表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/63

第3話 お嬢様、当たったら右打ちしてください


「あとはその右下ンとこのハンドル握って少し捻る」

「こう?」

「そう」


 初々しい手つきでご令嬢のパチンコ実践が始まった。


 ……俺は何をしているんだ?

 雰囲気に呑まれて金まで貸して……あとで警察呼ばないとなぁ。


「それにしても騒がしい賭場ですわねぇ」

「賭場じゃない、遊技だ遊技場」

「何かしら、虹色の文字が並んでいますわ」

「はっ⁉︎」


 虹色。それは問答無用の当たりのサイン。そして『ラッキー』の声。


 まだ打ち出し始めて10秒も経っていない。ビギナーズラックとでもいうのか……


「当たりだ」

「当たり……? 要はお金がもらえて?」

「誤解を招くけど厳密に言えば合ってる……右打ちだッ!」

「み、右……打ち?」

「ハンドルを全開で捻るんだよ」

「忙しない賭博ですわねぇ」

「遊技!」


 しかしこれはツいてる。謎のお嬢様パワーで勝ってもらうしかない。


「なんだかよくわからないですけれど、とにかく打てばよろしくて?」

「打って打って当ててくださいお嬢様」

「そう。なら当分の生活費をここで取っておきましょう」


 どう見てもゴージャスなお嬢様から発せられる言葉ではない。こちらの独白などいざ知らず、セラはドレスの袖を捲って再びハンドルを握る。


「黄金の令嬢・セラ=バートリーの力、見せて差し上げますわ!」

「……お、おう」


 大事なことだからもう一回言っておくと、

 この謎のお嬢様は、俺の金でパチンコをしている。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ