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しいな ここみ様主催企画参加作品

時間の問題


注下人民共和国は、前々から増悪していた島国を占領する事に成功する。


占領してから数年後の冬、島国のある地方の伝染病研究所で研究者たちは、ある知らせがもたらされるのを待っていた。


もたらされる知らせとは、島国のある地方に秘密裏に撒かれた病原菌KK病が、その地方で蔓延し始めている事を知らせる報告。


発症後は致死率が100パーセントのKK病、そのKK病を人為的に改良して麻疹並みの感染率に引き上げた生物兵器。


島国は自然界に生息するKK病の根絶に成功していたため、生物兵器に改良されたKK病の蔓延を調べるのに適していたのだ。


そして季節が冬なのは、占領地の住民に割り当てられる電力や燃料は微々たる物だから、占領地の住民は少ない燃料で暖をとるため1つの部屋に集まり暮らさざるを得ない。


1つの部屋に家族全員が集まっていれば、家族の1人でもKK病に感染すれば瞬く間に家族全員が感染するからだった。


当然だが、改良されたKK病のワクチンの製造にも研究所の研究者たちは成功していて、ある地方に駐屯している注下人民共和国の軍人や警察官などは全員摂取済み。


待ちに待った知らせが届く。


だが……それは……待っていた知らせとは違うものだった。


島国のある地方に住む島国人だけで無く、ワクチンを摂取済みの軍人や警察官の中からもKK病に罹患した者が現れているという知らせ。


『何故だ?』


研究者たちの頭に疑問符が浮かぶ。


理由は簡単だった。


島国がKK病の根絶に成功していたのは検疫体制が徹底していて、持ち込まれるペットなどの動物にKK病のワクチンが摂取されてる事を知らせる書類が無ければ、180日隔離するなどの対策が取られていたからだ。


翻って注下人民共和国の検疫官は他の役人たちと同じように、賄賂を受け取る。


島国が占領された後、島国に旅行に来た注下人民共和国の家族が連れていたペットたちには、ワクチンを摂取した事を証明する書類が無かった、だが家族は検疫官に賄賂を渡しペットたちと共に入国。


そのペットたちの中の1匹がKK病に罹患していたのだ。


罹患していた1匹のペットから島国で飼われていた犬や猫だけで無く、野生動物にKK病は広がる。


広がった自然界に生息するKK病と生物兵器に改良されたKK病が出会った結果、自然界のKK病ワクチンも生物兵器として改良されたKK病のワクチンも効かない、感染力が凄まじく強く強毒性のKK病が誕生したのだ。


感染力が凄まじく強く強毒性のKK病は、注下人民共和国と島国の間を飛行する軍用機や旅客機の乗員乗客によって、注下人民共和国に運ばれそこから全世界に広がる。


感染力が凄まじく強く強毒性のKK病に対応するワクチンの開発は後手後手になり、人類の滅亡も時間の問題だった。






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― 新着の感想 ―
 うわぁ……、汚職による細菌兵器汚染の流出事故と拡散とは人間の性がよく出ていますねえ。  とはいえ、疫病もいずれ克服されるでしょうし滅亡はないかと。それが人間の科学によるものか、免疫力の上昇によるもの…
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