第一話 始まり
ふと思い立った内容を書き出してみた。話の全容を自分自身で掴み取れたらちゃんと書く。
それまではダイジェストのような書き方で進めていく。矛盾するところ、こうした方がいいのではないかなどの意見があれば書いてほしい。むしろそういうものを得るために今回は書いた。
高校3年生の主人公たち4人は卒業旅行の途中だった。
不幸にも突然の事故が彼らを襲った。
大雨の影響による土砂崩れが起こり、トンネルごと押し流されてしまう。生存は絶望的だった。
事実、事故当初に発見された死者は26名にものぼった。
しかし、卒業旅行中だった高校生ら4名の姿だけ見当たらなかった。
捜索隊による必死の捜査活動も何も成果を上げることなくただ時間だけが過ぎてゆく。
一週間後、捜索隊は捜索を断念。その日、死者の数に新たに4人の名前が追加された。
ここは、数ある世界の内のその一つ。
とある山の奥で、4人の男が目を覚ました。
この世界ではまず見ることのできない化学繊維の衣服に身を包んだ男たち。
それは全身に傷を負いながら奇跡的に生き残った卒業旅行中の高校生4人組だった。
彼らは自分たちが無事であったことを祝ったが、すぐにそんな空気は霧散してしまった。
見渡すばかりは見慣れぬ木々に囲まれた森の中。住み慣れた場所とは明らかに違う森の空気に彼らは背筋に薄ら寒いものを覚えたのだ。
だが、兎にも角にも行動しなければ始まらない。ここはどこなのか。自分たちはどうなったのか。
まずは状況を確認するべく行動する彼らだったが、行けども行けども見慣れぬ植物や動物に囲まれており、あっという間に気が滅入ってしまった。
「ここは、日本じゃない。何か、別な世界だ」
そう呟いたのは誰であったか、無知というのは時に心の平穏を保ってくれる物であるが、今彼らは理解してしまった。知ってしまった。
ーーそう、ここは自分たちが住んでいた世界ではないのだと。