Act.0:6/29
四月。出会いの季節。
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蕾が花が咲く
命の香り。
眠りから覚める
未来の日射し。
たまごが孵る
始まりの音。
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理由はない。ただ飛べると思った/───飛翔
空が広がる。青い。何処までも/───気持ち悪い
あの白い雲はない。キラキラ/───残念
またあの景色が見えることが出来るだろうか/───不安
見たいな。綺麗だったな/───羨望
飛べば見れる/───あ、羽、忘れた
白い/───ま、大丈夫
景色/───憧憬
足下が硬い/───あっ、
地面が恐い。ぐらぐら/───そういえば
怖い。恐い。コワイ/───今日は
早く逃げよう。早く飛ぼう/───確か
あの白い景色へ。彼女に捧げよう/───入学し、──────────────────── ────── ────────── ────────── ───────── ─────────ぐしゃり
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命の鎖/命の腐り
命の連鎖/命の怨鎖
羽ばたく/苦しむ
飛翔/死翔
墜落死/終楽死
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鳥が落ちる
終わりの音。
眠りに誘う
宵の暗闇。
蕾が花が枯れる
命の腐臭。
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四月。別れの季節。
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色鮮やかな命の色彩。巡る円環。循環する生命。その中からこぼれる。結露した水滴が墜ちるようにまた一つの命がこの世から別れを告げた。