クタジノ01ドーコ ←
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「さて、今回のシニガミコードで君はコード10に上がったんだっけ?」
目の前の死神は足で床を撫でながら言った。
俺は不快だったから、顔を顰めてこう返す。
「なんで俺の家にいる?」
「そんなそんな」
「2階の部屋の窓が開いていたからって、木を登ってそこから入ったなんて」
「とてもじゃないけど言えないなー」
死神はわざとらしく右手の人差し指を頬にあてた。
そしてチラチラとこちらを見ながら、またまたわざとらしく言う。
顔が赤くなったかと思えば、せせら笑うように表情を変えた。
「安心しろ、君が今抱いているであろう下心も、ベッドの下を見て納得がいっている」
「ノーマルなエロ本で安心した」
「そして君はそこまで普通が好きか」
間髪いれずに死神は連続で言った。
言い切る頃には表情は既に皆無だった。
表情が垣間見えたと思ったら、またすぐに皆無になる。
歪であり、歪んでいる。
「勝手に家に入るのは不法侵入って習わなかったか?」
俺ははっきりと、真っ直ぐに死神の目を見て言った。
死神はくるりと回る。
スカートが広がり、黒髪が揺れて、楽しそうにそう言った。
「それは人間の法だから( )にしか通用しない」
「今の私は、死神だ」
これが死神の言う事か。
人間らしく横暴で、すべてが特別だと思っている人格破綻者。
それでいて他人には関心で、自分には無関心。
笑顔だけで構成されている、白い死神である。
「どんなに普通を語っても、君の本質は騙れない」
「さて、本題に入ろうか」
そう言ったのはコード03の死神だ。
俺の意見は無視だ。
それでもこの死神は何も感じていない。
なぜならば、無知だから。