Stage10 宝箱の開け方
あっちへ行ったりこっちへ行ったり、右往左往していると、宝箱を見つけました。
全部で三つ。色は赤、黄色、白で、鍵穴がありませんね。
では、どうやって開けたらいいのでしょうか?
「ズリャ!」
ハイ、ズリャくん。君が手を上げるなんて珍しいですね。何か良い案が思いついたんですか?
「ズリャズリャ! ズリャ!」
うんうん――『女神様が開けてくれたらいいじゃないか』ですって?
あのー、えーと、それは色々と駄目です。
冗談抜きで私がそれをしてしまうと、上の人達にけっこう怒られるんですよ。
「ズリャズリャ!」
あー、確かに色々修正したりとかはしましたけど、それとこれとは違うんですよ。
私は助言はしますが、直接攻略の手助けする事は禁じられているんです。
「ズリャ……」
もう、そんなにションボリしちゃって。
楽をするのは簡単ですが、苦労した先に得られるものもあるんですよ。
そう簡単にホイホイと神的な力に頼ると、初めは楽しいですが、後々になって頭が空っぽになりますよ。
「ズリャ」
『なんか分かる気がする』って思ってくれたんですね。なら、嬉しいです。
さぁ、テリャくん、ズリャくん、この三つの宝箱のうち、一つに当たりがあります。
ヒントは、この迷路の中にあります!
さぁ、迷わないように探しに行ってください!
テリャくん、ズリャくん、頼みましたよ!
「テリャ!」
「ズリャ!」
さて、テリャくんは来た道を戻り、ズリャくんは宝箱の横にある道を歩いていきました。
片っぽだけではなく交互に見てみましょうか。ズリャくんの時みたいに溺死寸前になっては困りますから。
まずはズリャくんから見に行きましょうか。
「ズリャ♪ ズリャ♪ ズリャ♪ ズリャズリャ♪」
あらら、こんな薄暗い地下の世界で、まるで森で散歩しているかのようなテンションで、鼻歌をうたっていますよ。
のんびりな雰囲気のせいか、怪物達が全然襲って来ません。
「ズリャ?」
おっと、行き止まりです。残念ですが、ここにヒントはなさそうですね。
「ズリャ……」
あら? どうしたんですか?
何もない壁をジッと見つめちゃって。
「ズリャ!」
――ドゴッ! ガラッガララララ!!
何という事でしょう。
一見行き止まりだと思っていた壁が槍で一突きしますと、上へと続く階段があるじゃないですか。
お手柄です! ズリャくん!
「ズリャ!」
ズリャくんは、さっきの宝箱の前に戻ってください
「ズリャ!」
では、私はテリャくんの方を見に行ってきますね。