表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/63

第2話 お嬢様、お金を入れてください


「ここが何処かなんてどうでもいいわ。貴方がしている()()について早く教えなさい」

「だからパチンコ……」

「手っ取り早くお金を稼げるなら何でも構いません」


 なんという威圧感。庶民では太刀打ちできないオーラに気圧されてしまう。場違いなのは絶対このお嬢のはずなのに。


「えぇと……とりあえずお金入れてもらっていいっすか?」

「持っていませんわ」


 じゃあ終わりや。帰れ。終わり!

 俺は今月の家賃をBETしている、絶対に負けられない戦いの最中なのだ。


 会話が終わったと思ったが、白く細い手が目の前に伸びてきた。


「なんすか?」

「後で返します」


 パチンコ屋ってる奴で信用ならない言葉ランキングベスト3に入るワードである。ちなみに1位は「もうパチンコやめる」。


「なんで見ず知らずのお嬢様に金貸さなきゃいけねぇんだよ」

「民草は貴族の為に、貴族は民草の為に行動する……間違っていて?」


 それで庶民に金をせびるのはどうかと思います。


「これは貴族からの頼みです……()()()()()()()()

「ぬぉ、身体が勝手に!?」


 行かないでゆきっつぁん! 君が消えたらボク生きていけないよ……!

 財布から抜いてしまった1万は、見事お嬢の手に渡ってしまった。


「ありがとう、心優しいセツナに感謝致しますわ」

「こうして庶民は重税に苦しめられるわけだな……」

「倍以上にして返しますわ……それで? これをどこに入れればよろしいのかしら?」

「その右上ンとこにあるほっそい穴に突っ込みな」

「1枚ずつなんて面倒ね、100枚くらいまとめて入れられないの?」


 んな金を持ってたらここにはいない。

 心優しい俺は敢えて言うことはなかった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ