際に会ったのは白い死神だけなのだが。
俺はぐるぐると回るような空を見上げた。
コード02の指示でコード14がここにいると言う事は、この「漂うもの」は非常に強力なのだろう。
「ユウヤくんには言われてないけど、なんならレオくんのお手伝いもするよ?」
コード14はしゃがんだまま石を落した。
地面に触れた瞬間に石は砕けて粉が一面に広がる。
ダイヤモンドダストのように、月の光の照らされながら煌いた。
それをしばらく見ていると、コード14は納得がいったように頷いた。
そしてランドセルから豪華な宝石箱を出して、その蓋を開けた。
その宝石箱に空間に漂っていた光が吸収される。
全ての光を回収後に蓋を閉じて大事にランドセルにしまった。
「何かわかったのか?」
「うん」
「相手のステータスぐらいはね」
ゲームで使うような言葉だ。
コード14が言うには、この状況は自分がゲームの博士役になったようなものだという。
戦う能力はないが、モンスターを解説して主人公をサポートする。
その役でいいと、目の前でクルクルと回る幼女は満足しているのだった。
「敵を知るのはゲームでも重要な事だよ」
「もちろん、人生でもね」
人生、または……神生だ。
手を後ろで組んで、前屈みに話しかけられる。
上目遣いで、調子のいい笑顔で。
「そうだな」
「俺もそう思うよ」