トーナメント
トーナメントの説明が終わった。
ルールは簡単だ。
なんでもありだが、殺すのはなし。
場外に出させるか気絶させれたら勝利
との事だ。
俺は初戦相手の顔を見た。
女だった。
E-1のクラス、しかも女。
これは手加減した方がいいのか?
いや、それは慢心になるな。
少しは警戒しよう。
ほかの奴らの戦いを見ていたが、
そこまで心残りのする能力の持ち主はいなかった。
体術で相手を翻弄する者。能力で翻弄するもの。
まぁ、派手なヤツは居なかった。
そろそろ俺らの戦いらしい。
俺は所定の位置に付いた。
相手の顔を見る。
髪が長くてあまり表情が見えない。
「それでは、勝負を始める」
先生がピストルを鳴らす。
バーン
その音が鳴ってもそいつは微動だにしなかった。
気配を感じない。
目の前に居るはずなのに、気配を感じない。
違和感を感じた。
目に見えるのにそいつは本当にそこにいるのか疑うほど気配を感じれなかった。
トン
首に何かが当たった。
俺は即座に回避行動をした。
だが遅かった。
首にナイフの傷跡ができた。
血が出てくる。
俺はその箇所を抑えた。
「あんた何者だよ。本当の戦いだったら俺の首が飛んでたな。」
「これを避けることが出来る貴方も中々だけどね」
あれは残像だったのか?
いやそう言う能力としか言いようがない。
あれが能力に関係なくできる事ならば、
相当な化け物だぞ。
「お前の能力は大体見当がついた。気配を消す能力だな?簡単に言うなら、『ステルス』と言ったところか」
「さぁね?」
その声は背後から聞こえた。
俺はその瞬間にそのナイフを避けて軽く回し蹴りをした。
その蹴りは空を切った。
気配を感じないから戦いづらい。
その女は俺から少し距離を取ったところに立っていた。
「ダミー」
俺はそう呟いて回し蹴りをした。
「うっ!!」
蹴りは当たって彼女は軽くぶっ飛んだ。
「お前の攻撃は1パターンしかない。能力を使うほどでもなかったな。」
「そうかしらね。まだ試合は終わってないわよ。」
その声はまた背後から聞こえてくる。
俺は首を傾けてその攻撃を避け、
その勢いのままくるその女を背負い投げして場外に叩きつけた。
「お前は少し戦いづらい相手だった。お陰で自分の弱点を知れたよ。」
勝負の終わりのピストルが鳴った。
この勝負は俺が勝った。
次はどんな奴だろうな。
俺はその戦場から出て観戦に回ることにした。
景色は変わらなかった。
飽きてしまうな。
俺はささっと次の試合もその次の試合も終わらせて決勝戦に上った。
相手はどんな奴だろうと思っていると、
出てきたようだ。
男だ。
手加減をしなくても大丈夫そうだな。
だがこの先なにがあるのかわからない。
そういう学園だ。
体力はあまり使わない方がいいだろう。
所定の位置についた。
「これから決勝戦を始める」
ピストルの音が鳴り響く。
そいつは俺との距離を一気に縮めて
その拳を俺に向けて放つのだった。




