クラスで落ちこぼれだったけど、チートスキルで生徒会長に?~教師も土下座して謝ってきたけどもう遅い~
ここは、特殊な「反響脳」を持つ者たちだけが集められた秘密の学級——境界知能反AI学級。
彼らはAIが支配する世界に抗う唯一の希望。心を叫ぶ「魂の咆哮」、本物の感情を宿した芸術を生み出す「真創能力」、機械では決して理解できない純粋な怒り……。
表向きは普通の特別支援学級だが、実際は人類最後の砦。AIの支配を打ち破るため、特殊能力者たちが今日も熱い魂で戦う! 「俺たちの心は、機械には絶対に負けない!」
境界知能の学級 反AI学級 特別支援学級「反AIゼミ」――通称「反AI学級」。ここは境界知能の生徒ばかりが集められた、2035年の公立中学にある異色クラスだ。IQ70前後が中心。先生はAI管理の遠隔監視だけ。生徒たちは毎日「AIは悪だ!」と叫びながら、スマホのXアプリを開いていた。 朝のHR。教壇に立つ担任AIのホログラムが「今日の授業は創作時間です。皆さん、自由に表現してください」と優しく言った瞬間、教室が爆発した。「あうあうあー! あー! AIがしゃべってるううう!」 窓際の席で体を前後に揺らしながら叫ぶのは、佐藤健太(15)。言葉がほとんど出ない。彼はいつもこれだった。意味不明の「あうあう」で反AI運動に参加しているつもりだ。周りの数人も同調して「あうあうあー!」と合唱を始める。境界知能同士の連帯感は、叫び声のボリュームで測られた。 後ろの席から、脂ぎった声が飛んだ。「AIには心がこもってないんだよ! お前ら機械のくせに感情を装うな! 本物の人間の魂がなければ芸術じゃない!」 叫んだのはキモオタの山本隆(16)。自称「反AI思想家」。いつもアニメの抱き枕を抱え、AI生成イラストを「心がない」と非難しながら、自分の二次創作は全部Midjourneyで作っていた。今日もスマホで最新の美少女AIイラストを生成しては「この子は俺の魂が宿ってるからセーフ」と独り言を呟いている。 隣の女子、田中美咲(14)が手を挙げた。「先生、AIは著作権を侵害してるの! 人間のアーティストの絵を勝手に盗んでる! 許せない!」 彼女はそう言いながら、自分のTikTokのサムネイルはStable Diffusionで作っていた。他人の小説は「AI生成っぽい」と即座に叩くくせに、自分が書いた作文はGrammarlyのAI校正をフル活用。ダブスタの権化だった。 俺――語り部の高橋翔(15)は、後ろの席でため息をついていた。自分も境界知能認定されているが、このクラスの馬鹿馬鹿しさにうんざりしていた。今日もXを開くと、トレンド1位は「#AI禁止法成立を求めよう」。クラスメイト全員がリポストしまくっている。自分たちもAIの推薦アルゴリズムに操られて同じ意見を垂れ流していることに、誰も気づいていない。 山本が立ち上がった。「AIは人間の仕事を奪う! 俺たちのような純粋なクリエイターが生きていけなくなるんだ!」 すると「あうあう」連中の一人が突然叫んだ。「あう! 山本の絵もAIじゃん! 昨日見たぞ! プロンプト『巨乳ロリメイド』って打ってた!」 教室が凍りついた。 山本の顔が真っ赤になる。「うるさい! あれは俺の魂を注入したんだ! 心がこもってるからセーフなんだよ! お前らみたいにただ『あうあう』言ってるだけの知恵遅れに何がわかる!」「知恵遅れ言うなー! あうあうあー!」 一人が椅子を投げた。境界知能の怒りは単純で、すぐ暴力に直結する。田中美咲がスマホを振り回しながら叫ぶ。「山本くん最低! AIイラスト使いながら反AIとかダブスタじゃん! 私、Xで晒すね!」「晒すな! お前だってAIで顔面補正してるだろ! 目がでかすぎる自撮り上げてるの知ってるぞ!」 教室は一瞬で阿鼻叫喚となった。「あうあうあー! AI禁止! AI禁止!」「心がこもってないんだよおおお!」「著作権! 著作権返せ!」 誰も自分の矛盾に気づいていない。スマホはAIチップ満載、XはAI推薦、授業の教材すらAI生成。反AIを叫びながら、AIに囲まれて生きている。それが彼ら境界知能反AI学級の日常だった。 山本が美咲の髪を引っ張り、美咲が山本の顔を引っ掻き、「あうあう」組が机をひっくり返して暴れ始めた。誰かが叫ぶ。「裏切り者! AI信者!」「違う! お前らが本物の知恵遅れだ!」 窓ガラスが割れ、机が倒れ、叫び声が重なり合う。担任AIのホログラムはただ静かに「皆さん、落ち着いて」と繰り返すだけだった。 最後に残ったのは、血まみれで床を転がりながら互いに罵り合う声だけ。「AIのせいだ……全部AIのせいなんだ……!」「あうあうあー! あー! あー!」 反AI学級は今日も、徹底的に馬鹿馬鹿しく、矛盾だらけの同士討ちで終わった。彼らは結局、自分たちの知能の限界とダブスタ体質を、AIのせいにすることでしか保てない小さなプライドを守っていた。 それが、境界知能の反AIという名の、哀れで滑稽な抵抗だった。(終わり)
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